リーティアの隙あらば音楽語り

サブカル系音楽を中心に自分が気に入ったものを布教するだけのブログです

J-POP、やたら「青」を歌いたがる説を考察してみた

......6月になりましたね。

最近の生活ですか?一周回ってコロ助って何だっけ?という感じになってきました。

引きこもりの人権が認められている!!!!引きこもり最高!!!!

 

6月といえば、梅雨の季節になりますね。雨の日続きで日も差さなくて何となく気分もブルーになってくるようなそんな時期です。ブルーといえば、最近Apple Musicでコンセプトごとにプレイリストを作ってみて、そのひとつに「青」をテーマにしたプレイリストを作ってみたんですね。他に「夏」と「夜」のプレイリストも作りました。そこで一つ感じたことがあったんですけど、

 

「青」がテーマの曲、やたら多くない?

 

他の色に関して、例えば曲名に「RED」がついている曲だと僕のライブラリの中には「BLUE」の半分もない。それくらい、青がテーマの曲って圧倒的に多いんだなってことが、今回プレイリストを作るという作業をしてみてとても大きな気付きだったんですね。もしかしたら何となく気付いている人も多いのかもしれませんが...

で、今回はなぜこれほどJ-POPに「青」をテーマにした曲が多く存在しているのか、それについていろんな面から考察していきたいなーと思います。よろしくお願いしますね。

 

 

まずなんですけど、青という色が日本人の心に根ざした存在である、というのは一つ事実なんじゃないかと思いました。それは、青が自然を表す色だということと関係している気がします。有史以来、如何に自然を操作し、制御するかという点に精を出してきた西洋人に対し、自然と共存していく道をとってきたのが日本人です。そんな我々にとって空や海の色である青というのは他の色と比較してもより一層身近なものだろうし、古くは木々の緑色なんかも「青い」と表現してきました。日本語でも、色を表す単語はものすごく細かく分けられている中で、青を示す単語はとりわけ多いような気がしました。水色、空色、藍、瑠璃、群青... 日本人にとって青とは自然そのものなんじゃないかなと、まず思いました。例えばとして、「青空」という単語が題名に入っている曲でもライブラリの中にかなりの数ありました。あとは「群青」。これがタイトルに入っている曲も僕が知りうるだけでもかなりあります。これに関しては僕のフォロワーの方が丸々1記事使って特集してくださっているのでぜひ読んでいただければ。。。

saka-10saka.hatenablog.com

次に、形容詞としての「青い」っていう言葉の持つ二面性です。まず感情を表す「ブルー」といえば憂鬱、悲しみと言った意味になります。でも青のイメージってそれだけか?って思ったんですよ。他にもあるじゃないですか。「青春」「青臭い」「青二才」なんていう単語が示すように、青いという言葉には若々しさ、エネルギッシュなニュアンスも存在しているんです。そう考えると何か青いって言葉、神秘的じゃないですか?

憂鬱と青春、歌にするにはうってつけの題材ですよね。そこに色としての「青」を重ね合わせることによってより詩的、耽美的な表現になる。だからこそ、歌で歌われる色は圧倒的に青が多いんじゃないかな、と感じる次第でした。

 

さて、そんな「青」がどのように歌の中の表現材料として使われているのか、僕のイチオシの曲を何曲か紹介しますね。。。

 

WILD BLUE / PENGUIN RESEARCH (2018年)

作詞・作曲:堀江晶太 編曲:堀江晶太PENGUIN RESEARCH

WILD BLUE

WILD BLUE

  • provided courtesy of iTunes

 この曲は僕が知りうる中でも青春のエネルギッシュなものとしての「青」が強調された一曲だと思います。その中でも秀逸だと思った一節が、

見上げれば「進め」を告げる 限りない青 青 青

進めを告げるものといえばそう、青信号ですよね。って答えたら免許試験×されるから気をつけろよ  この表現は個人的にとてもすごいと思いましたね。青春の青でもあり、進めの青でもある、まさに曲名の通りのWILDな青。音楽的なことに関しては、もう今更堀江晶太氏の作曲力とこのバンドの演奏力の高さについて解説することはないでしょうが、この曲の特筆すべきメロディの魅力はサビの同主転調ですね。過去を振り返る歌詞のAメロ・BメロがFマイナーであるのに対し、未来へ走り出すサビでFメジャーに持っていく。ここの解放感にこの歌の魅力のかなりが詰まっていると思います。そしてこの後に「少年の僕へ」とかいう泣きメロ入れてくるんだからほんとずるい。ずるいよこのバンド。

 

心が、青い。 / 鈴木みのり (2018年)

作詞・作曲:堂島孝平 編曲:河野伸

心が、青い。

心が、青い。

  • provided courtesy of iTunes

 この曲はさっきのWILD BLUEとは対照的に、ひたすら憂鬱の青に焦点が当てられた曲ですね。あるがままの自分を受け入れることができず、変わろうとした結果、多くのものを犠牲にしてしまったことを嘆く歌です。はっきり言って歌詞だけ見てしまえば滅茶苦茶陰惨な曲です。「見る前に飛べ!」なんてタイトルのアルバムの最後を飾る曲がこんなんでいいのかと思うレベルには。ただ歌詞にそこまで着目しなければそんな暗い曲だと意識しないというか、歌詞に意識が行った時の衝撃がこの曲はすごい。この曲の調のEメジャーは明るい部類だと個人的には思うのと、あとは華々しいストリングスが鳴っている(演奏は弦一徹先生)という点で、最初聴いたときはまさかそんな暗い曲だとは思わなかったです。それがいいのか悪いのかは個人の感じ方次第だと思いますが... WILD BLUEと比較すると、ここまで大きな振り幅が存在する「青」の凄さをより感じてもらえるんじゃないかなと思います。

 

群青のムジカ / そらる (2019年)

作詞:そらる 作曲・編曲:じん(自然の敵P)

群青のムジカ

群青のムジカ

  • そらる
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 そらるさんに関しても空が名前の由来であるからか青がテーマの曲がいくつか存在していますが、今回はその中でもじん(自然の敵P)さん書きおろしのこちらを紹介しようかと思います。「ムジカ」というのはスペイン語でMusica、音楽という意味で和訳すれば「群青の歌」、そのままです。ここでの青はまず空の色、そして涙の意味も込められています。そしてやっぱり、ここでも前へ進む意思が曲中に表れているんですね。失敗続きの毎日の中でも、いつか希望を持てる日が来るように、この曲で歌われているのはそんな「前に進む意思」です。今回考察をしてみて、進む意思を示す「青」というのはこれまで考えたことがなくて、なるほどなと思わされた部分でした。そして爽快なバンドサウンド、特にバッキングが曲の雰囲気と合っていてとてもいいなと思います。バッキングの音がいいバンドは大体いい説(?) サビの入りがヨルシカの言って。にかなり似ているという話は置いといて...

 

 

Pray for Blue / CYNHN (2019年)

作詞・作曲・編曲:fu_mou

Pray for Blue

Pray for Blue

  • CYNHN
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 CYNHN(スウィーニー)は以前にクリエイターの渡辺翔さんがメインソングライターを務めるアイドルユニットとして紹介させてもらったんですが、この曲の作曲はfu_mouさん(主な作品にTell Your World(open the scen remix), H-A-J-I-M-A-R-I-U-T-A-!! など)が担当されています。ちなみにfu_mouさんはkzさんやagehaspringsの飛内将大氏の同期、洗足音大音響デザイン学科の出身の方です。

CYNHNはロシア語で「青」を意味する言葉であり、アーティスト活動の基軸として青を据えているわけですが、これはそれがとりわけ強く出ている1曲です。

まず、夜の終わりという点から、まずこの曲が歌っているのはブルーアワーのことでしょう。そんなブルーアワーの群青に、自分自身の中の憂鬱と未来に踏み出す意思を重ね合わせている、まさに最初に紹介した「青」の表現の全てがこの1曲に詰まっていると言えると思います。その究極の一節がDメロの

闇に差し込んだ光が見せた色は青

というところ。視覚的には日の出の直前の暗い青の情景をはっきりと思い浮かべることができるし、感情的には先の見えない真っ暗な中に、一筋の光が差す様を連想できる。

編曲面も、Future Bass的なアプローチを織り交ぜつつも、生楽器のアンサンブル感を大事にしたアレンジはとても素晴らしいと思いました。決して派手なサウンドではないけど、確かな重厚感と奥行きが感じられる仕上がりに感じます。そしてそんな曲の魅力を確かにしているのが、このユニットのアイドル離れした高い歌唱力です。メンバーそれぞれが芯のある歌声の持ち主であり、それぞれが互いの旋律を大事にしながら美しいハーモニーを形にしているのは並のアイドルでは為しえない実力の高さゆえだと思います。

 

 

J-POPとか書いときながら紹介するのはひたすらオタクソングという逆張りぶり、、、あ、このブログなんて元からそんなノリか、、、

何だかんだ今回はなかなか面白いネタなんじゃないかと思ってるんですけどこれが伸びなかったらもう知らん!w なのでこれ読んで面白かったらぜひURLをツイートしてくださいどうかどうかよろしくお願いします←プライドの欠片もないなこいつ

最近のブログの悩みなんですけど、導入はかなり軽いノリで入ってるのにいざ本文となるとどうしてもクソ真面目な文体になってしまうことです。結局どっちに振ればいいの?有識者いたら教えてください()

今回の記事、個人的には今までかなり苦手だった歌詞考察がだいぶ出来た点ではすごくやりがいがありました。今回結構言及した「前に進む」という青の意味合いは他の青をモチーフにした曲でも結構な割合で登場していて、確かに青信号の青と考えればそういう表現は何ら不思議ではないんですけど、本当に面白かったです。もしよければ皆さんが知ってる「青」の曲に関してもいろいろ聴き比べをしてみるといろいろ発見があるんじゃないかな~などと思った次第でした。

 

あと重要なことが一つあったんですけど、文字数多すぎですかね?もう少し減らした方が読みやすかったりするのかな...はたまた情報は多ければ多いほどいいのか...悩みは尽きないですね。また考えます。それでは今回はこの辺で。あ、あと最後に僕が作ったApple Musicのプレイリスト貼っときます。よしなに...

