リーティアの隙あらば音楽語り

サブカル系音楽を中心に自分が気に入ったものを布教するだけのブログです

【重要】管理人からのお知らせ

今年も1年ありがとうございました。

特に記事はありません。タイトル詐欺でもありません。ガチのお知らせです。

 

えー、この度わたくし、

自分のサイトを持つことになりました!!!!!!!!

 

今独学でウェブデザインをやってるうちの知り合い、というか地元の友達がいろいろサポートしてくれまして、今年1年何だかんだで実績を挙げれたのもあって、来年から自分のホームページを作って本格的にやっていく運びになりました。

今までやってきたことは変えません!!!そこに+αっていう感じで。今まで不定期だったのをちゃんと定期的に更新したりするようにしたり、今よりちゃんと充実した内容にしていけたらいいかなーって思ってます。いろいろ頑張るからよろしくお願いします!!!!!

 

あと、来年こそはDJ、始めたいですね... 来年なかなか波乱な1年になりそうですが、どれも充実できるようにしていきたいですね。というわけでちょっとしたお知らせでした。現在準備中なので年明けたら新しいサイトの方でまたご挨拶します。というわけでした。みなさまよいお年を~~~

クラブミュージックに片足を突っ込み、抜けなくなった2020年

いつも読んでくださっている方も今回初めて読んでくださっている方も、こんにちは!

 

今回の記事は、僕のフォロワーであり音楽オタクとして尊敬させていただいているなまおじさんの企画、「楽曲オタク Advent Calender 2020」に寄稿する特別記事です。そのため今まで書いてきた内容と多少...どころかかなりの被りが発生しているとは思いますが、ご了承ください。

adventar.org

 

 

★はじめに

僕にとっての2020年と言えば、やっぱりクラブミュージックにハマった1年でした。そして単にあるジャンルの音楽にハマった、という以上にそれまで持っていた価値観とか固定観念とかを色々ここにはまってぶっ壊されたな、っていう気がしていて、ある意味僕の音楽趣味にとって転機ともいえる1年でしたね。そんな1年のまとめと、クラブミュージックって面白い!クラブって楽しい場所じゃん!っていうのをもっと多くに人に共有したいので、そんな色々をたっぷりのボリュームで書いていきたいと思います。またとんでもない文章量になると思いますが!!それでも飽きないって方はどうぞお付き合いください!!!!

 

★クラブミュージックにハマったきっかけ

本当に元を辿っていけば、元々kzさんの音楽が大好きで。ボカロにハマったきっかけはTell Your Worldだったし、アニソンにハマったきっかけもやっぱりkzさんが作ったironyだったし。その頃からkzさんのDJプレイなんかも配信で見ていたりはしたんですけど、それでも何かEDM、クラブミュージックっていう界隈そのものは自分とは縁のないような世界な気がしていたんですよね。そんなところでそれをガラッと変えたのがたまたま聴いたKizuna AIのFuture Base (Prod. Yunomi)だったんですよ。あれがめちゃくちゃかっこよくて。そこから色々なトラックメイカーや音源を漁っていくうちにあれよあれよとこっちの世界の住人になってました。その中で、一見パリピの文化のようにも見えるクラブって実はこんなにもサブカル寄りだったんだっていうのを肌で感じましたね。


Kizuna AI - future base (Prod.Yunomi)

 

★クラブってめちゃくちゃ楽しい!

そんな中でこっちの音楽を好きになって本当にまだ間もない2月下旬だったんですけど渋谷のclubasiaでFUTURE WHAT'Sっていうイベントがあったんですね。

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まぁこんな感じで、インターネットのクラブミュージックを追ってれば全員お馴染みの面子大集合で、面白そうだなと思って前日に参加を決めて行ったんですけど、果たして今まで生歌のライブに行ったことしかない人間がクラブという場に行って本当に楽しめるのか?みたいな疑念は正直あったんですが。

......めちゃくちゃ楽しいやん!!!!!!!

現場は生歌・生演奏しか勝たんやろくらいに思ってた価値観を完全にぶっ壊された瞬間でした。DJ楽しいな!!!!やっぱりどういう形であろうと爆音で浴びる音楽は楽しいんだなっていうのを感じた初クラブでした。それからはCなんとかのせいで実際の現場からは足が遠のいてしまったのですが、またクラブが再開し出した9月頃からは結構な回数足を運んだりして、気付いたら今年行った現場クラブばっかりになってました。

クラブのいいところって、圧倒的にカジュアルな場所だっていうのがあって。中での楽しみ方はそれぞれの自由なんですよ。ずっとフロアに張り付いて音楽を浴びてても、ずっとバーカンで酒飲んでても、好きな曲が来たらフロアに駆け込むとかでも何でもいいんですよ。迷惑さえかけなければ。そこがアーティストのライブの楽しみ方とは全然違って面白いなって感じました。

 

サブカルチャーとクラブミュージックが急接近した2020年

☆大盛況を見せた配信DJイベント

ここからは自分の話じゃなくて、ちょっとだけ客観的な話をしますね。

新手の感染症の蔓延によって全国各地のライブハウスやクラブが閉鎖に追い込まれましたが、その中でいち早く行動を起こしたひとつが秋葉原MOGRAでした。全国各地のクラブを繋ぎ配信するチャリティーイベント「Music Unity 2020」を計4回に及び決行し、その全てで1万人以上、もしくはそれに迫る視聴者を集めたことは記憶に新しいと思います。そもそもMOGRAはかねてより現地と並行してTwitch配信を行っていて、その経験がこうした有事に活きた形となりました。

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ここで浮き彫りになったのは、クラブというコンテンツには予想以上の集客力がある、ということだったんじゃないかと思います。完全無料だったとはいえ、1万人という数字はとても大きいし、このイベントを通してクラブに興味を持ってくださった方も、これを読んでくれている方の中にも多くいらっしゃるかと思います。さらにこの他にもオタクとして知られるトラックメイカー・Porter Robinsonが主催した「Secret Sky Fes」も日本からもkz、Kizuna AI、長谷川白紙の3名が出演し盛り上がりを見せましたし、バンダイナムコによって企画された「ASOBINOTES ONLINE FES」ではMusic Unityを凌ぐ約16,000人の視聴者を集めるなど、配信DJイベントが各所で盛り上がった実績を踏まえれば、それまで遠い場所の文化のように感じていた多くの人たちにとってクラブをより身近な文化に感じてもらえるチャンスだし、情勢が落ち着いたのち、さらに規模を拡大していける可能性を大いに秘めているんじゃないかと感じます。

☆「電音部」の誕生

2020年のサブカル×クラブミュージックシーンを象徴する出来事と言えば、何と言っても「電音部」の登場に尽きると思います。日本のエンタメのトップランナーであるバンダイナムコが新たな鉱脈としてクラブミュージックにスポットを当てたことで、このフィールドが可能性を持っていることが改めて実証されたし、確実に次の時代の潮流を形成する要素の一つになるはずです。電音部については僕がこのブログで計4記事、3万字以上のボリュームで語り倒してしまったのでこれ以上言うことは何もないですが、クラブシーンに浸かってしまったオタクとしても、新しいエンタメ技術の実験フィールドとしても、大いに期待しているので今後が楽しみですね。

