リーティアの隙あらば音楽語り

サブカル系音楽を中心に自分が気に入ったものを布教するだけのブログです

月刊・今月聴いた良い曲紹介 11月号

えー、

先月わずか1回しかブログを更新しなかった不届き者です!!!!!

あれよあれよと12月になってしまいましたね。このブログも始めてはや1年。ちなみに初投稿...とは名ばかりの自分語りをやったのは12月20日だったみたいです。それから1年。ぼちぼちやっていこう...のつもりが予想外の伸びをしてしまいおかげさまでのべ3万ものアクセスを1年でいただけました。ありがとう電音部さん

と、いうことで月末...いや月初になっちゃいましたが、恒例の新譜紹介をしていきましょう。何卒今回もよろしくです。

 

始まりの合図 - ステラシュガレット

作詞:せかい 作曲・編曲:シバガキ 11/9サブスク開始 アルバム「君と出会った頃」収録

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ステラシュガレットというアイドルグループ、エレクトロニック、シューゲイザーなど多彩な音楽ジャンルをこなす所謂「楽曲派アイドル」の一角です。これ、アイドルの音楽に詳しいフォロワーから絶対守備範囲だから聴いてみてって個人的にリプが来たんですよ。いや、マジですごかった。その中でも衝撃だったのが1曲目の「始まりの合図」。今まさにマイブームのKawaii EDMでありながら、ジャズや和風のテイストを取り入れ、さらに捻りに捻らせたコード進行で唯一無二の曲に仕上がっています。

まず歌いだし後Aメロ前の間奏なんですけど、4拍目をブレイクしてるんですね。音を抜いてる。これはPorter RobinsonやkzさんのBPM遅めのハウスでよく使われている手法なんですけど、これをすることで全体的に曲が締まる感じになってます。そこからメロに入って、とにかく転調と半音階の使い方が上手い。ノリの良さと優美さをここまでハイレベルに両立できてる曲なかなかないと思います。あと1つのフレーズから次のフレーズに移る際に不協和音であるaugコードを使い、解決しないことで切れ目を用意しないというのも工夫の一つですね。そして2番Bメロでそれまでのチップチューンから一転しジャズに移り、さらにジャズと電子音を合わせてみたりと遊び心溢れた、それでいてハイレベルなアレンジがされていたり。一曲でいくつも違う味が楽しめる曲です。曲の終わり方も特徴的で、田中秀和氏が使用することで知られる分数aug、ブラックアダーコードと呼ばれる和音が使われていて、これもまた解決しない、続きを予感させるような終わり方になっています。

またこのアルバムの中では他に5曲目の「pathos」もおすすめです。本格派のシューゲイザー。轟音で掻き鳴らされるギター、強くリバーブのかかったボーカルで、まさしくシューゲイザーの目指すところである、空間に溶け込むようなサウンドを実現させています。元々はSAPPYというバンドの曲だったものをそのままカバーしたものなので、原曲の方もぜひ。

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オート・マタ - May'n

作詞・作曲・編曲:sasakure.UK 11/11発売 EP「15Colors -nu skool-」収録


May'n「オート・マタ」リリックビデオ

May'nのアーティスト活動15周年を記念して制作された3枚のEP「15Colors」の中から一曲。ソウルミュージックにフォーカスした「soul tracks」、ミュージカル「生きる」の音楽監修を務めるJason Howland氏をプロデューサーに迎えバラードを詰めた「unplugged」、インターネット出身のアーティストとコラボした「nu skool」の3つからなります。こちらはそのうちの「nu skool」の中からsasakure.UKさんがプロデュースした楽曲になります。ささくれさんの持ち味である幾何学的なエレクトロニカサウンドを全面的に出した一曲です。ここまで特徴を出して、果たして歌い上げるタイプのMay'nのボーカルと合わせたらどんな感じになるんだろうと気になるところですが、まぁこれの合うこと合うこと。もちろん持ち味であるボーカルの主張力の強さはそのまま損なわれることなく、こういったある意味では無機質なサウンドと合わせてみても新たな反応が生まれていて、まさにMay'nの新境地を切り開くアプローチとしてこれ以上なくバッチリとはまっていると思いました。

「nu skool」では他にMiliプロデュースの「Digital Flower」もおすすめです。こちらもやっぱりコンポーザーの色が前面に出たダークな曲なんですけど、May'n部長のボーカルの力で見事に自分の物にしていて、普段のMiliの楽曲とは異なる仕上がりになってます。知らないよーって方はMiliの曲是非聴いてみてください。本当に素晴らしいので。

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ハートビートシティ / いつか雲が晴れたなら - 内田真礼

M1 作詞・作曲:TAKU INOUE 編曲:kz(livetune) M2 作詞・作曲:kz(livetune) 編曲:TAKU INOUE 11/25発売


内田真礼 11thシングル「ハートビートシティ/いつか雲が晴れたなら」Music Video

まれいたその11thシングル。これまでの路線と異なるクラブサウンド、さらにTAKU INOUEとkzプロデュースで互いに相手の曲を編曲し合うという前代未聞のコラボレーションが実現してしまいました。ちなみにこれが発表されたのは7月頭で電音部が発表されてから1週間も経たない頃でした。本当にアニメ・声優×クラブミュージックの流れ始まってきてると思います。