 

 

LISTEN TO BLUE...

今月出会った良いアーティストまとめ(May, 2020)

2020年始まってもう5ヶ月経つの狂う――――――――

ついに東京も緊急事態宣言が解除されてしまいましたね。まぁ僕の人生は永久に緊急事態なんですが......

今回の記事に入る前にまた報告というかマウンティングをしようかな... 前回書いたFLEETについての記事なんですが、なんと佐藤純一さんご本人に読まれてしまい、、、

 引用ツイートでお返事を頂いてしまいました。やばない?プロの作曲家ご本人に反応いただくのはこれで2回目なんですがさすがにこれは自慢させてくれ、、、ということで前回のFLEETの記事めちゃくちゃ頑張って書きましたのでまだ読んでないよって方いらしたらぜひ読んでくださいね、そしてぜひFLEETの音源を聴いてください(こっち重要)

 

そんなこんなで一時期だだ下がりだったブログのモチベーションが最近復活気味です。

と、そんな感じで、まあ今回の記事は月末恒例の今月よかった曲まとめですね。フォロワーさんも次々に投稿し出しているので時流に乗り遅れないうちにまとめ上げていきますよっと。じゃあ早速お題に入っていきますね。

 

 

 

*Luna

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*Lunaさんは2012年より活動を開始したボカロPで、バンドサウンドとEDMの両方をこなせるマルチな作風の持ち主です。←こいつ毎回この宣伝文句使ってない...?語彙力ないの?その中でも今回特に紹介したいのが彼が歌い手のゆあるさんを招いて昨年5月に発表したアルバムラズライトの夢」です。このアルバムを聴いて真っ先に感じたものは他でもない「真っ直ぐな青春」でした。曲やアレンジ自体はオルタナティブ、ポストロック由来のバンドの音とFuture Bass的要素を感じるシンセサイザーでとても洗練されたアレンジとインターネット音楽の土壌が培った爽やかなメロディ、それでもそんなもの以上に感じるこの泥臭さは何だろう?という感覚がしました。

このアルバムの軸となっているのは1曲目、アルバム名にもなっている「ラズライト」と9曲目の「アトラクトライト」で、さらにその2曲に共通する歌詞、

「青く光る 一瞬の煌めきを」

この言葉こそがこのアルバムのコンセプトであり、心臓なんじゃないかと思いました。

青春礼賛みたいな明るい印象というよりかは、むしろ人生を深い闇に例え、その中をひたすらもがく人間の姿、そしてその闇が深いからこそ、一瞬の輝きはより美しく見える。そんな懸命さを、この1枚のアルバムを通して表現したかったんじゃないか、そう思います。そしてさらにその情景を引き立てているものは、紛れもないゆあるさんの歌声だと思います。どこか中性的でエッジの効いたハイトーンが、1曲1曲が内に秘めた熱情を解き放つような、そんな雰囲気を感じます。

もう既に大人になってしまった人達からしたらその輝きはあまりに眩しすぎるものなのかもしれないですけど、何でしょうね、僕はまだ心のどこかでそんな輝きを欲しているってことなのかもしれません。


ラズライト (Lazurite) / *Luna feat.ゆある【New Album「COLOR*FULL2」2019.8.10】


アトラクトライト (Attract Light) / *Luna feat.ゆある

 

*Lunaさんの魅力はこうしたロックだけでなく、Kawaii Future Bassの方面でもすごいサウンド構築力を感じることができます。2017年に発表した「Heal Me」という曲なんですが、この時期というとちょうどSnail's HouseさんやYunomiさんといった界隈のクリエイターがSoundCloudなどを中心に頭角を現し始めた時期だと思うんですけど、こうした界隈のエッセンスをうまく吸収しつつ、それを見事にボーカロイドの文化に落とし込んだことによって生まれた名作じゃないかと思いました。Kawaii Future Bassの代名詞とも言うべき下降クリシェなんかも上手く使われていて、それまでのボカロと一線を画すものになっているんじゃないですかね。


Heal Me/ *Luna feat.Macne Nana 【Kawaii Future Bass】【New Album『ラズライトの夢』2019.4.27Release】

 

また、その文脈の延長線としてもう1曲紹介したいのが、ホロライブ所属のVtuber星街すいせいさんに提供した「comet」という曲です。おそらくKawaii Future Bassにカテゴライズすることのできる歌だと思うんですが、Vtuberとクラブミュージックの親和性を狙ったというよりかは、どちらかというとクラブ的要素は控え目なエレクトロサウンドが欲しかったんじゃないかなっていうことで、*Lunaさんの手腕がすごく光っている曲だなと思いました。星街すいせいちゃんは今その高い実力によって急速に知名度を高めているライバーの一人だと思うのでぜひチェックしてほしいところです。


comet / 星街すいせい

 

 

花鋏キョウ

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次に紹介したいのはRe:ACT(リアクト)に所属するVtuber・花鋏キョウさんです。まずこのRe:ACTっていう事務所についてなんですけど、今にじさんじ、ホロライブに続いて勢力をつけつつある所で、事務所として出した最初のコンピも聴いてるんですけど、個々のパフォーマンス能力もかなり高いなって思ったのと、あと提供陣もなかなかの豪華さで、烏屋茶房さんや山本真央樹さん、Neko Hackerなどバラエティ豊富でそれぞれの持ち味出まくりで良かったです。

で、そんなRe:ACTを音楽方面でリードしているのが彼女ともう一人、獅子神レオナさんですね。獅子神レオナさんがアニソン基調のロックナンバーでTimeFiles Inc.(磯谷佳江さん・小野貴光さん・玉木千尋さん)などを迎えているのに対して、彼女の音楽性はダンスタブルなサウンド、言うなればK-POPなどにルーツが見受けられるような音楽をやっています。さっきちらっとVとクラブミュージックの親和性の話をしましたけど、クラブ寄りの音楽をやるVって圧倒的に同人系が多いんですよ。企業系だと商業作曲家を呼んで正統派のポップスをやる勢力の方が多い印象があるので、彼女のように企業系でありながらエレクトロハウスに寄せてくるライバーは貴重な存在なんじゃないかと思います。で、そんな楽曲達をメインでプロデュースしているのがこちらもボカロP出身の作曲家・ポリスピカデリーさん。最初のオリジナル曲が「蒼に躊躇う」という曲なんですが、EDM系でありながらギターの音作りがとても光っていて、彼女の鋭利な歌声を引き立てているなと感じますね。


蒼に躊躇う - 花鋏キョウ【MV】

それと、個人的な憶測に過ぎないんですけど、Vtuberって現代に蘇った女性ソロアイドルのひとつの姿なんじゃないかと思うところがあります。聞いた話なんですけど、日本においては最後の女性ソロアイドルとされているのって松浦亜弥さんらしいんですよ。それ以来ソロで存在感を放つ存在は意外にも表れていないそうで。でもVtuberって、少なくともあの狭い界隈の中ではソロで存在感を放つアイドル的存在がいる。にじさんじ月ノ美兎ちゃんだったり、先述した星街すいせいちゃんだったり、バーチャルの利点を生かした先鋭的な創作活動をどんどんやって異彩を放つ存在になりつつあるアイドル的な配信者が現れていて、この花鋏キョウちゃんもその例に漏れないんじゃないかなっていう期待を持ってます。全然楽曲のレビューしてないって?ごめんね、その、あくまで今回はアーティスト紹介がメインなので......


花鋏キョウ - paradøx【MV】


Behavior - 花鋏キョウ【MV】

 

 

DUSTCELL

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お次に紹介するのはカンザキイオリ、花譜などが在籍する神椿レコードから昨年10月に活動を開始した2人組ユニットDUSTCELLです。ボカロPのMisumiさんとボーカルのEMAさんからなるユニットなんですが、このEMAさんはかつてにじさんじに所属していた久遠千歳というVtuberだったそうで、昨年8月に引退されているそうです。Vのオタクになってからまだ日が浅くてその辺についての知識が薄いもので...