電音部についてのバックナンバー↓

letia-musiclover.hatenablog.com

☆アニソンに見られるトラックメイカーの進出&クラブサウンドの顕著化

そして2020年、アニソンシーンも大体10年周期の変革期にまさしく突入してきたところで、その中でここ1年前後でトラックメイカーがアニソンを書きおろしたり、そうでなくても顕著にクラブミュージックに近いアプローチをするアニソンが増えたりといったことが起きています。前者であれば今年夏にYUC'eさん、秋にはYunomiさんがアニソンを書き下ろし、来年冬のアニメ「幼女社長」ではNeko HackerがOPを担当するなど、ここにきて一気にトラックメイカーがアニソンに進出し始めました。ここからは主に後者の話をしていきます。昨年のリリースになりますが、やっぱり最初にひと際目を引く曲と言えば、田中秀和氏作曲の「Share the light」でしょう。


Run Girls, Run! / Share the light

クラブミュージックのサブジャンルであるFuture Core、Drum'n' Bassを取り入れるだけでなくそれを本場のクオリティの限りなく近くにまで練り上げたうえ、アニソンの武器である聴かせるストリングス、さらに生のバンドサウンドも惜しみなく入れた全方面において隙のない一曲。ただただ田中秀和が無敵すぎる。

さらに秀和氏は3月に発売され全面プロデュースを手掛けた鹿乃さんのアルバム「yuanfen」でインターネット出身のトラックメイカーであるAireさん、Norさんをアレンジャーに起用するなど、積極的にクラブサウンドを自分の音楽性に取り入れています。このアルバムについても感想ブログを書いてるので是非読んでね。

letia-musiclover.hatenablog.com

 さらに今年に入ってからも目を引く楽曲が多数ありました。1つが「はてな☆イリュジョン」OPでLiyuuさんが歌う「Magic Words」

www.youtube.com

作曲はアニソン界におけるクラブサウンドの第一人者であるイノタクことTAKU INOUE氏。アニメのオープニングテーマとして、EDM界隈で盛り上がりを見せているジャンルであるSpeed Garageを大胆に採用した非常に画期的なアプローチで、そしてイノタクさんの強みでもあるディスコファンク的なサウンドはこのBPM帯でも健在です。というか今年のイノタクさんの仕事、エグいのしかなかったね、、、アングラ然りラピライ然り...

あとは何と言っても、つい昨日発売になったアニメ虹ヶ咲学園キャラクターソング「Butterfly」


【限定公開】Butterfly / 近江彼方(CV.鬼頭明里)【TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』第7話ダンスシーン映像】

ラブライブ!シリーズとしては前例のないFuture Bass。ですがコテコテのクラブサウンド、というよりかはしっかりとストリングスなどでこれまでのアニソン、ラブライブの流れとも丁寧にバランスを取っていて、新規性もありつつ聴きやすいサウンドに仕上がっているのが特徴的だと思います。虹ヶ咲は他にも電子音系に近いボカロPであるポリスピカデリー氏や国産EDMのトップランナーの一人であるTeddyLoid氏も起用していて、かなり音楽主体で攻めている印象があります。

 

さらにこの流れはアニタイだけでなく、声優音楽にも浸透してきており、かつそこに元々根付いていたものと合流して独自の発展を遂げようとしています。今回は今年出た曲の中から2つほど紹介していきます。まずは2月に発売された東山奈央さんのシングルより、「Lost Thorn In My Side」

Lost Thorn In My Side

Lost Thorn In My Side

  • provided courtesy of iTunes

この曲、最初聴いた時は途轍もない衝撃でしたね。2step、Future Houseといった流行のサウンドを取り入れたダンストラックと、ピアノの即興フレーズとウッドベースが幅を利かせる本格派ジャズサウンドという、2つの対照的な要素を1つの楽曲に混ぜ込んだ非常に挑戦的なナンバーです。表現の使い分けに長けた声優さんならではの手法がここに詰まっている感じがします。続いて紹介するのは水瀬いのりさんの「クリスタライズ」。

クリスタライズ

クリスタライズ

  • provided courtesy of iTunes

 これもめちゃくちゃ衝撃だったね。。。作曲は今大注目の若手作曲家、栁舘周平さん。こんなん作れるのマジ??? かなりあからさまなインターネット音楽みたいな作りしてるのにメロディとストリングスアレンジでしっかり、今までの水瀬いのりの流れをぶった切るようにはしてないんですよね。それでDメロでBPM上げてFuture Bassのドロップばりのフレーズ仕込んできたり、やってることが本当に変態のそれすぎる。あといのりんみたいな強火のボーカルでもこのサウンドで合わせに行ける技術の高さ、これが本当にすごかったなって思います。

 

★ぜひオススメなクラブサウンド in 2020

さて、ここまでは自分とクラブミュージックを取り巻く今年1年の出来事について紹介してきましたが、ここからは、もしこれからこういったジャンルの音楽を聴いてみたい!と思ってくれた皆さん向けに、今年出た中からオススメのナンバーをいくつか紹介していこうかなと思います。これを読んでくださっているあなたに刺さることを願って...

 

透明クリア - 福原遥

作詞:いしわたり淳治 作曲・編曲:Snail's House 3/11発売


福原 遥 2nd Single 透明クリア

実は今クラブミュージック界隈で注目されている元まいんちゃんこと福原遥さんのアーティスト活動。2ndシングルの表題曲となったこの曲は「Kawaii Future Bass」の先駆者であるSnail's Houseがプロデュースを担当。作詞は元SUPARCARのギタリストで現在は幅広くプロデューサーとして活躍するいしわたり淳治さん。この曲は「リキッドファンク」と呼ばれるドラムンベースをポップスに落とし込むジャンルの系譜のもので、そこにさらにFuture Bassのテイストも組み合わせることで、鋭さと浮遊感を両立させた独創的なサウンドを構築した一曲です。

福原遥さんはこの他Yunomiさんが提供した「箱庭のサマー」、Norさんが提供した「ハンドメイドセカイ」と、Kawaii EDM系統のトラックメイカーとのコラボが続いており、今後の活動にもかなり期待がかかります。

 

NEXUS (feat. rinahamu & KOTONOHOUSE) - 4s4ki

作詞:4s4ki 作曲:4s4ki, KOTONOHOUSE 編曲:KOTONOHOUSE 4/22発売 アルバム「おまえのドリームランド」収録曲


4s4ki - NEXUS feat.rinahamu(Official Music Video)

歌のみに留まらず自らトラックメイキングもこなす期待の若手アーティスト4s4ki(あさき)さん。こちらは様々なアーティストとコラボしたアルバム「おまえのドリームランド」より、アイドルユニットCY8ERのリーダー苺りなはむ、トラックメイカーKOTONOHOUSEの両名とコラボした曲です。この楽曲のすごいところ、Future Bassを軸に2stepを入れたり、この辺りはトレンディなトラックメイキングなんですけど、ただクラブサウンド一辺倒というわけではなく、そこにドリームポップを想起させるギターのフレーズが加わって、その絡み合いのバランスが絶妙なんですよ。その中で4s4kiさんのハスキーな歌声とrinahamuさんの幼さの残る甘い歌声、2つの全く性質の異なるボーカルがトラックの一要素として最大限機能してます。

これともう一つ、逆にrinahamuさんの楽曲に4s4kiさんが参加した「ヒーロー」もおすすめです。NEXUSとはまた異なるスローテンポの4つ打ち、ストリングスなども入れた優雅なアレンジが特徴的な一曲でまた違った魅力を感じてもらえうんじゃないかと思います。

ヒーロー (feat. 4s4ki & KOTONOHOUSE)

ヒーロー (feat. 4s4ki & KOTONOHOUSE)