この2曲の中で特に強く感じたのは、サウンドに埋もれないメロディの強さでした。これはまさしく、トラックメイカーとアニソン作曲家という2つの顔を持つコンポーザー同士だったからこそ実現したものだと思います。編曲が何より重要なクラブ界隈に比べれば、アニソン・ポップスでは当然メロは他パートより飛び抜けて重要な要素なので、そこで磨き上げられてきたオリジナリティが存分に出た2曲だと思います。1曲目「ハートビートシティ」はkzさんの曲では他に見ないディスコファンク仕立てで、煌びやかなブラスの音が印象的です。そして確かにkzさんの音ながらサビへの盛り上げ方など随所でイノタクさんの手癖が出ていて、素晴らしいコラボレーションになっています。2曲目「いつか雲が晴れたなら」こっちの方が「作曲kz、編曲イノタク」の作家性が爆発した曲かもしれないですね。「今日に恋色」や「プラネット・クレイドル」などフライングドッグの仕事でよく見かける高BPMで爽やかなメロディ。それがクラブユースでありつつ生の音色もフル活用してポップスの雰囲気を損なわないイノタクさんの編曲と出会うことでとんでもない名曲が生まれてしまった。。。ちなみにMVは切れ目なく2曲が連続しているんですが、2曲を繋いでいるのはワイパことDJ WILDPARTY氏。完全に秋葉原MOGRAじゃん。いいぞもっとやれ。

それにしても、内田真礼というビッグネームでこのサウンドを打ち出したの、今後の声優音楽シーンにおける影響はかなりあると思います。いや、kz×イノタクのコラボなんてビッグネームじゃないと実現しませんけど... 声優×クラブサウンド、勢いづいてくれの気持ちです。もちろん全方位発展していってほしい所ですけどね。

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amnesia (feat. rionos) - Aiobahn

作詞:rionos 作曲・編曲:Aiobahn 11/26デジタルリリース


Aiobahn - amnesia (ft. rionos) [Official Audio]

Future Houseを中心に高い評価を受ける韓国出身のトラックメイカー・Aiobahnの新曲です。前回も彼が電音部に書き下ろした新曲「ペトリコールを渡って」を紹介しましたが、今回の曲はヨーロッパのトラックメイカーMartin Garrixのレーベル「STMPD RCRDS」からリリースする初の楽曲、そして同レーベル初の日本語曲になっています。

「ペトリコールを渡って」の際、彼がスランプに陥っていた際に制作された曲だということを紹介しましたが、この曲についてのコメントでも「心を失っていた」ということを告白していて、おそらく同時期に制作されていた曲だと思います。そしてやっぱりペトリコールを渡ってと同じように、こちらもそれまでのAiobahnとは一線を画す叙情的なサウンドが特徴的。ドロップを見ても爆発するような強さ、というよりはメロディックな感じが強くて、少し不安が見え隠れする、というのが正しいかもしれません。しかし、それが逆に新たな作風としてしっかり確立していて、さらに可能性を拡張していくような一曲になっている気がしました。ちなみにこの曲はI'veなど2000年代のアニソン・声優ソングからインスピレーションを受けていることが明言されており、その元となった曲を「amnesia mix」としてSoundCloudにupしています。アニソンRemixを多く制作していることなどからも日本のアニソンの影響はかなり大きいようですね。

 

 

と、いった感じでした。今回も気になった曲、いいと思ってくれた曲があったら嬉しいです。

というわけで、ここで1つ告知です。

adventar.org

フォロワーの「なまおじ」さんが主宰されているこちらの企画「楽曲オタク Advent Calender 2020」に参加させていただきます!僕の記事は12月17日に上がる予定です。サブカルチャー×クラブカルチャーについての文化的な話だったり、その中で今年印象的な曲だったり、来年以降のシーンについて考えたり、そんな記事を書こうかなーと思っています。多分電音部についても何かしら触れます。もう死ぬほど考察書き倒したけど。

 

あとそれからもう一つ。

今なんですけど、ちょっとウェブデザインとかやってる友達の方からもっと本格的にブログやってみない?という誘いを受けてまして、年明けからサイト移行して今より本腰入れてやっていこうかなーとか考えています。基本やってくことは今やってることの延長線です。現在は調整中の段階なので、また詳細はいずれ話します。新しくなってもまたぼちぼち読んでやってくれたら嬉しいです。

 

それにしても寒くなってきましたね。体調崩さないように各位気をつけてね... あとCの感染者がまた増えてますけど、まぁやることは変わらんと思うので。手洗いうがいマスクしっかりやっとけば特別なことは要らんと思ってます。数の問題じゃないです。結局。些細なことをしっかりやっていきましょう。

そういうわけで、月をまたいでしまいましたが今月の良い曲紹介でした。今回も読んでくださった皆さんありがとうございました。また次もよろしくお願いします~~!