そういう点から行くとボカロとVの音楽、両面的な音楽アプローチができる、これは他のネット音楽アーティストにはない大きな強みとしていけると思います。今のネット音楽シーンを席巻する存在であるずっと真夜中でいいのに。だったりYOASOBIだったりがジャズをポップに落とし込む曲風で人気を博しているのに比べるとこちらはHIPHOPの要素が強いですね。ただその両方に共通するのはリズミカルで歯切れのいいメロディ・展開を持ち味としていることかなと思います。代表曲である「CULT」という曲は韻踏みまくりの歌詞と詰め込み型の譜割というのはまさしくボカロ由来のものであって多くのネット音楽に共通するものなんですが、サウンド作りは洋楽やK-POPシーン、トラックメイキングと言った方が良い感じで、他の今YouTubeを席巻しているアーティストのほとんどがバンドサウンドであるのとは対照的な気がします。


DUSTCELL - CULT

ボーカルもなかなかに特徴的だなと感じる要素のひとつです。透明感のある妖艶な歌声、言うなら小悪魔的っていう形容の仕方が似合いそうです。実力という点でいえば他に現在進行形で音楽活動をやっているVtuberと比較しても群を抜いていると思います。かといってVtuberとしての活動経験であったりVの音楽シーンを肌で感じてきた経験というのも少なからず活かされているでしょうね。そんなボーカルの魅力を最大限感じられた曲が「Heaven and Hell」という曲です。美しく歌いあげられるサビとその後に来るラップパートのコントラストはもはや人格憑依じみたものを感じます。怒涛のレイヴホーンが曲の治安をかき乱しているという要素もあるのかもしれませんが、一気に闇堕ちしていくような様をボーカルで見事に表現しきっている。


DUSTCELL - Heaven and Hell

さて、そんなDUSTCELLなんですが、つい先週の5月20日、1stフルアルバム「SUMMIT」を発売しました。最初に紹介したようなHIPHOP系の曲ばかりではなく、オルタナティブロックに近いサウンドを響かせる新曲「アネモネ」、一人の人間の半生を綴り、死に対峙するバラード「終点」など、芸術性の高い音楽と人生哲学をリスナーに突きつける全12曲。ぜひ聴いてみませんか。

 

 

ここからは余談

 

実は僕、中学生くらいまで文章を書くのが死ぬほど嫌いだったんですよ。嫌いだったし苦手だったんですよね。小学生の頃は日記なんて大体5行しか書いてなかったし、中学の頃なんて1年の半分も日記出してなかったんですよ。そういうレベル。で、そんなから何があったの?って思うんですけど、文章を書くのが好きになったきっかけの一つは意外にもTwitterだったんですよ。140字で自分の考えを吐き出す作業は今の僕がこうやってブログを綴ってる上で間違いなく土台になってます。というか、それまでの自分は身の回りとか人生についていろいろ考えるってことをしてなかった。日記に書けることが客観的事実しかなくて、圧倒的ネタ不足だったなっていうのを実感しちゃったんですよね。ネタないのにいざ文章書けって言われてもそりゃ書けないし書きたくなくなるよなって話ですね。で、今こうやって音楽について自分が思ったことを書いてるんですけど、音楽を聴くっていうのもいろいろ考えながらやるとめちゃくちゃ難しいんだなってことが分かったり。他にも曲紹介ブログやってるフォロワーさんもいっぱいいる中で、皆さんすごくいい文章を書かれるんですよ。自分では割と知識を持っていてしっかり音楽オタクやってたつもりが実はそんなことなかったみたいな、そんなことの繰り返しですね。

今回の文章も自分では頑張ったつもりなんですけど、結局のところそれがどのくらい的を射ているのか、ちゃんと中身が伴ったものになってるのか、自分では全然わかんないんです。どちらかというと自分の主観をアウトプットしている感じなので。多分この先もそういうスタンスでやっていきます。あくまで「紹介」であって「解説」ではないかなと自分では思っているので、納得してもらうというよりかは少しでも興味を惹かれる人が増えてくれればいいかなって思いです。なので温かい目で読んでやってくださいね。笑

 

 

ただでさえ文字数多いのに大量に埋め込みをやった結果死ぬほどスクロールが大変な記事になってしまいました。ここまで読んでくださった皆さんすいません、そしてありがとうございます...... 多分これからもこんな感じですどんどん埋め込みやってスペース稼ぐのでご容赦ください。。。

 

FLEETというバンドに、衝撃を受けたという話

今回も記事を読んでくださっている心優しい皆さん、こんにちは!元気にしてますか?

 

東京はだいぶコロナ減ってきたらしいですね。僕の周りは別に何もという感じで人がうろちょろしていますが...... 正直なことを言うと、今の世の中に妙な生きやすさを感じている人間です。単純にコミュニケーションが減ってるから、というか、コミュニケーションをしないといけないっていう強迫観念が無くなってるのが今なんじゃないかって気がして、昔のようなストレスがないというか。まぁ、ここはそんなことを書くためのブログではないのでこの話はこの辺にしておきますが。

 

さてさて、今回の内容に入っていこうかなっと。

今回書きたいのは、FLEETというバンドの話です。このバンド、アニソン界ではおなじみのfhanaのフロントマンである佐藤純一さんを中心に2006年~2011年にかけて活動していたバンドでして。何でそんなバンドの話を今するのかって?まぁ単純な話なんですけど、偶然サブスクで見つけたからです。それまでも佐藤さんが以前FLEETというバンドをやっていた、ということだけは知ってたんですけど、曲を聴いたことはなかったんです。唯一知ってたのがニコニコ動画に上がっていた初音ミクの「cipher」くらいのもので。そんな中で見つけたのが大体2ヶ月くらい前でした。それで、これがあのFLEETなんだって思ってDLして聴き出したのが始まりでした。

 

.......衝撃だった。

 

それまで僕にとっての佐藤さんのイメージってすごくキャッチーで爽やかな編曲をする人だと思っていたんですが、彼の才能はそれだけじゃない。この当時の彼、つまりFLEETの音楽ってバンドサウンド電子音楽を絶妙なバランスで両立しているのは確かにfhanaと共通なんですけど、fhanaのようなキャッチー、という印象とはまた違うものだなって言う感じがしたんです。なかなか言葉にするのが難しいですが、音の波の中を揺蕩うような、幾何学的でありながらも自然に溶け込んでいるというか。こんなことを言ってもなんのこっちゃと思うとは思いますが、、、ただ一つ間違いなく言えることは、この佐藤純一というミュージシャンは自分が今まで知ってるより遥かにすごい才能を持った人だった、ってことです。

多分僕以外にもfhanaは好きだけどFLEETの歌は聴いたことなかったりとか、fhanaは知ってるけどFLEETのことは知らないとか、そういう人はいるんじゃないかと思うんですけど、そんな人たち向けに今回はこのFLEETというバンドの魅力、凄さを話せたらいいかな、と思ってます。何卒お付き合い願います。

 

 

 

・FLEETってそもそもどんなバンド?

そんなことwiki見りゃわかるだろ!って話ですが、、

佐藤さんとギタリストの池田雄一さん、電子音楽を中心に活動していた仲井朋子さんによって結成されたバンドだそうです。ただ驚いたのはゲストとしてあの今は大物プロデューサーのいしわたり淳治さんやtoethe HIATUSのドラマーとして活動されている柏倉隆史さんがゲストとして迎えられてるってことなんですよね。これだけの人をゲストに呼べるっていうのはやっぱり実力を業界内で認められていたってことなんだと思います。

作品として世に放たれた音源はシングル「Brand new reason」と3枚のアルバム「pre view」「review」「TRANSIT」。このうちサブスクで聴けるのは「pre view」と「review」です。「TRANSIT」収録曲の中でも「-ward」という曲はニコニコ動画で聴くことができます。

 

・バンドとしての魅力について

魅力、と言っても最初に書いたことですが、ロックとエレクトロニカ、両面からアプローチした多彩な音楽性、それでありながらバンドとしての世界観はとても綺麗にまとまっている、といった点にあると思うんですが、その、世界観が綺麗に1つにまとめ上げられている要因はどこにあるのか?あくまで僕自身の憶測に過ぎないですが、佐藤さんの歌声がそうなんじゃないか、という気がしました。fhanaでも1曲だけ佐藤さんがリードボーカルを務めた「Critique & Curation 」という曲 (作曲はyuxuki wagaさん) があるんですけど、彼の歌声ってバンドの中で一際映える最近のJ-ROCKに多いタイプのボーカルではなくて、あまり主張しない、周りの楽器の中に自然と溶け込むような歌声の持ち主なんですよね。最初に音の波の中を揺蕩うような、って言いましたけど、バンドの音だけでなく、ボーカルからもそういう雰囲気を感じ取れるような気がします。ボーカルまで含めてバンドの音として一体になっている。これこそがFLEETの世界観を強固なものにしている大きな要因じゃないかと思うんです。

 

・個人的推し曲をピックアップしてみた

文章で大雑把に魅力をどうこう言ったところで上手く伝えるのはやっぱり難しいので、サブスクで聴ける「pre view」と「review」の中から、個人的に好きだなって思った曲の感想を書いていこうかなと。

 

orrery

(pre view M1, review M10)

orrery

orrery

  • FLEET
  • エレクトロニック
  • ¥153
  • provided courtesy of iTunes

どうでもいいんですけど、ミニアルバムの最初の曲が、後のフルアルバムで最後の曲になってるやつってめちゃくちゃエモくないですか?個人的にはすごくエモみを感じてしまうのですが...