  • rinahamu
  • エレクトロニック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

Throwback - Marpril

作詞:uyuni 作曲・編曲:LADY'S ONLY 11/1MV公開 12/7発売


LADY'S ONLY feat. Marpril - Throwback

本格派サウンドとパフォーマンス、映像技術で魅せる今アツいバーチャルユニット・Marpril。今までの楽曲もかなりクラブユースを突き詰めていてかっこよかったですが、今回の楽曲は衣装を一新し、よりクールな印象となりました。2stepを基調にLADY'S ONLYの持ち味である強力なベースラインが特徴で、さらにサビメロをキャッチーに仕立てているからこそよりトラックの鋭さが際立ってますね。あとLADY'S ONLYというとサウンドロゴが特徴的で、楽曲提供でどうそれを入れてくるのかというところで、ラップパート後ウィスパーボイスで入れてそのままドロップに持っていくのズル過ぎた。最高だろ。

LADY'S ONLYは今年のMEGAREXのコンピレーション「SPD GAR 003」にもオリジナル曲「Square Connection」を提供していて、こちらも同じようにキャッチーなボーカルと治安の悪いベースラインのギャップが病みつきになる一曲です。

Square Connection (feat. Such)

Square Connection (feat. Such)

  • LADY'S ONLY
  • ハウス
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

voke - やなぎなぎ

作詞:やなぎなぎ 作曲・編曲:kz(livetune) 12/9発売 アルバム「エメラロタイプ」収録曲

先週発売されたやなぎなぎさんのオリジナルアルバム「エメラロタイプ」よりkzさんプロデュースの楽曲。これまでから音楽性を一新し、やなぎなぎの原点であるエレクトロニカへの回帰も感じられた本作は、"電子音楽トリックスター"Serph(サーフ)やキーボーディスト・渡辺シュンスケによるプロジェクトSchroeder-Headz(シュローダーヘッズ)などといった豪華なコンポーザーが揃っています。その中でこちらの曲はこれまでのなぎさんでは見られなかった、突き抜けるように爽やかなFuture Bassになっています。Future Bassとはいえ、ピアノやシンセの使い方はとてもポップで、ポップスとクラブミュージックの両方を渡り歩くkzさんならではの技術が詰まってると思います。「voke」という単語は「呼びかける」という意味で、「気になるあの子に話しかけたい」という気持ちがなぎさん自身の表現によって歌われる、共感性の高い歌詞もとても魅力的でした。このアルバム、本当に完成度高いのでみんな聴いてほしいですね。

 

CY8ER」 - CY8ER

ベストアルバム 12/9先行配信開始 12/16発売

さっきも少し名前を出させてもらったCY8ERですが、実は来年1月10日の武道館公演をもっての解散が決まっていまして。それを前にこれまでの活動を総括するベストアルバムが今週(先行配信は先週)発売されました。収録曲にはメインの作編曲を担当しているYunomiさんの他、KOTONOHOUSEさん(M19~M23(22,23はYunomiさんと共作))、yuigotさん(M8)、PARKGOLFさん(M9)といったトラックメイカーが揃っています。どれも聴いてほしい曲ばかりですが、今回は新録曲「Everything's Gonna Be Alright」と「時をとめて」について紹介していきます。

とりあえず、Yunomiさんまたエグいことやってるよ。。。Yunomiさんが電音部に提供した「Hyper Bass」で見せた、キックの音を伸ばしてサブベースに転用するっていう技をこの2曲でもまた使ってるんですね。「Everything's Gonna Be Alright」の方ではさらに最小限の音数のみで構成されていることによってよりベースが存在感を放ってます。それでいてメロディはキャッチーで前面にえげつなさは感じない仕上がりになっててCY8ERの集大成のひとつとして最高の曲でした。「時をとめて」はそれとは対照的。冒頭から不気味なバグパイプとサブベースが鳴り出し、既に只者じゃないオーラを纏っているんですけど、終始この音が鳴り続け、さらにコード進行もなくてほぼ全部単一のコード開始3分まで曲が進み続けるとかいう、アイドルソングという括りで見れば全てが異様な曲でした。他に見られた技だと、「恋のうた」でやってた一度使ったメロディをテンポを倍にして繰り返すといったようなものも見られて、まさにYunomiさんの作曲技術を総動員したとんでもない曲、という印象でしたね。

Yunomiさん、来年におそらくnicamoqさんとコラボした「ゆのもきゅ」の続編が出るんですけど、この調子だともはやどんなのが来るのか怖くなってきますね。流石にヤバそう...。

 

★おわりに

以上、クラブミュージックにハマったよって話とそのオススメでした。

現実問題としてはなかなか国内だとクラブミュージックって結局アングラだよなっていうのが今の課題で。何だかんだオタク目線だとどうしても陽のカルチャーだなって思われてしまっているところがあってそれで近寄りがたいのかなっていう感じがあるんですよね。かつては自分もそうだったので。あとはアニソンとかとは決定的に曲の構造が違う。基本的にベースミュージックで下地が大事なので、そこがウワモノ重視のアニソンとの大きな違いだなっていうのを感じてました。ただ、

このジャンル、普通に楽しいし奥深いよ!!!!!

っていうのは間違いなく事実です。EDMなんてどれも同じとか言ってるニワカいますけど全然そんなことない。むしろ打ち込みだからこそその人の個性がより色濃く出る、そういう世界です。音を突き詰めるっていう点ではまた生楽器とは全然違うベクトルで、トラックメイカーってすごいプロ意識持ってこれやってるのは聴いてもらえば本当によくわかってもらえると思います。あと陽っていう先入観については、もうここでずっと話してきたように、かなりオタク文化のすぐ近くにあります。VTuberなんかはもう本当に隣り合わせだし。それとこれはついこの間得た知見だったんですけど、今K-POPがかなり本格的にクラブユースになりつつあるんですよね。


IZ*ONE (아이즈원) - 비올레타 (Violeta) MV

たまたま先日お邪魔した「暴音部」っていうクラブイベントでIZ*ONEをかけてたDJさんがいてそこから漁り始めたんですけどこれが強くて。特にFuture House方面がK-POPどんどん強くなってて、来年はこっちの音楽もどんどん掘っていきたいですね。思えばMU2020とかのクラブイベントからほぼ毎回K-POPはかかってたし、今活躍してるトラックメイカーでもかなりの数の韓国出身者がいるし、今後クラブを楽しむうえではかなりマストなフィールドなんじゃないかな~って思います。というか既にマストだった。また掘ります。

 

というわけで、またつらつら書いてたら9000字オーバーの怪文書になっちゃった!!!!多分アドベントカレンダーに上がてるやつの中ではかなり異質な記事になっちゃったんじゃないかと思います... そもそも半分以上曲紹介してないし。。。それでもそれなりに読み応えのあるものは書けたんじゃないかな~と思うので、これを読んでくださったあなたはぜひ!!来年は!!クラブミュージックいかがでしょうか!!!!特にコンポーザーオタク気質がある人はクラブってそもそもコンポーザーが主役のフィールドなので絶対こっちのカルチャー楽しいですよ。ぜひ一緒に現地で好きな音楽について語らいながら床になりましょう。僕からの究極の願いはこれです。と、いうわけで以上アドベントカレンダー特設記事でした。クソ長文に付き合っていただき本当にありがとうございました。。。

月刊・今月聴いた良い曲紹介 11月号

えー、

先月わずか1回しかブログを更新しなかった不届き者です!!!!!

あれよあれよと12月になってしまいましたね。このブログも始めてはや1年。ちなみに初投稿...とは名ばかりの自分語りをやったのは12月20日だったみたいです。それから1年。ぼちぼちやっていこう...のつもりが予想外の伸びをしてしまいおかげさまでのべ3万ものアクセスを1年でいただけました。ありがとう電音部さん

と、いうことで月末...いや月初になっちゃいましたが、恒例の新譜紹介をしていきましょう。何卒今回もよろしくです。

 

始まりの合図 - ステラシュガレット

作詞:せかい 作曲・編曲:シバガキ 11/9サブスク開始 アルバム「君と出会った頃」収録

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ステラシュガレットというアイドルグループ、エレクトロニック、シューゲイザーなど多彩な音楽ジャンルをこなす所謂「楽曲派アイドル」の一角です。これ、アイドルの音楽に詳しいフォロワーから絶対守備範囲だから聴いてみてって個人的にリプが来たんですよ。いや、マジですごかった。その中でも衝撃だったのが1曲目の「始まりの合図」。今まさにマイブームのKawaii EDMでありながら、ジャズや和風のテイストを取り入れ、さらに捻りに捻らせたコード進行で唯一無二の曲に仕上がっています。

まず歌いだし後Aメロ前の間奏なんですけど、4拍目をブレイクしてるんですね。音を抜いてる。これはPorter RobinsonやkzさんのBPM遅めのハウスでよく使われている手法なんですけど、これをすることで全体的に曲が締まる感じになってます。そこからメロに入って、とにかく転調と半音階の使い方が上手い。ノリの良さと優美さをここまでハイレベルに両立できてる曲なかなかないと思います。あと1つのフレーズから次のフレーズに移る際に不協和音であるaugコードを使い、解決しないことで切れ目を用意しないというのも工夫の一つですね。そして2番Bメロでそれまでのチップチューンから一転しジャズに移り、さらにジャズと電子音を合わせてみたりと遊び心溢れた、それでいてハイレベルなアレンジがされていたり。一曲でいくつも違う味が楽しめる曲です。曲の終わり方も特徴的で、田中秀和氏が使用することで知られる分数aug、ブラックアダーコードと呼ばれる和音が使われていて、これもまた解決しない、続きを予感させるような終わり方になっています。

またこのアルバムの中では他に5曲目の「pathos」もおすすめです。本格派のシューゲイザー。轟音で掻き鳴らされるギター、強くリバーブのかかったボーカルで、まさしくシューゲイザーの目指すところである、空間に溶け込むようなサウンドを実現させています。元々はSAPPYというバンドの曲だったものをそのままカバーしたものなので、原曲の方もぜひ。

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オート・マタ - May'n

作詞・作曲・編曲:sasakure.UK 11/11発売 EP「15Colors -nu skool-」収録


May'n「オート・マタ」リリックビデオ

May'nのアーティスト活動15周年を記念して制作された3枚のEP「15Colors」の中から一曲。ソウルミュージックにフォーカスした「soul tracks」、ミュージカル「生きる」の音楽監修を務めるJason Howland氏をプロデューサーに迎えバラードを詰めた「unplugged」、インターネット出身のアーティストとコラボした「nu skool」の3つからなります。こちらはそのうちの「nu skool」の中からsasakure.UKさんがプロデュースした楽曲になります。ささくれさんの持ち味である幾何学的なエレクトロニカサウンドを全面的に出した一曲です。ここまで特徴を出して、果たして歌い上げるタイプのMay'nのボーカルと合わせたらどんな感じになるんだろうと気になるところですが、まぁこれの合うこと合うこと。もちろん持ち味であるボーカルの主張力の強さはそのまま損なわれることなく、こういったある意味では無機質なサウンドと合わせてみても新たな反応が生まれていて、まさにMay'nの新境地を切り開くアプローチとしてこれ以上なくバッチリとはまっていると思いました。

「nu skool」では他にMiliプロデュースの「Digital Flower」もおすすめです。こちらもやっぱりコンポーザーの色が前面に出たダークな曲なんですけど、May'n部長のボーカルの力で見事に自分の物にしていて、普段のMiliの楽曲とは異なる仕上がりになってます。知らないよーって方はMiliの曲是非聴いてみてください。本当に素晴らしいので。

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ハートビートシティ / いつか雲が晴れたなら - 内田真礼

M1 作詞・作曲:TAKU INOUE 編曲:kz(livetune) M2 作詞・作曲:kz(livetune) 編曲:TAKU INOUE 11/25発売


内田真礼 11thシングル「ハートビートシティ/いつか雲が晴れたなら」Music Video

まれいたその11thシングル。これまでの路線と異なるクラブサウンド、さらにTAKU INOUEとkzプロデュースで互いに相手の曲を編曲し合うという前代未聞のコラボレーションが実現してしまいました。ちなみにこれが発表されたのは7月頭で電音部が発表されてから1週間も経たない頃でした。本当にアニメ・声優×クラブミュージックの流れ始まってきてると思います。

この2曲の中で特に強く感じたのは、サウンドに埋もれないメロディの強さでした。これはまさしく、トラックメイカーとアニソン作曲家という2つの顔を持つコンポーザー同士だったからこそ実現したものだと思います。編曲が何より重要なクラブ界隈に比べれば、アニソン・ポップスでは当然メロは他パートより飛び抜けて重要な要素なので、そこで磨き上げられてきたオリジナリティが存分に出た2曲だと思います。1曲目「ハートビートシティ」はkzさんの曲では他に見ないディスコファンク仕立てで、煌びやかなブラスの音が印象的です。そして確かにkzさんの音ながらサビへの盛り上げ方など随所でイノタクさんの手癖が出ていて、素晴らしいコラボレーションになっています。2曲目「いつか雲が晴れたなら」こっちの方が「作曲kz、編曲イノタク」の作家性が爆発した曲かもしれないですね。「今日に恋色」や「プラネット・クレイドル」などフライングドッグの仕事でよく見かける高BPMで爽やかなメロディ。それがクラブユースでありつつ生の音色もフル活用してポップスの雰囲気を損なわないイノタクさんの編曲と出会うことでとんでもない名曲が生まれてしまった。。。ちなみにMVは切れ目なく2曲が連続しているんですが、2曲を繋いでいるのはワイパことDJ WILDPARTY氏。完全に秋葉原MOGRAじゃん。いいぞもっとやれ。

それにしても、内田真礼というビッグネームでこのサウンドを打ち出したの、今後の声優音楽シーンにおける影響はかなりあると思います。いや、kz×イノタクのコラボなんてビッグネームじゃないと実現しませんけど... 声優×クラブサウンド、勢いづいてくれの気持ちです。もちろん全方位発展していってほしい所ですけどね。

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amnesia (feat. rionos) - Aiobahn

作詞:rionos 作曲・編曲:Aiobahn 11/26デジタルリリース


Aiobahn - amnesia (ft. rionos) [Official Audio]

Future Houseを中心に高い評価を受ける韓国出身のトラックメイカー・Aiobahnの新曲です。前回も彼が電音部に書き下ろした新曲「ペトリコールを渡って」を紹介しましたが、今回の曲はヨーロッパのトラックメイカーMartin Garrixのレーベル「STMPD RCRDS」からリリースする初の楽曲、そして同レーベル初の日本語曲になっています。

「ペトリコールを渡って」の際、彼がスランプに陥っていた際に制作された曲だということを紹介しましたが、この曲についてのコメントでも「心を失っていた」ということを告白していて、おそらく同時期に制作されていた曲だと思います。そしてやっぱりペトリコールを渡ってと同じように、こちらもそれまでのAiobahnとは一線を画す叙情的なサウンドが特徴的。ドロップを見ても爆発するような強さ、というよりはメロディックな感じが強くて、少し不安が見え隠れする、というのが正しいかもしれません。しかし、それが逆に新たな作風としてしっかり確立していて、さらに可能性を拡張していくような一曲になっている気がしました。ちなみにこの曲はI'veなど2000年代のアニソン・声優ソングからインスピレーションを受けていることが明言されており、その元となった曲を「amnesia mix」としてSoundCloudにupしています。アニソンRemixを多く制作していることなどからも日本のアニソンの影響はかなり大きいようですね。