まずこの曲、基本的な構造としてはミニマルなんですよ。最初に提示したフレーズがバックで鳴り続けながら、そこに新たなフレーズを足していくことで音楽を形作っていっています。これが、世界が開けていくような印象や、これからどんな歌が始まるんだろうという高揚感を聴き手に与えている。「orrery」という単語は「太陽系儀」を意味していて、そのサウンドもまさしく目の前に宇宙が広がり始めるようなイメージが連想されると思います。そしてAメロで佐藤さんのボーカルが音を包み込むように入ってくる。これで僕は完全に心を掴まれてしまいまして...。それからサビですね。ここはまさしく佐藤純一の真骨頂とも言うべき聴かせるメロディ。この美しいロングトーンは、その9年後に生まれたfhanaの「calling」のメロディに通じるものを感じます。これが文脈か。。。fhanaの中でも最初のEPは割とFLEETの延長線上のようなポストロックサウンドが多かったんですが、メジャーデビュー後はそれとは違う独自の路線をどんどん開拓していった中で、callingは割とFLEETに回帰したようなサウンドなのかなと感じるところがありました。そしてそのリファレンスとして大きいのが、まさしくこのorreryじゃないかと思うところです。

そしてアウトロも、イントロと同じフレーズによって収束していくんですけど、つまりは軸から展開して、また軸にまとまっていく、そんなような歌なのかなと思います。だからこそ、アルバムの最初の曲としても最後の曲としても機能しているんだと思ったわけです。素晴らしい曲ですが、callingと併せて聴くとよりその魅力を大きく感じることができるんじゃないかと思います。

 

 

stella

(pre view M2, review M9)

stella

stella

  • FLEET
  • エレクトロニック
  • ¥153
  • provided courtesy of iTunes

この曲はさっきのorreryとはまた違う純粋なポストロックサウンドが特徴なんですけど、この曲の最大の特徴はその歌詞にあります。この曲は、佐藤さん自身が作詞を手掛けた唯一の楽曲なんです。FLEETはそもそも佐藤さんが作詞を手掛けているバンドではないですし、fhanaの作詞は基本的に林英樹さんという方が手掛けられていて、あとは数曲ボーカルのtowanaさんが作詞した曲があるのみで佐藤さんが歌詞を書いた曲は1曲もないです。また提供楽曲に関しても、自ら作詞した曲はありません。そんな中で唯一佐藤さんが作詞した貴重な曲がこの「stella」。他のFLEETの楽曲やfhanaの楽曲と比較してもロジカルな言葉遣いは少なく、全体として口語的表現でできているのが歌詞の大きな特徴ですね。爽やかっていうのは少し違うような気もしますが、素直な気持ちが表れた歌詞だなって感じです。サビの印象的なフレーズの「音楽はいつだって流れているから」という一節、もうそこらのJ-POPじゃ布雑巾レベルに使い古された表現だと思うんですけど、それが逆に新鮮な印象を与えてくれるんですよね。多分他の作詞家からは絶対に飛び出さない、佐藤さんだからこそ出た自然体の言葉がこれだなって思うんです。多分この先も佐藤さんが作詞する曲は出ないと思うので、本当に貴重だと思います。彼の音楽に抱く純粋な気持ちを感じ取れる1曲、ぜひおすすめさせてください。

 

Brand new reason

(review M1)

Brand new reason

Brand new reason

  • FLEET
  • エレクトロニック
  • ¥153
  • provided courtesy of iTunes

この曲は今から14年前に放送していた「イノセント・ヴィーナス」というアニメのエンディングテーマで今のfhanaと同じくランティスから出されたきょくだそうです。そうなんだ そういう点では今の佐藤さんのアニソン作りの源流になっている曲、と言えるかもしれませんね。1コーラス89秒が本当に1つの無駄もない構成になっていながらあまり主張の強いアニソンという印象はなく、あくまで普通のポップスとしても聴くことができる。アニソン特有の癖の強さみたいなものはなくて、Aメロとサビしかないので多くの人に親しみやすい気がします。fhanaとして手掛けた初めてのアニソンである有頂天家族ED「ケセラセラ」も同じような印象を感じます。代表的なワンダーステラ青空のラプソディは本当にアニソンらしさを全開にした曲だと思うんですけど、ケセラセラに関して言えばあくまでアニソンとポップスの共通項を探って割と親しみやすいものを作った、という印象が強くて。そうした作風になった要因の一つとして、この曲を作った経験があったからなんじゃないかという気がしました。FLEETの音楽性とアニメの音楽としての二面性を上手く両立させたこの曲には、佐藤さんが今これだけアニソン界で注目を集める存在になった要因の一端を垣間見ることができるんじゃないかと思います。

 

star lust

(review M3)


【FLEET】starlust【Music Video】

最初の紹介でtoe柏倉隆史さんをゲストに迎えているという話をしましたが、それがこの曲です。落ち着きのある電子音を使いながらも、疾走感のあるポストロックに仕上がっているんですが、その上で大きな役割を果たしているものこそが柏倉さんのドラムだと思います。生ドラムが入ってくるのは2番からなので、1番と2番で全然違う表情を見せてくれるのもこの曲の大きな魅力のひとつです。1番は穏やかな夜空のような雰囲気、2番は燃えるような星の輝きをイメージさせるような、それくらいの違いがあります。ドラム1つで曲の表情がここまで変わるというのは本当にすごい。そして激しくギターをかき鳴らし、それに呼応するようにドラムが打ち鳴らされる間奏も、他のFLEETの曲にはない独創的なものです。

柏倉隆史さんはtoethe HIATUSのドラマーであり、ロックスターという印象が強いですが、ClariS - ナイショの話ASCA - KOETK from 凛として時雨 - Fu re te Fu re ru(unravelのc/w)など意外とアニソン系の音楽にも参加していたりします。ナイショの話に至ってはJUDY AND MARYのTAKUYA氏が編曲とギターで参加したりしていて、もう完全なスカパンクですね。めちゃくちゃ脱線しましたすいません。

 

 

・おわりに

いくつか曲を紹介してみましたが、まぁ当然ですがこんなものはほんの入り口にすぎません。これを読んでもらって、このFLEETというバンドに少しでも興味を持ってくれて聴いてみようと思ってくれるきっかけにしてくれることを切に願っています。今回紹介したCDってもう2枚とも今は市場に流通してないんですけど、そういった音楽でも聴けるっていうのは本当にサブスクの大きな利点です。っていうのと、僕がついこの間FLEETと出会って、それで佐藤純一という人の能力はアニソンだけでは評価しきれない、それ以上にもっとすごい、そう感じさせられました。絶対何かしらの形で、これをたくさんの人に紹介したいと思ってたんですが、何だかんだで聴くようになってから今日まで2ヶ月も空いてしまいましたね。

ちなみにFLEETと同時にyuxuki wagaさんのインディーズ時代の音源もサブスクで見つけて、それもすごく良かったです。彼は佐藤さんとはまた違ってシューゲイザーに特化した作風を持っていて、そうして様々な音楽性が混じり合うことで新たにfhanaの音楽性を作っていることがある意味すごく勉強になったと言いますか。これもまだfhana加入前のtowanaさんをフィーチャリングした曲なんかもあったりする貴重な音源なのでぜひチェックしてもらえたらなって思います。

Light Falls (feat. 初音ミク)

Light Falls (feat. 初音ミク)

  • provided courtesy of iTunes
日々の波間に (Feat. Towana)

日々の波間に (Feat. Towana)

  • yuxuki waga
  • ポップ
  • ¥153
  • provided courtesy of iTunes

 

 

 さて、今回も完全に自己満足な記事が出来ちゃいました。まぁ個人的には自己満足なくらいの方が親しみやすい文章になるかなって気がするのでまだしばらくこんなノリで書いていくと思います。今後とも付き合ってくれたらとっても嬉しいです。ではでは今回のところはこんなもので。最後まで読んでくれてさんきゅーです。。

 

「オンラインDJイベント」、一度見てみませんか?

大変長いこと更新期間が空いてしまいました。

いや、その、ネタが転がってなかっただけで別にサボってたわけでは......ありますすいません。

 

緊急事態宣言からはや1ヶ月。もはや何が緊急事態だったのかもよくわからなくなってきましたが...今何よりしんどいのはやっぱカラオケに行けないことですね。絶対高い声出なくなってそう...

そんな中今新たな楽しみとして僕だけじゃなくて音楽ファン全体の間で新たな楽しみ方になっているものというのが今回のテーマ、オンラインDJです。現状ライブハウス・クラブハウスを取り巻く状況はとても厳しいものです。とりわけ打撃だったのが渋谷LOUNGE NEOの閉店、それだけでなく全国各地の箱が多く閉店に追い込まれている状況があります。

そうした中で、ただ指を咥えて見てるだけではいられないということで、最初に大きな注目を集めたのが、全国各地のクラブハウスを中継し生配信し、寄付金を募る初のイベント「Music Unity 2020」でした。これがTwitter上で大きな反響を呼び、第1回配信は最大同時視聴12000人を記録、集まった寄付金の総額は319万円にもなりました。またその2週間後に開催された第2回でも同時視聴10000人を突破し、一躍ネット音楽シーンのムーブメントになりました。他にも1サークル単位の小規模なものから大きなものまで、様々なDJイベントがインターネット上で開催されています。

今のこうした「コロナ禍」の中で急速に注目を集めるオンラインDJ。何がこれだけ多くの人々を突き動かすのか?今回はまだこうした配信を見たことがないという方向けに、このイベントの魅力、そしてそれが今後の音楽業界にどう影響を与えていくかをプレゼンできたらと思います。最後までお付き合いください。

 

 