 

 

と、いった感じでした。今回も気になった曲、いいと思ってくれた曲があったら嬉しいです。

というわけで、ここで1つ告知です。

adventar.org

フォロワーの「なまおじ」さんが主宰されているこちらの企画「楽曲オタク Advent Calender 2020」に参加させていただきます!僕の記事は12月17日に上がる予定です。サブカルチャー×クラブカルチャーについての文化的な話だったり、その中で今年印象的な曲だったり、来年以降のシーンについて考えたり、そんな記事を書こうかなーと思っています。多分電音部についても何かしら触れます。もう死ぬほど考察書き倒したけど。

 

あとそれからもう一つ。

今なんですけど、ちょっとウェブデザインとかやってる友達の方からもっと本格的にブログやってみない?という誘いを受けてまして、年明けからサイト移行して今より本腰入れてやっていこうかなーとか考えています。基本やってくことは今やってることの延長線です。現在は調整中の段階なので、また詳細はいずれ話します。新しくなってもまたぼちぼち読んでやってくれたら嬉しいです。

 

それにしても寒くなってきましたね。体調崩さないように各位気をつけてね... あとCの感染者がまた増えてますけど、まぁやることは変わらんと思うので。手洗いうがいマスクしっかりやっとけば特別なことは要らんと思ってます。数の問題じゃないです。結局。些細なことをしっかりやっていきましょう。

そういうわけで、月をまたいでしまいましたが今月の良い曲紹介でした。今回も読んでくださった皆さんありがとうございました。また次もよろしくお願いします~~!

 

電音部シブヤエリア ~渋谷クラブ文化×VTuber音楽の1つの"解答"~

お久しぶりです!!寒くなってきましたね。

 

ついに!!!

電音部シブヤエリア来ましたね!!!!!!!

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1ヶ月待ったからな... 僕がVTuberの(主に音楽方面ですが)オタクをやっていることもあってシブヤエリアは最推しになるだろうと思ってたんですが、焦らされに焦らされたら11月になってましたよ。ほんとに...

で、その出来栄えはどうだったか?という話ですが、まあ言ってしまえば、

本当に、ただただ最強だった――――

いやまぁ、当然の結果なんですけど。残ってるコンポーザーがラスボス勢揃いだったうえに持つ力を余すことなく発揮しちゃったらそりゃ最強が生まれますよね、っていう話でした。

そして、何と言ってもこのエリアはVTuberがキャストを務めるという点でも、大きく注目されたエリアでした。VTuberが最強という図式、なかなかに疑問を感じた方も少なくはないんじゃないかと思います。今回はその、どうしてVTuberを起用するエリアが最強扱いなのか?というのも色々な方面の皆さん、VTuberのオタク各位にも知ってほしいな~と思うんですね。単なるタレント起用...っていうわけではないんです。実はVTuberとクラブカルチャーは密接な関係を持っていて、それを見越したうえでのVTuber起用、つまりタレント起用などとは全くの真逆で、むしろ本格的にクラブカルチャーを展開していくという意思の表れくらいのものだと思うんです。楽曲解説に入る前に、VTuber起用の裏にある意図について考察してみたいと思います。どうぞよろしくです。

 

 

★一体どのようにVTuberが「最強」なのか?

VTuberの音楽的バックグラウンド

電音部のキャストはそれぞれアイドル、声優、VTuberという3つのフィールドからそれぞれ起用されてるんですけど、なぜこのような形態になったかというと、単なるタレント起用としてだけではなく、電音部がそれぞれの持つ音楽的なバックグラウンドを重要視しているからではないかと思うんです。この3フィールド、それぞれ方向性は違えど新しい音楽の鉱脈として注目されているんです。アイドルであればその昔ならPerfumeがクラブミュージックの道を切り開いたほか、今だったらオルタナティブ、マスロックといった前衛的なサウンドを展開するグループがどんどん表に出てきている印象があります。Maison book girl(ブクガ)だったり、惜しくも解散してしまいましたがsora tob sakanaだったり。声優だとシティポップのリバイバルが急速に来てる感じがします。代表的なものとして早見沙織さんだったり、最近では降幡愛さんが80年代歌謡曲で固めたEPをリリースしたことなんかも話題になりました。で、VTuberがどういう方面に音楽が発展してきたかというと、その大きな流れの一つとしてあるのが

クラブミュージック なんですね。実際に電音部というコンテンツの中にもコンポーザー側にもVTuberが2人いるほか、その他のコンポーザーでも実に16人中13人がVTuberへの楽曲提供経験を持っているんですね。VTuberという界隈は今まさに、優秀なトラックメイカーがインターネット出身者からメジャーのアーティストまで様々な方面から集結してきていて、もはやクラブカルチャーを見るうえで絶対に無視できない存在になっているんです。そういった流れを踏まえれば電音部というクラブミュージックを扱うコンテンツの中にVTuberが参加している、というのは何も不思議ではない、というよりはっきり言って当たり前で、最強の一角を担っているのも頷けるはずです。VTuberは持っている音楽的バックグラウンドの性質から、特化したクラブサウンドを歌わせるという点では間違いなく最も適した人材だと言えるんじゃないかと思います。

 

☆なぜ、VTuberでクラブサウンドが発展したのか?

この点に関しては、憶測の域を出ないところですが。ひとつはVTuberという、ある種サイバーパンクなイメージを持たれる存在に、クラブサウンドの世界観が合致していたこと。VTuberのパイオニアの1人であるKizuna AIは初オリジナル曲「Hello, Morning (Prod. Nor)」から以降もYunomi、TeddyLoid、☆taku takahashiといったEDM界の実力派を迎え音楽を展開したのはこの要素が強いんじゃないかと思います。次に、VTuberという姿の性質上、生の現場の機会が限られてくるので、クラブミュージックという形態でDJに使ってもらうことで知名度を上げる狙いもあったのではないかと。この点に関しては現在かなり軌道に乗りつつあると思います。VTuberのクラブ、通称Vクラはアニクラ、ボカクラと並ぶ勢力になりつつあり、相互利益としても機能を果たしています。こんな感じで、クラブサウンドVTuberというフィールドの実情を踏まえるとかなり流行る要因はあったんじゃないかと思っています。

もちろん、VTuberの音楽がそうしたものばかりではなく、ごく一部のムーブメントにすぎないということは言っておきます。マスロック、ジャズ、エレクトロニカなど、様々な分野に拡張を続けているのが昨今のVTuber音楽です。あくまでアイドルや声優などの他フィールドとの比較の上での話と思ってもらえると幸いです。

☆渋谷ネットクラブ文化とVTuber

電音部は主にシブヤエリア・ハラジュクエリアを中心にインターネットから活躍の場を広げたコンポーザーを多く起用しているんですが、そうしたトラックメイカー達の活動の拠点となっているのが渋谷にある”clubasia”というクラブです。電音部のトラックメイカーも多く参加する同クラブの代表的なイベント「暴力的にカワイイ」などを筆頭に積極的に新しい文化を受け入れているクラブで、VTuberもその一つです。一例としてバーチャルパフォーマー「星宮とと」などがありますね。今やすっかりインターネットクラブのアンセムと化した「ネオンライト」の他、バーチャルという形でクラブでのライブを行うなど、もう既にここではVTuberという存在そのものがカルチャーの一部分として定着しつつある節があります。また、そうしたコンポーザーがVTuberに提供した楽曲の中で、実際にクラブシーンで高く評価され、現場を揺らしている楽曲も多く存在しています。そうした電音部コンポーザーが制作したVTuber楽曲の一部を紹介してみたいと思います。

 

ネオンライト (feat. 星宮とと) - TEMPLIME

lryics & composed by TEMPLIME


ネオンライト 星宮とと×TEMPLIME

 

Girly Cupid - Marpril

lyrics & composed by PSYQUI


PSYQUI feat. Marpril - Girly Cupid

 

MASAKARI - 朝ノ瑠璃 & 朝ノ茜

lyrics by tamu composed by Aiobahn


【MV】MASAKARI / 朝ノ瑠璃&朝ノ茜【VirtuaREAL.01】

 

Augmentation (feat. Moe Shop) - KMNZ

lyrics by KMNCREW composed by Moe Shop


Augmentation (feat. Moe Shop) / KMNZ [Official Music Video]

 

ちなみにこの「暴力的にカワイイ」、この度11月21日、国内最大のクラブ「ageHa」での開催が決定しました!!!シブヤエリアからもPSYQUIさん、KOTONOHOUSEさん、YUC'eさんが出演するのでここでの楽曲初お披露目がありそうですね。めちゃくちゃ楽しみだ...

 

さて、クラブミュージックというフィールドとVTuberが深く関わっていて、「最強」のエリアへの起用も納得してもらえたところなんじゃないでしょうか。そんな解説を踏まえたところで、シブヤエリアの"最強の"楽曲たちを見ていきましょう。

 

★シブヤエリアについて

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シブヤエリア。満を持して登場した最強エリアですね。

ここにキャンパスを持つ帝音国際学院は創設十数年の「歴史を誇る」強豪校。十数年で歴史を誇ると言われている辺り、クラブカルチャーがこの世界においてはまだまだ黎明期の段階にあるということが見て取れますね。最強というだけあって、アキバのアイドルポップ×電子音楽やアザブのシティポップ的アプローチとは異なるまさしく本格派のクラブミュージックがこのエリアの最大の特徴です。他のエリアでは聴けてこなかった、「正面から叩き割る」ようなサウンドをここではじっくり堪能することができます。

担当するコンポーザーはPSYQUI、Aiobahn、YUC'e、KOTONOHOUSE。まさしく"最強"の手札はここに揃ったといった感じですね。インターネットを通して渋谷のクラブカルチャーを追ってきた僕らからすれば垂涎の面子です。今回は各楽曲の考察に加えて、コンポーザー1人1人の解説もしていきます。渋谷サウンドの沼にズブズブ嵌ってもらえたら嬉しい限りです。

 

Shining Lights (feat. PSYQUI) - 鳳凰火凛(CV. 健屋花那)

作詞・作曲・編曲:PSYQUI 再生時間:3分27秒

☆コンポーザーについて

PSYQUIさん。おそらくは今回の18組のコンポーザーの中で最も「最強」に近い音を鳴らすトラックメイカだと思われます。EDM系レーベル「MEGAREX」などで活躍する国産Future Coreの第一人者であるほか、GarageやFuture Houseなど多彩なEDMジャンル、ひいてはバンドサウンドもこなせる凄腕です。そんなPSYQUIさんの最大の武器はバンドで培った経験をそのまま落とし込んで作る強烈なベースドロップ。打ち込みにアクセントとして生のベースを入れることで「治安が悪い」と称される独創的なサウンドを構築しています。この技を感じてもらえるのが先程紹介した「Girly Cupid」の他、Suchさんをボーカルに迎えた「Eyes on me」。2分14秒という短さでありながら、電撃のような疾走感を持つサウンドで圧倒してきます。


PSYQUI - Eyes on me feat. Such (Official Video)

☆曲の感想

まさに、これぞクラブミュージックだ!!!と言わんばかりの王道PSYQUIサウンドで恍惚としてしまいましたね。本当の意味でここまで「強い」曲は電音部ではこれが初めてかもしれません。得意のFuture Coreを絶対的な軸として据えつつも、ゲームの効果音のようなチューンを取り入れたり、ドロップ後のブレイクでは若干のイノタクさんリスペクトを感じるシンセのアルペジオを入れてみたりと、最強を表現しつつレジェンダリー(クラシック)IPをリスペクトする電音部というコンテンツそのものの姿勢とも非常に合致する曲になっています。さすがASOBINOTESのトレーラーBGMから携わってるだけあるんだよな...

歌詞も日本語と英語が混ざる、いつものPSYQUIさんの遊び心全開で、そして鳳凰火凛というキャラクターの「絶対的最強」を溢れんばかりに感じます。中身では「like a ヒカリのよう」(過去作「ヒカリの方へ」)、「Future Sounds 未来が『イマ』になる」(過去作「Hype」の歌詞「終わらないFuture Soundを」)など、自身の楽曲へのメタファーを入れたり、鳳凰火凛のキャラソンとしてもPSYQUIさん個人の楽曲として見てもこれ以上なく強い。また、「Don't stop アソベ!」「未来が『イマ』になる」といった歌詞は電音部のみならず、ASOBINOTESというプロジェクトそのものの精神とも言えそうです。まさにこれからコンテンツの象徴となるに相応しい楽曲。

余談ですが、鳳凰火凛さん、最強のくせに私生活底辺な辺り萌えますね。妙に親近感が湧きます。どんな活躍を見せてくれるか今後が楽しみなキャラです。

 

ペトリコールを渡って (Prod. Aiobahn) - 瀬戸海月(CV. シスター・クレア)

作詞:maimie 作曲・編曲:Aiobahn 再生時間:4分2秒

☆コンポーザーについて

Future Houseで高い評価を誇る韓国出身、弱冠24歳の気鋭のトラックメイカー。音楽レーベル「Monstercat」「bitbird」に在籍する他、個人でも昨年リリースしたディープなナンバー「ここにいる (feat. rionos)」は界隈では話題になりました。また今年リリースした「Fragments (feat. KOCHO)」はEDMらしからぬ怒涛の曲構成で個人的に大きな衝撃だった一曲です。さらに今月にはヨーロッパのトラックメイカー・Martin Garrixが主宰するレーベル「STMPD RCRDS」に新たに所属し、26日に新曲「amnesia」のリリースを発表するなど、今後さらなる活躍が期待されるアーティストです。ちなみに日本ではアイカツ!のオタクとしても知られ、「Kira・pata・shining」や「輝きのエチュード」のRemixはアニクラでしばしば流れたりもします。


Aiobahn - Fragments (ft. KOCHO) [Official Audio]

作詞のmaimieさんはオーイシマサヨシさん、やしきんさん、ebaさんなど敏腕アニソンプロデューサーを多く擁する事務所「F.M.F」にボーカリストとして所属しており、多くのアニソン・声優ソングなどでコーラスを担当されています。さらに今年の春M3ではやしきんさん、白戸佑輔さん、北川勝利さんなどの名だたるコンポーザーのプロデュースによるアルバムをリリースし注目されるなど期待のシンガーです。

☆曲の感想

「Shining Lights」とは打って変わった趣のある、湿度を纏ったようなサウンド。「ペトリコール」とは雨が降った際に発生するあの独特の匂いのことだそうです。米津玄師の曲でも「ペトリコール」という曲があります。

まず、なかなかにどストレートな歌詞が印象的ですね。瀬戸海月のキャッチコピーは「羨望」でした。彼女は全国ランク2位で、どんなにデータ収集に励んで分析をやっても鳳凰火凛という遠すぎる存在に追いつけないんですよ。そんな感情が「結果が全てなんでしょう?過程が大事だなんて 綺麗だって誰が言った?」なんていうあまりに直球すぎる歌詞で表現してくるもんだから... 全体的に火凛に対するジェラシーの塊とかいうパーソナルな感情が支配しすぎてて明らかに他2人との雰囲気のギャップがすごいことになってる...でもそこがいいんですよね。好きです。

企画会議でのコメント曰く、Aiobahnさんがこの曲を作っていた際はスランプ真っ只中だったらしいですが、そのせいもあってかいつもの曲と比較するとドロップの覇気がやや弱めのようにも感じます。しかしその要素も瀬戸海月というキャラクターの持つ感情の表現という点で、この曲の中でプラスに作用しているんですよね。そしてやっぱり、Aiobahnの音だなっていうその芯は確かに存在している。Future Houseって割と似たような雰囲気になりがちなんですが、それでもAiobahnさんの曲は確固たる作家性があって、それがスランプ下にあってもしっかり発揮されているのは本当に実力あってこそのものなのかなと思いました。

またまた余談ですが、当初僕は海月の曲がKOTONOHOUSEさんと予想していました。ただまぁ、結果的に最高の曲が来たので何も言うことはないですね。どう考えてもクレアさんとAiobahn曲が合わないわけないしね...