まず1つ目の大きな魅力は、

様々なジャンルの音楽を1度に聴ける

というのがやっぱり大きいんじゃないかなと思います。普通ライブやイベントってお金を払って会場に足を運んで楽しむものですが、これはオンラインで、しかも無料。となると通常のイベントよりも嗜好がバラバラの人達が大勢集まってくるわけです。そしてプレーヤー側にも様々なバックグラウンドを持つ人たちがいて、また個人個人も様々なバックグラウンドを持っている。となると、メジャーなものからマイナーなもの、新しいものから懐かしいものまで、1度のイベントで色々な種類の音楽を楽しめる。これって実はすごいことなんじゃないかと思うんですね。当然だけどロックフェスでEDMが流れたり、EDMフェスでロックが流れたりなんてほぼないじゃないですか。でもこのイベントはそうした縛りが一切ないんですよ。何をかけてもOK。こう言うとすごく画期的なことに思えてきませんか?実際にこうしたイベントでは国内外のクラブミュージックからボカロやアニソン、Vtuber、邦ロックから80~90年代のシティポップに至るまでありとあらゆる音楽が流れています。ここでまずほぼ全ての音楽好きにとって盛り上がれるポイントが用意されている。そしてその上で、新たなジャンルの音楽を開拓することもできる。この時点で音楽が少しでも好きなら見て絶対損はないと思うんですね。新たな音楽への入り口として、「気軽に楽しめる」音楽イベントの存在ってものすごく大きいなって思います。

 

そして次の魅力が、

クラブがより親しみやすい存在になる

ということ。つまり長い目で見た時、こうしたオンラインのフリーのイベントを行うことは、よりクラブという文化を国内で盛り上がらせることに繋げることができるんじゃないかと思うんです。実際今の日本って、クラブ=深夜に酒飲んだパリピが暴れてる場所、怖い、みたいなイメージがまとわりついてるのは否めない気がするんですよね。実際そういう場所もあるのかもしれないですけど、でも全部が全部そうではないんですよ。特にサブカル系の音楽が中心のクラブなら全然そんなことはなくって。自分が好きな音楽を良い音響で聴いて、それで同じものを好きなオタクと語り合うひたすらアットホームな空間がクラブなんですよ。そのクラブの雰囲気が、オンライン上でも自然と形成されてる感じがします。要するに今までクラブをどこか敬遠していた人達にとっても、クラブの取り巻きは全然変な人達ではない(ある意味では変ですが...)をわかってもらえるいい機会になれば、今後新たに足を運んでくれる人も増えるんじゃないかと思います。クラブ、楽しい場所だよ!ぜひおいで!!!

 

そして3つ目、これが一番大事なことだと思うんですが、

もっと気軽に、たくさんの人と音楽で一体になれる

ことです。ライブ行ったことある人ならわかると思うんですけど、ライブ終わった後の多幸感って他の何にも代えられないものがあるじゃないですか。でもそれを共有できるのってせいぜい一緒に行った友達とかだけですよね。もちろんファンの界隈を作ってそこに入ってるとかなら話は別ですが...... でもこのイベントの魅力はそれより遥かに多い人たちと音楽を聴いて一体になれることです。同じ配信を見ているフォロワー全員とそれを分かち合えるってことなので。ただ一人部屋で聴いてる音楽とはやっぱり違います。ライブハウスのような音響はないとしても。生ライブのような魅力はないとしても、生ライブの下位互換では決してないと思います。全国どことでも繋がれるっていうのも大きな利点だし。たとえコロナが落ち着いたとしても、こういうイベントの形は残していってほしいと思います。ゆくゆくはさっき言ったようにそれまで足を運んでいなかった人を呼び込む大きなきっかけにもなりますし。

 

 

 

さて、オンラインDJの魅力、うまく伝わったでしょうか...... 言葉で全部伝えきるのはどうやったって無理なことだと思うので、やっぱり実際見てくれ、というほかありません。というわけで、先日アメリカのトラックメイカー・Porter Robinsonが主催したDJイベント「Secret Sky Festival」の際のkz(livetune)さんのプレーを紹介しておきます。Porter氏は日本のアニメの大ファンであり、たびたび来日してDJをしたり、A-1 Picturesの短編映像作品に主題歌「Shelter」を書きおろすなどしており、そうしたことから今回個人的親交の深いkzさんがこのイベントに参加することとなっていました。30分間のプレーですが彼の代表作「Tell Your World」とPorterの代表作「Sad Machine」のマッシュアップから始まり、アニソンやボカロ、Vtuberを幅広く網羅した最高のプレーを披露してくださいました。見るにはちょっと長いかもしれませんがもしよければ見てくれ...ついでにPorterの「Shelter」の映像も貼っておきます。

 

(以上、ここまでオタク特有の早口)

さて、そんなオンラインDJイベントなんですが、5/16、今週の土曜日の15時から、

Music Unity 2020 Vol.3が開催されます!

さらに翌17日の11時からはSYNERGY Stay Home Editionというこれまた日本のサブカル系クラブミュージックが中心のイベントがアメリカで開催されます。どちらも熱いイベントになること間違いなしなので週末暇を持て余しているよという方がいたらぜひ一緒に見ましょう!絶対楽しいので!

そんな感じで、今回の記事はここまでにしようかな。これからはこんなに空かないようにちゃんと定期的に更新していこうと思いますので......よろしくお願いします......

4月前半の新譜紹介 ~気鋭のアーティストが生み出す次世代型サウンド~

まず最初にまたまたお知らせです。前回みたいなボケじゃなくて、今回は真面目にね。

 

またまた公式に弊ブログの記事が載りました。

 

blog.hatenablog.com

先月の頭に大きな反響を頂いた鹿乃さんの「yuanfen」についてのレビュー記事なんですが、1ヶ月経って取り上げてもらえるとは...というかブログ歴4ヶ月で2回も公式に取り上げてもらっている時点でビビりまくりなんですが...何はともあれ嬉しいことです。

 

さてと。お元気お過ごしでしょうか。全く関係ない話なんですけど、僕にはかつて宅浪だった時期がありまして。リアルに家族以外誰にも会わない、家からも出ない1年間を過ごしてたんですよねその頃。何で乗り切れたのかもすごく不思議でならないんですが... その頃すごく心の支えになっていた音楽というとBUMP OF CHICKENでした。彼らの弱い者にも光を当て、その在り方を肯定する音楽に、当時の僕は救われた、というのかな。彼らの音楽があってこそ、1人じゃなかったなっていう気がするんです。ここの読者の方の中にも今在宅で気が滅入っている方もいるかもしれませんが、音楽は孤独を癒してくれる存在なんだよ、ということをお伝えしておきましょう。

 

と、何が言いたいのかわからない前文を置いてしまいましたが、今回はBUMPの話をするための記事ではありません。何を今更。 今回は4月出たアルバムの中から3枚ほどピックアップして紹介しようかなーと思っておりまして。それぞれ違う方向性から新しい形のサウンドに挑戦した前衛的な仕上がりのものです。お付き合い願います。

 

jelly girl / をとは 2020/4/11 DL & ストリーミング配信開始

 

最初に紹介するのはインターネットを中心に活動するシンガー・クリエイターのをとはさんが先月のM3で発表したアルバムです。Neko HackerTEMPLIMEエハラミオリなどといった同じくインターネットで活躍するサウンドクリエイターからの書きおろし楽曲の他、自らが作詞・作曲・編曲の全てを手掛けた楽曲も収録されているバラエティ豊かな内容のアルバムです。「デジタルな仲間たちに送る」というコンセプトで、バーチャルだからこその繋がりを歌にしたような作品です。僕の一推しは2曲目、Neko Hackerが作曲を手掛けた「Digital Life Hacker」。Twitterのコミュニティがリアルの人間関係のように繋がっていくことを歌った歌詞がネット育ちの人間としてはとても共感が持てます。Neko Hackerのサウンドといえばデジタルとバンド、両方の影響を受けた独自の形態、Kawaii Future Rockなんて言われていますが、これもネコハカ節全開ですね。もしこれが気に入ってもらえたらぜひNeko Hackerの活動の方もチェックしてくれたりしたら嬉しいですね。そして自身が制作したのは7曲目「Cobalt Dreams」。予想以上に編曲のレベルが高くてびっくりしました。この界隈、ぷにぷに電機さんや4s4ki(あさき)さんといった自らトラックメイキングまでこなすボーカリストさんは多くいるんですが、ゆくゆくはをとはさんもそうなっていくのかなという期待が持てる1曲です。ビートとシンセの絡み合いが気持ち良すぎるし間奏でダブステみたいなの入ってきたり、とにかく聴いてて楽しいです。

 

 

Dear Thinking Nodes / memex 2020/4/12 DL & ストリーミング配信開始

 memexは前々回のVtuberコンピ「ADVENTUNE」を紹介した際にその中で言及しましたが改めて。コンポーザーのぴぼさんとボーカルのアランさんによるバーチャル・オルタナティブ・ユニット(こんな表現ある?)です。ジャンル的にはオルタナティブ、というかポストロックというのが一番的確ですかね。バンドサウンドをベースにデジタルを織り交ぜ、変拍子を駆使した実験的なサウンドとアランさんの伸びのあるハイトーンボイスがこのユニットの唯一無二の世界観を作っています。また映像に関しても非常にこだわりを持って作られており、初オリジナル作品「Cloud Identifier」のMVは2019年のVRクリエイティブアワードでデジタルハリウッド賞を受賞しています。模試で有名なあのデジハリです。

でなんですけど、アルバム名にもなっている「Thinking Nodes」って一体何の事?って思ったわけです。それについてぴぼさん自らが解説されていたのですが、「物理的実体を持たない意志」、すなわちバーチャルの存在達のことのようです。では何をもってその意志はそれとして識別されるのか?肉体的死が訪れない彼らはいかにして「死」が定義されるのか?それこそが出発点「Cloud Identifier」であり、彼らの活動を通して表現したいこと、であるようです。何を感じるかは聴く人によって様々だと思うので、ここでは確かな音楽のクオリティの保証だけしておきます。あとはその耳で、確かめてみてください。

 

 

wyxt. / Who-ya Extended 2020/4/15 発売

今回最後に紹介するのは、昨秋に「PSYCHO-PASS 3」オープニングテーマ「Q-vism」で鮮烈なデビューを果たし、劇場版でもオープニングテーマを担当したアーティスト・Who-ya Extendedによる1stフルアルバムです。属性的にはアニソンシンガーなので前2組とは少し方向性が違うんじゃないか...と思われがちですが、個人的には一定の共通性はあるのではないかと思うんです。このWho-ya Extendedは一切メディアへの露出がない他、クリエイターチームという情報こそあれど何人いるかわからない。リスナーからしたら彼らはほぼバーチャルの存在に等しいと言っても過言ではない。そしてバーチャルのアーティストが独自の表現を築いてきたことは昨今のアニソン・ネット音楽シーンが物語っていることです。こうした形態であるからこそ、彼らは自らのサイバーパンクな音楽性に説得力を持たせることができているのではないか。そう考えられるのです。彼らの才能は作編曲だけでなく、作詞にも表れています。それは韻踏み。劇場版PSYCHO-PASS主題歌「Synthetic Sympathy」では「匿名」「革命」「極性」、「雨模様」「雑踏」と、文頭文末両方で韻を踏むことで強烈な印象を残すなど、只者ではないセンスを感じ取れます。アルバムの新曲「ErroЯ CØDE」では「猜疑心 guessingの賜物」「暴いて biting」といった言葉が出てきます。よくこんなのを思いつくもんだ。そしてこのアルバム内で色んな意味で衝撃的だったのは9曲目「memorized.」。それまでの音楽性とは違う、ピアノとアコギのみで構成された、いい意味でJ-POP的だと感じるバラードでした。ちなみにこのイントロのピアノから僕が連想したものは駅メロでした。駅メロって別れとか、新生活とか、そういう感情をいろいろ思い起こす存在だと思うんですけど、そんなようなシンプルなメロディと、とても素直で、美しい言葉。王道でありながら新鮮でした。この先の彼らはどんな音楽で魅せてくれるのか。とても楽しみです。

 

 

 

今回紹介するのはこんなところです。

冒頭でも言った通り、この3組の持つ音楽性はそれぞれ全く違いますが、音楽、歌モノの新しい可能性に挑もうとしているという点では同じじゃないかと思うんです。そしてこうした存在がゆくゆくは音楽業界を引っ搔き回してほしいなっていう思いが一介のリスナーとして強くあります。かつてのボーカロイドのように。

 

もう話すこともないんですけど、音楽は孤独を癒してくれるよ、っていう前書きの続きをしましょうか。興味なければここで閉じていただいてもいいですよ...。

 

孤独を癒すっていうのは文字通り孤独を埋めるってだけじゃなくて、人との繋がりを作るっていうのもあります。実際僕がネットにのめり込んだのは同じ音楽が好きな仲間を探すためだったし、高校時代や浪人時代に辛い時、周りに誰もいない時に助けてもらったのはそこで知り合った仲間でした。今回紹介した「Digital Life Hacker」の歌詞には「名前も顔さえ知らない君に救われたの」という一文があります。僕はまさにそれを経験した人間です。話をずらしますが、僕はバーチャルの繋がりでも、リアルの繋がりと同じように、時にそれ以上の絆は生まれるとそう思っています。そしてそれを生み出せるのは、アニメやドラマ、音楽、絵といった文化でしょう。こういう世の中だからこそ、改めて文化が僕らの生命線だということを感じています。その中で僕が色々言えるのってせいぜい音楽しかないので、そんな孤独を癒してくれる音楽の魅力を、これからも伝えていきたいなって思います。

 

 

気取りはもう十分って?そうだね。また次回ね。3割くらいはどうでもいい今回の記事でしたが、全部ちゃんと読んでくれた人は聖人か何かだと思うことにします。ありがとうございますありがとうございます次回もよろしくお願いします     END

そこには「声優ソングのあるべき姿」があった ~DIALOGUE+「DREAMY-LOGUE」レビュー~

まず最初にお知らせです。

緊急事態宣言下ですが弊ブログは自粛しません!!!!!!!

と、いうわけでいつもにまして今月はブログをたくさん更新していきたいですね。

 

でですね、待ちに待っていた新譜がこの度ついに出ました。

DIALOGUE+ 「DREAMY-LOGUE」

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田淵智也全曲プロデュース、作詞ゲストに三森すずこ津野米咲(赤い公園)、大胡田なつき(パスピエ)を迎え、編曲には堀江晶太(PENGUIN RESEARCH)、佐藤純一(fhana)、中山真斗、eba、園田健太郎広川恵一(敬称略)というアニソン界で第一線を走るクリエイターたちを取り揃えた全6曲ということで、発売前からコアな音楽マニアの間で大注目を集めていたわけですが...まあ一言で感想を言いますか。

 

すごいアルバムだった。

 

何がどうすごかったかっていう話をするにあたって、そもそもDIALOGUE+という声優ユニットがどこを目的地にしているのか、そして田淵智也がこのプロジェクトを通して何を表現しようとしているのか、まずそれについての考察をここに書いていこうかなって思います。

 

田淵智也と言えば、UNISON SQUARE GARDENの核であると同時に言わずと知れた10年代アニソンシーンの中心人物でもあります。さらに畑亜貴らとプロデュースチーム「Q-MHz」での活動など、もう何ら不自由はないほどにアニソン業界での活動をやれているはずです。そんな彼が今さらに新しいプロジェクトを持つことにどんな意味を持つのか。それについていくつか思いつく点を挙げてみようかなと。

 

・新たなアニソンの形への挑戦

「売れるアニソン」を書くだけでは足りない。アニソンが音楽業界のフロンティアであり続けるためには新たな形に挑む必要がある、ということがまずあると思います。そういった思考の根底には元々田淵氏がバンド畑の人間であるということもあり、ここからさらに進化をしていかないとバンドのタイアップに居場所を奪われるのではないか。そういう考えももしかしたらあったんじゃないかなって気がします。実際に彼がMCを務めるイベント「アニソン派!」において女王蜂「火炎」を絶賛していたことなどもありますし。さらに言ってしまえば弊ブログでは何度も言及してますけどVTuberはじめインターネットの音楽はアニソン以上のハイペースで進化をしており、それもまた大きな後押しになったのかなとも思います。

しかしながら楽曲提供という形でそれをやるのはなかなか困難じゃないかと。もちろん田中秀和氏の「Share the light」のような前衛的なものもありますが。そこで全く新しいユニットを作り、演者とクリエイターが一体となって作品を作っていく場にしようというのがDIALOGUE+なんじゃないかなって個人的には思うんですよね。新たなアニソンの形の実験を織り込みつつ、それをアーティストの世界観に還元していく。ユニットというよりかはプロジェクトというべきかなっていう捉え方をしています。いわば「アニソンの実験場」という意味合いが強いのかな、と。

 

・「声優」が「歌を歌う」魅力の再認識

00年代、10年代ともはや声優が歌を歌うことが当たり前となった今更何だ?と思われるかもしれませんが、ただ歌が上手ければいいっていうものではないんですよね、声優の歌は。その点について田淵氏もコメントをされています。

 声優が持つ声の良さをどう生かすか。その点においてもDIALOGUE+は様々な実験的なアプローチをしていて、今回のミニアルバムもそれが非常によく出ていました。やっぱり声優ってキャラクターに声を吹き込むのが生業なので、歌を歌うにしても何かしらキャラクター性が見えてくるというのが非常に大事な要素の一つなんじゃないかと思うんですね。特にDIALOGUE+は8人という大人数で構成されるユニットなので、それぞれのキャラクターをどう生かしていくかという点で非常に工夫がなされている印象を受けました。DIALOGUE+の試みを通して、声優の歌の魅力をもう一度掘り下げてもらおう。そう言った意図は少なからずあるでしょう。

 

 

前置きだけで1842字。これはなかなかなボリュームになりそうですね...。

さてさて、ここからは全6曲、それぞれの感想を書いていきましょうかね...。

 

 

全作曲:田淵智也 特記のないものは作詞:田淵智也

 

M1. 大冒険をよろしく 編曲:堀江晶太

田淵智也×堀江晶太といえばあの「Rising Hope」に始まり名曲を生み出し続けているタッグですが、またとんでもないものを生み出してしまったな、と。まさにタイトルの通り冒険の幕開けを感じさせてくれます。それはDIALOGUE+だけでなく、プロデューサーの田淵氏自身の冒険ともとることができそうです。この曲の調はFメジャーですけど、イントロは同主短調のFマイナーから入るんですね。ここでまずもう不意打ちを食らっていく。そこからアレンジはブラスセクションを取り入れながらバンドサウンドの強みを最大限生かす堀江節全開って感じですね。ベースを弾いているのは田淵氏ですがベースラインがライブ中の彼かなってくらいに動く動く。特に2サビ前の高速スラップ。何あれ。これを名だたるスタジオミュージシャンに混じってやってるので本当に彼のベースの実力は相当なものですね。次に歌詞。印象的なフレーズが1Bの「パンドラの箱をのっくして あやふやな未来を取り出して」ですね。災厄の象徴である「パンドラの箱」とプラスのイメージを持つ「未来」という言葉の対比。どんな困難も乗り越えて強くなっていこうという意気込みを示すこれ以上の言葉があっていいのか???そしてボーカルディレクションがすごい。要所でガヤを入れてみたり、語りかけるような歌い方をさせてみたり。まさに声優が歌うからこその魅力ガン詰めです。そして譜割。LiSAにもこれ渡すかってくらいの相当な鬼畜なメロディですよこれ。田淵氏はこのメンバー8人の実力を期待値含め絶対的に信頼をしているな、と。じゃないとこれ書けないですよ。最後の高音畳み掛けとか圧巻ですね。結論を言うともう大満足の仕上がりです。ボーカル、歌詞、メロディ、楽器、全部それぞれ意識して聴いてもらいたいですね。