 

NANAIRO STAGE (Prod. YUC'e) - 大賀ルキア(CV. 星川サラ)

作詞・作曲・編曲:YUC'e 再生時間:3分31秒

☆コンポーザーについて

 作曲のみならず歌唱まで自らこなすトラックメイカーであり、Kawaii音と治安の悪い音を兼ね備えており、またやはりElectro Swing、Glitch Hopなど幅広いEDMジャンルに精通する才能の持ち主です。また、電音部では「Hyper Bass」を制作したYunomiさんとレーベル「未来茶レコード」を主宰する他、こちらもハラジュクエリアのコンポーザーに名を連ねるNorさんとのユニット「beignet(ベニエ)」としての活動など、手広く活動するまさしくインターネット電子音楽界のトップランナーの1人と言える存在。代表作「Future Cαndy」を聴いてもらえれば何となく彼女の作風は掴んでもらえるんじゃないかと思います。また、バーチャルシンガーYuNiの楽曲プロデュースも行っており、代表曲「透明声彩」はクラブでも人気の一曲です。

☆曲の感想

AOFでも聴いたしSTPリリパのアーカイブも擦り切れるほど見たんですが、

何回聴いても最強!!!!!

まさに今紹介したFuture Cαndyの作風に連なるど真ん中YUC'eサウンド。というかFuture Cαndyに繋げるために生まれたと言ってもおかしくないくらい完璧な流れを生みます。もう既に2回やられて実証済みです。そんなまさに、Kawaii Future Coreと言っておくのが一番近いようなKawaiiと治安の悪さを両立させた曲なんですが、その中でもいくつものジャンルが入り乱れていて息つく間もない展開をしてきます。ドロップではJersey Clubを感じさせるビートと声ネタ。さらにこれをBPM180クラスでぶつけて来られるのは本当に殴られるような感覚です。さらに2Aではドラムン、次にtrap×ラップ、これらを全部1曲の中に詰め込んでおきながらしっかり統一感でまとめ上げている。これだって作家性がしっかりしてなければできない芸当だと思います。流石の一言です。

そしてYUC'eサウンドと星川の歌声の親和性よ。。。本当にピンポイントで最高の組み合わせだったと思います。電音部の中でも屈指の神采配ですよこれは。。。そして、全体的に、特にラップパートとかかなり難しい譜割になってるんですけどちゃんと歌いこなせてる辺り、普通にレベル高いなって思いますね。マジでこれ、クラブで聴いてみんなで盛り上がりたいですね。現地の音響で堪能したいやつです。暴カワ、頼む...

余談3回目。ルキアだけ4コマの出番少なかったので若干寂しかったですね... AOF、STPリリパで楽曲先行公開とかいう爆アド貰っちゃったからですかね() ただ天真爛漫で頭のネジ抜けてる系で完全に好きなタイプでしたね... 今後の活躍待ってる...

 

In my world (Prod. KOTONOHOUSE)

作詞:RANASOL 作曲:KOTONOHOUSE & RANASOL 編曲:KOTONOHOUSE


【1/20CD発売】#電音部 -帝音国際学院-『In my world (Prod. KOTONOHOUSE)』試聴動画

☆コンポーザーについて

「え アタシ!?」サウンドロゴがあまりに印象的なトラックメイカー...なんですが、その実Future Bassに限らずSpeed Garage、Jersey Club、Trancecoreなどありとあらゆるジャンルをこなす超実力派。そしてあれだけの曲を作る力がありながら楽器経験一切なし、DTMは大学からという根っからの天才型。全く音楽理論に頼らない作曲スタイルであるにも関わらず、KOTONOHOUSEさんのトラックは非常に緻密な構成をしている印象があります。先月、満を持して1stフルアルバム「Synchronicity」をリリースしたのでぜひ聴いてほしいです。

今回作詞・歌メロを担当したRANASOLさんとは普段から共同制作をしており、「マリンスノー」「スタートレイル」などの楽曲をリリースしています。アコギの旋律だったり環境音も印象的なエモーショナルな楽曲です。

☆曲の感想

完全に自分が求めてた物が来てしまって感情が臨界点に達してしまいました。まずKOTONOHOUSEっていう前情報からいざ蓋を開けたらKOTONOHOUSE×RANASOLだった事実に発狂しました。マジでこの2人の合作が最強なのよ...

「In my world」、唯我独尊とかそんな意味で考えればいいのかな... 単なる治安の悪い音じゃなくて、ディープなサウンドで最強を表現してきたKOTONOHOUSEさんに完全にしてやられたなって感じです。王者の風格を纏うサウンドってこういうやつですか... サビ終わりドロップでJersey Clubになる辺り、ハラジュクのFutureもドロップでJersey Clubになるので結果メタっぽくなっててかなりいい味を出してると思います。

そしてボーカルディレクションが秀逸すぎた。3人の全く違う歌声が見事に溶け合うようになっていて、それでなおかつそれぞれの個性がとても際立っている見事な仕上がりだと思います。どなたのワークスだろうか... とにかく素晴らしいです。歌詞がまだ出てないので何とも言えないですけど、CDリリースが楽しみすぎる... そして願わくばこれも暴カワで...

 

 ☆エリアの総括

いや、アキバ、ハラジュク、アザブ、どのエリアも最高の音楽すぎていくらシブヤ最強って煽り文句見ても本当か?くらいに思ってた自分がいるんですよ... いやその、完全に分からされてしまいましたね。これは有無を言わせない最強だ...

あとは記事のタイトルにもある通り、電音部シブヤエリアは渋谷クラブ文化とVTuber音楽が交差してきた歴史の1つの解答として大きな意味を持つんじゃないかと思います。PSYQUI、Aiobahn、YUC'e、KOTONOHOUSEという、まさしく渋谷の地からクラブカルチャーを盛り上げてきたアーティストの曲が1枚のEPに収まること。そしてそれらが、にじさんじという現在進行形でVカルチャーを牽引するライバー達のボーカルによって実現したこと。アンダーグラウンドで地道にやってきたものがここに来て結実したんじゃないかと思います。ただもちろんこれで終わりではなく、むしろ始まったばかり。ここからどうやって「音楽との遭遇体験」を創出していくかが次の課題だと思います。現状はまだまだVTuberとクラブカルチャーの関連性が広く知れ渡っているわけではないし、そもそもVTuberのオリジナル曲、という存在自体がVTuberのファンからしてもアングラだったりします。そこをどう繋げ、界隈を盛り上げていくか、というところです。電音部シブヤエリアが上手くその起爆剤となってくれることに期待したいです。

 

 