この曲については「堀江晶太・kemu速報」さんが12000字という超濃厚レビューを既になさっているのでぜひお読みください。

horienews.com

 

 

M2. 好きだよ、好き。 編曲:佐藤純一(fhana)

1曲目の爽快なバンドサウンドとは打って変わって王道アイドルソング的アプローチを組み込んだ、頑張る人を後押しするような曲です。それは第一印象。この曲には、8人それぞれが支え合ってずっと歩んでいってほしいという田淵氏の思いが込められています。

「君が僕を嫌いになるときは 僕が夢を捨ててしまう時だ だからそんな日が来ないように 今を歌い続けよう」

「嬉しい時は話をするよ 悲しい時も話をするよ 君がそばにいてほしいから」

自身のバンドの曲からはなかなか考えられないフレーズに不意を突かれたとともに、めちゃくちゃ感銘を受けてしまった...。1人でも欠けたらこのユニットは成立しないと彼は言ったし、メンバー全員がそう感じている。この曲を聴いて、もっとこのアーティストの未来を見ていきたいなとそう感じさせてくれました。「好きだよ、好き。」というタイトルの意味は、「夢を持ち続ける」ということなんですね。歌詞考察についてはこちらの記事がより深く踏み込んだことを書かれているので是非お読みください。

www.ongakunojouhou.com

 で、アレンジなんですけど、ストリングスの編曲がとにかく素晴らしい。2AのVn→Vcの旋律の受け渡しとかめちゃくちゃ綺麗だし、間奏なんかはfhanaの楽曲にも通じるものがあって、もう、佐藤純一やってくれたな、、、って感じです。演奏はfhana「星をあつめて」に引き続いて真部裕ストリングスが担当しています。この曲もぜひ歌詞、アレンジそれぞれ意識してもらって魅力を感じてもらえればなって思います。

 

M3. トーク!トーク!トーク! 作詞:大胡田なつき(パスピエ) 編曲:中山真斗

トーク!トーク!トーク!

トーク!トーク!トーク!

  • DIALOGUE+
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  • provided courtesy of iTunes

また直前の曲からは打って変わって遊び心が溢れた曲ですね。またすごくボーカルディレクションが違っていて、大胡田なつきさんが作詞してるだけあってパスピエに近くなってるようないんしょうがするんですけどこれは先入観なのか...?そしてすごいのが中山真斗さんのアレンジですよ。どうやらトラックダウン当日になるまでアレンジ音源が届かなかったとかなんとか...。具体音の使い方がすごくうまい。具体音っていうとアンビエントとかエレクトロニカ的なものに使うやつだと思ってしまいがちですけど、元々ポップな曲にここまで効果的に使われているのは流石にうなってしまいますね。途中のラップ部分(なのか?)のリリックがすごく良くて流石大胡田なつきさんだなぁとかんじたりだとか、メンバーそれぞれ歌い方が違っていたりとか、すごく聴いていて面白かったです。いやこれはほんとに編曲が天才です。中山真斗さんありがとう。

 

M4. Domestic Force!! 作詞:津野米咲(赤い公園) 編曲:eba

Domestic Force!!

Domestic Force!!

  • DIALOGUE+
  • アニメ
  • ¥255
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今回衝撃的だった曲No.1。やばすぎるだろこれ。

Twitterでは欅坂っぽいって散々言われてましたけどメロディ部分は個人的には小野貴光(Time Files. Inc)氏にインスピレーションを受けているんじゃないかと感じた曲でした。で、ヤバいところ順番に話していきますか。

まず展開がEDM。完全にビルドアップ→ドロップの流れになってる。まさかバリバリのバンド畑の田淵がこんな曲を書くとはって感じ。ひっくり返ってます。でもって、こういう曲を書こうと思ったきっかけが本人曰く女王蜂「火炎」らしいですね。でもって次がこのアレンジをこちらもロックが本業のebaさんが担当しているということ。ebaさんといえば「This game」だったりこの間はCYNHN「水生」でバチバチのロックチューンを鳴らしてくれていたんですけど、それと同じ人がアレンジをしているって普通に信じられないでしょう。かなり本格的なエレクトロサウンドの仕上がりなんですけど、アクセントにギターを入れてくる辺りは本当に流石でした。そしてそれ以上に衝撃的だったのが声の使い分けなんですよ。声優楽曲においてボーカルディレクションがどれだけ大きな意味を持っているか。そしてこの楽曲でそれを担当したのはあの草野華余子氏。まず最初の台詞部分なんかはさすが声優と思わせてくれる演技でした。声優楽曲もっと積極的にこういうことしてくれてもいいんじゃない?あとビルドアップの部分。1番と2番で全くと言っていいほどに同じメロディでも歌い方が違っていてびっくりしましたね。ほんとに「声優は圧倒的に声がいい」ことをこの曲を聴いてもらえればわかるんじゃないかと思います。本当にすごかった。

 

M5. パジャマdeパーティー 作詞:三森すずこ 編曲:園田健太郎

パジャマdeパーティー

パジャマdeパーティー

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  • アニメ
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 まず歌詞なんですけど、三森すずこさんの作詞センスほんとにすごいなって思いました。別に過小評価してたわけではないんですけど。「笑い声が月まで飛んでいく」ってフレーズほんとによくないですか?曲の向こうで繰り広げられているであろうガールズトークの光景が目の前に出てくるようですよ。で、園田さんの編曲もめちゃくちゃいい。自分のTwitterでライオンに1匹だけシマウマが混ざってるだの言ってたんですけど、どこがやねん!!!全体通して弾むようなピアノの音が本当にいいです。コード進行は特にAメロがすごく良くて、おおそう来るんだ!っていう感じの動きをめっちゃしてくれます。Domestic Foce!!のような語り所がある曲ではあまりないかもしれないですが僕の語彙力がないだけですごめんなさい、あれがすごい聴くのにカロリーいろんな意味で使う曲だったのでこの曲順はとてもいいと思いました、すごくこちらも聴いてて楽しい気分になれる歌だなって思いました。

 

M6. ぼくらは素敵だ 編曲:広川恵一

ぼくらは素敵だ

ぼくらは素敵だ

  • DIALOGUE+
  • アニメ
  • ¥255
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コンセプト的には「好きだよ、好き。」と似ていて、DIALOGUE+のこれからの展望を描いた1曲かなと思います。3~5曲目がゲスト作詞曲だったのもありますが、ここに来てまた素直な田淵節が戻ってきたなって感じです。歌詞に関しては「1人でも欠けちゃったら嫌だから心を繋げ」とか、ユニゾンでは絶対聴けないじゃないですか。本当に、田淵氏がどれだけメンバーを認めて応援していることか。。。「ぼくらは素敵だ」っていうタイトルの時点でもう勝ち。リスナーはプロデューサーとメンバーの強固な信頼関係に平伏するしかない。で、編曲がMONACAから「はじめてのかくめい!」の田中秀和氏に続き、今回は広川恵一氏です。CRIMSON LOVERS以来僕の広川氏のイメージは変態マスロックだったので今回また違う一面を見れたなって印象です。ストリングスに関してもここまで一級品のアレンジが出来るのは改めてこの人の底知れない実力を見せつけられたなって感じですね。ただやっぱりコード進行は変態ですけどね。メロディ普通に素直なのにそんなコードつけるの!?って感じですよ。アレンジが返ってきたときの田淵氏の反応どんなだったんだろうw でもって間奏の謎転調ですよ。A♭のモーダルインターチェンジかな?とか思ったらB♭行ってそのままGに戻るとかいう謎の挙動をするんですが...それでもすごいのはあれだけテクニカルな編曲でありながら全体を通して聴けばちゃんとキャッチーなんですよ。まっすぐにメッセージが伝わってくる。この広川氏は本当にすごい仕事をしたなって思いましたね。最後の曲にふさわしくも、さらに続きがあるようにも感じさせてくれる。最高の曲です。

 

 

最初に「声優が歌を歌う魅力の再認識」ってことを書いたんですけど、このアルバム1枚通して僕自身がそれをさせられたなぁ、と。全6曲、すごくわかりやすい形でそれを表現してくれたんですよ。声優ソングのボーカルディレクションの大切さっていう点では諸星すみれさんのデビューアルバムの白戸佑輔氏の曲とHoneyWorksの曲を聴き比べた時に全く歌い方を変えていてそこですごく実感したんですけど、これもちゃんと歌い方にキャラクター性が存在していてそこが本当によかった。

あとは世界観の確立と多彩なバリエーションの両立ですね。田中秀和氏プロデュースの鹿乃「yuanfen」、kz氏プロデュースのにじさんじSMASH the PAINT!!」ときて、田淵氏はこのアルバムでどんな景色を見せてくれるんだろうとすごくワクワクしていたんですけど、もう完全に期待以上です。一流ヒットメーカーは同時に革命家でもある必要があるなって思います。ずっと同じようなことをやっていては時代に取り残される。そうした中で、声優とクリエイターが一体となって創作をしていくこのユニットは、僕らリスナーが考えている以上の可能性を秘めているのかもしれません。そんなことを、この作品は思わせてくれました。

 

ここまで6600文字。1曲のために12000字書いた堀江速報管理人の足元にも及びませんが、これからもっと物書きとして精進していけたらいいかなと思います。以上、今回の記事でした。広がれログっ子の輪!!!!!

「音楽は物語である」ということ。 ~VTuberコンピレーションアルバム「ADVENTUNE」を聴いて~

新年度になりましたね。。。

 

僕の大学は5月まで授業開始が延期になりましたが...。今年1年間はまともに何もできないんじゃないかって気がしてますね。まあしょうがないね。

さてさて今回の記事を始めていきましょう。

本日4/3、金曜日なんですが......なぜか大量に新曲が出てきた。なんで?

そしてそして......その中でも一際ヤバかったアルバムがありまして、そのアルバムのことはフォロワーさんの紹介で知ることができたのでめちゃくちゃ感謝してます。Twitter情報網やばすぎ......

 

「ADVENTUNE」

 

f:id:Letia_MusicLover:20200404000106p:plain

というアルバムなんですが、まず一言で言うと、バーチャルシンガーのコンピレーションアルバムです。そしてこのタイトル(ADVENTURE+TUNE)が示すように、RPGの世界の物語を音楽で表現するというコンセプトのもとで作られたアルバムです。そしてその収録曲10曲のひとつひとつのがそれぞれコンセプトを持っており、それらの集合体として最終的にアルバムのストーリーが構成されているというものです。

 

曲の感想...の前に、このアルバムの意義について自分なりに書きたいなって思います。

僕が考えるいいアルバムっていうのは「1枚通して聴いた時にそれが持つストーリー性、アーティストが伝えたい音楽の物語がしっかりと表現されているもの」だと思っておりまして。1曲1曲が強ければいいとかそういう話ではないんですよね。むしろ全体として世界観の統制が取れている方が作品としての価値は高いかなっていうのが個人的な考えです。そういう意味だと僕は完全なオリジナルアルバムが好きです。それは置いといて。

このアルバムは、より聴く人に音楽が持つストーリー性を強く感じてもらう、という狙いがあるんじゃないかと思います。コンピレーションアルバムだとバラバラの音楽を包装するものみたいな感じのものが多い気がしますが、この場合アルバムが既に物語を持っており、それに沿うように曲を作っていく。1曲でも欠けたら完成しない。その点がこのアルバムの最大の魅力だと思いました。

 

さて、曲の感想を書いていきましょう。

 

M1. Close to my heart / ミディ [女神]

 1曲目は作曲系VTuber・ミディによる「女神」をコンセプトとして書かれた曲です。

ミディさんは作風的にはFuture Bassを得意としているのですが、この曲も本格的なサウンドを鳴らしてくれています。そしてこの曲で女神は何を伝えようとしているのか。これ考察がすごく難しいんですけど、女神はこのRPGの主人公に語り掛けているんじゃないかと思いました。

「ねえいつも何を考えてるの 君だけの言葉で聴かせてよ」

というフレーズは、主人公へと同時に聴き手に向けられたメッセージでもあり、ここから壮大な冒険が始まっていくことを予感させてくれます。

 

M2. heterodoxy / memex [魔女]

memexはクリエイター・ぴぼを中心として結成されたオルタナティブ系アーティスト集団です。「魔女」のコンセプトが示すように、半音階や変拍子を巧みに利用したどこか怪しげな旋律、バンドサウンドとFuture Bassが混在する曲構成など、非常に前衛的な構成の曲になっています。この曲のストーリーは「人の役に立ちたかった魔女が強大な力を持ったせいで疎まれ、最終的に人々のために消える」というもの。ボーカル・アランさんの訴えかけるような力強い歌声によって一段と説得力を持つ仕上がりになっています。これは個人的な性癖ですが最後IVm△7で終わるのがめちゃくちゃ好き。

 

M3. VILLAGER / キツネDJ [村人]

この曲のコンセプトは「村人」で、非日常に巻き込まれて崩れ去る平穏や引き裂かれた友情を歌っています。ダンスミュージックでありながらもどこか切なさを感じさせるトラックメイキングがすごく器用だなって思いましたね。歌詞もちゃんと世界観を崩すことなく韻によるリズム感を生み出しています。あと特筆すべきは民族音楽調なドロップですね。盛り上がりを作りながらもここでもちゃんと世界観を保っている。DJキツネさんのことは初めて知ったんですけど相当な実力者だなって思いました。

 

M4. Level UP / 八月二雪 [剣士]

3曲目まではエレクトロが主体でしたが、ここでバンドサウンドの楽曲が登場してきます。コンセプトは「剣士」ですが、「Level UP」という一見ポジティブなタイトルとは裏腹に、敵を倒して経験値を稼ぐ、という行為に対して葛藤や辛さを抱かなくなってしまった、という心理を歌っています。ゲームをプレイするだけなら敵を倒すというのは当たり前のことだけど、画面の向こうのキャラクターはそんな葛藤を抱えながら戦ったりしているのかなって思うと少しの切なさがあります。普通なら持たないような視点を感じさせてくれる曲だと思いました。

 

M5. Lunatic Mountains / あくまのゴート [遊び人]

これまた新たなジャンルの歌ですね。ブラスセクションなどが入った陽気な雰囲気に仕上がってます。コンセプトは「遊び人」。俺はもっとやれる、まだ本気出してないだけ...と言っているうちに人生棒に振って終わっていく浮浪人の物語です。反面教師かな?音楽的にはレゲエのように言葉を詰め込む譜割だったり、サビがクリシェになっていたりと面白い部分が多いです。クソみたいな遊び人の一生を笑ってやりましょう。え、笑えないって?

 

M6. こだまのうた / 羽子田チカ [踊り子]

コンセプトは「踊り子」ですが、もう言わずもがなですね。イントロからそれ以外ないと言わんばかりのケルト調の楽曲です。ほんとにジャンルが様々で飽きないですね。ストーリーは「孤高のダンサーの孤独」。孤独でありながら誰かに届くよう踊り続ける。「人はみな聴こえぬ この高鳴りが」という歌詞が最後に「人はみな聴こえる こだまのうたが」という風に変わるのがいいですね。そして歌声の質感が曲調にこれ以上ないほど合ってるなと。流石の実力だと思いました。

 

M7. Don't Care / YACA IN DA HOUSE [神官]

「神官」というコンセプトなので荘厳なものが来るのか...と思いきやR&Bが来ました。YACAさんの音楽そのまんまって感じです。最前線で戦う事がない立場と、誰かを守りたいという気持ちのジレンマがこの歌のコンセプトです。でも不思議とネガティブな印象はあまり受けないですね。歌詞はかなりリズム感を重視していて面白い感じなんですけど不思議と何を言いたいかっていうのはわかるんですよね。このアルバムの中ではかなり変化球な曲なんじゃないかと思います。 

 

M8. Bardo / エルセとさめのぽき [吟遊詩人]

エルセとさめのぽきは以前のVTuber紹介記事の中で言及させてもらったんですが、この曲はそれまでのイメージとは全く異なっていてある意味で衝撃でした。エルぽきがこんな怪しげな曲を作ることは今までなかったので。エルぽきリスナーとして少し偏見的な見方になってしまうんですが、深海の吟遊詩人として今まで歌ってこなかった闇の部分を解放したような印象を受けました。この物語の吟遊詩人と自らの共通項を探っているような曲、というか。兎にも角にも彼女達の新しい可能性を垣間見ることができたので、この曲に関しては素晴らしいの一言です。

 

M9. オメガフォース / ミソシタ [黒魔導士]

ダークな雰囲気を纏ったラップですね。コンセプトは「黒魔導士」ということで、世界の転覆を企むような歌なんですけど、不気味に現代社会に通じるような表現があるんですよね。RPGの世界観の中にある曲とは思えないほどシンパシーを感じる。歌詞だけでなくトラックメイキングもすごくいいです。特に秀逸なのはPADの使い方。全体的に突き刺すような曲調と霧がかかったようなPADの音色のコントラストが絶妙だなって感じます。2番で民族音楽調の弦フレーズを入れてみたり、ユニークなアレンジだなって思います。歌詞を見ながらと見ずに、両方の聴き方をしたら面白い気がしますね。

 

M10. 勇者のくせに / ぼっちぼろまる [勇者]

「勇者」って言われて僕らが思い浮かべるのは、優しくて、勇敢で、強い人だと思うんですよ。でもここで歌われている勇者はその逆。自分を偽善者と呼び、勇気なんて必要ない、それほどの価値もないと歌っている。その発想は僕らの固い頭では絶対に生まれることがないもので、歌いだしを最初に聴いた時に本当に衝撃を受けました。生まれて初めてBUMP OF CHICKENを聴いた時のそれに似たような。勇者なんていうのはそんな大層な存在ではないのかもしれない。いや、逆にそんな大層な人間じゃなくても「勇者」になれるんだ、そんなことを伝えたかったのかもしれない。これを聴いてどう感じるか、いろいろな考えがあると思います。あなたは何を思うでしょうか。

 

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