★まとめ

プロジェクト開始から5ヶ月経とうというところでやっと最初の4エリアが出揃いました。長かったね... アイドルポップとクラブの中継点のアキバ、クラブユースでありつつもサブカルチャーに傾倒するハラジュク、実力派ボーカルとディープなトラックで魅せるアザブ、王道クラブサウンドで圧倒するシブヤ。それぞれのコンセプトを最高のトラックメイカーが彩った最高のスタートだったと思います。それは何より各トラックメイカーにそれぞれの持つ強固な作家性を惜しみなく出させたこと、これに尽きると思います。例えば今回のシブヤエリアなら、一発でこの音はPSYQUIさんだ、YUC'eさんだって分かるレベルの楽曲になってます。なかなか、ここまで作曲側の意向が尊重されたIPっていうのもないはずで、ここにまさしく電音部の「音楽を売る」という姿勢が出ている気がします。

ここからは余談なんですが、Twitterでこんな考察が。

いや、この発想はなかった...。電音部がそれぞれのキャストの音楽的なバックグラウンドを大切にしている話は最初にした通りなんですが、こういうところにもそれが表れてるんですね。素敵な考察をありがとうございました。

 

長々とオタク特有の早口かましてたらついに10000字を超えてしまいました。いやこんなことになっちゃってすいません... とにかくシブヤエリア、期待を裏切らない最強だったし、渋谷クラブファンの身からしても、すごく感慨深いものでした。本当にありがとうございました。

 

そして、来たる11/21!!!

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「暴力的にカワイイ」ついに!!!!

電音部に参加しているコンポーザーが7組、さらにキャストからもDJずっ こと澁谷梓希さんが出演ということで、そもそも電音部とか関係なくヤバいイベントになること間違いなしです。ageHaのアリーナでShining Lights、NANAIRO STAGEなどが初披露される可能性もあるということで今から超楽しみです。残念ながらチケットはすべて売り切れました!もし電音部を機に生のクラブイベントに興味を持ってくれた方がいたら、ぜひ次回以降チェックしてもらえるといいんじゃないかと思います。クラブ、怖くないし超楽しいよ!こんなイベントもよくやってるよ!ってことをぜひ知ってもらえれば嬉しいです。

 

というわけで、今回も長々とお付き合いいただいてありがとうございました。卒論かよってレベルのボリュームになってしまいましたがここまでついてきてくれた皆様方に感謝感謝... 電音部に関する記事はこれで一旦終わりかもですが、これからもちょくちょく好きな音楽について書いていくのでぜひこれからもお付き合いいただけると嬉しいです。それでは!!

月刊・今月聴いた良い楽曲(2020.10)

久しぶりに記事連投すべくやってます、、、まぁ月末は月末なのでね... 10月も良い曲が出まくっているのでっていうのと先月の曲でも紹介しきれなかったものとかあるので、今月もやっていきたいと思います。何卒お付き合いを...

 

 

愛と花 - 花譜 & Kizuna AI

M1,作詞・作曲・編曲:川谷絵音 M2,作詞:ぽん 作曲・編曲:小島英也 9/23発売

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先月注目を浴びたKizuna AIと花譜のコラボによる新曲。プロデュースには川谷絵音ORESAMAという豪華ぶりでも大きな話題となりました。1曲目「ラブしい」は全てにおいて川谷絵音の才能が炸裂した超名曲です。まず「ラブしい」っていうタイトル付け。「愛しい」の「愛」だけを英訳して「ラブしい」なんて造語を作ってしまうの、もうこれ川谷にしかできなかったでしょ。そしてアレンジのセンスがもう異常。ピアノ、ストリングス、ブラスどこを取っても一流すぎて本当にこれを川谷1人で完結させたのか???って感じですよ。ストリングスに関しては普通のウワモノとして際立たせる使い方をあえてせずに低弦中心で下支えとしての昨日に徹しているのがこの曲のすごい所だと思います。あとはギターのカッティングとベーススラップでグルーヴ感を出しながらピアノとブラスの旋律で優雅な雰囲気を演出して...と、とんでもない計算の上に成り立っている音楽なのを感じますね。2曲目のORESAMAがプロデュースした「かりそめ」は現代的解釈のシティポップ。クラブミュージックのアイちゃんとオルタナティブの花譜ちゃんが出会うとシティポップが生まれるの、すごいなるほどなって思いましたね。確かに両方からの共通項を探るとそうなるのもわかる気もします。「ラブしい」と比較するとデジタルの音も強めですが、快活さとディープな雰囲気の両立という点は本当に見事な仕上がりでさすがORESAMAと言うべきなところです。あと2人の全く違う声質がユニゾンした時にすごく心地いい音になるんですよ。正直びっくりしました。ネームバリューとかそういうの以上に、いろいろな角度から見てものすごく面白いコラボ作品になってると思います。


Kizuna AI × 花譜 - ラブしい (Prod. 川谷絵音)【Official Music Video】

 

星の終末 - バーチャルねこ

All composed and lyrics(M1,M3) by Virtual Cat 9/22発売

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めちゃくちゃニッチ、というか人を選ぶであろう作品ですがめちゃくちゃ気に入ったので共有させてほしい... バーチャルねこさんのエレクトロニカアンビエントの経験をそのまま歌モノに落とし込んだ恐ろしいEPです。こんなやばいのがしれっと出てくる音楽系V界隈怖いですよほんと... 1曲目「星の終末」はアンビエント歌唱系Vとして活動するアメミヤチカさんという方をボーカルに迎えた曲ですが、歌詞は「声は響いて、星が流れて 時が止まり、世界が終わる」たったこれだけ。冒頭で提示されたフレーズから環境音やノイズを重ねながら曲が展開していきます。ボーカルは実質PADのような使い方をしていて、本当に環境の一要素、それ以上でも以下でもないといった感じです。3曲目の「産声」もボーカル曲なんですけど、ボーカルはほぼ音の隙間を埋めるものでしかなくて、ほぼすべての表現は音で行われている、実質インストのようなものです。もちろんボーカルが不要とかの話をしているわけではなくて、むしろ空間の一要素として決してトラックを邪魔することなく並存するアメミヤチカの歌声は素晴らしいですよ。音楽としてはかなり難解な部類...かもしれないんですが、ニカとかアンビエントとか嫌じゃなかったら絶対聴いてほしい傑作です。ぜひに。


Virtual Cat / 星の終末 (feat. アメミヤチカ)

 

恋のうた(feat. 由崎司) - Yunomi

作詞・作曲・編曲:Yunomi 10/3発売

聴いた瞬間、何というか、新しい時代来たなっていうのを感じましたね。まずトラックメイカーがアニソンを作る時代が来るっていうのはある程度予想がついたことですが、ここまで早く、しかもここまでクラブ側の文脈をそのまま持ってくるような曲が来るとはっていう驚きをこの曲を聴いて感じました。Yunomiさんといえば何と言ってもその前に出したHyper Bassが異常すぎる曲でしたが、この曲もそれに負けず劣らず攻めた曲です。サビが肝のはずのアニソンで普通にドロップになってたり、キャラソンという建前を度外視した高速譜割りだったり、これまでのアニソンの常識が全く通用しない構成。さらにOPサイズではドロップを作り直すという拘りぶり。このドロップ、サブベースの低音を際立たせるために必要最小限の音数に絞っているあたりはHyper Bassとも共通する部分で、新たなYunomiさんの作風となりつつあるのかもしれません。そしてこれをものにしてしまった鬼頭明里さんがマジですごい。切実に、声優がクラブミュージックを歌う流れはもっとやってほしいですね。普通にこれや電音部で終わらせちゃうの勿体ない。多彩な声のバリエーションを持つ声優と声もトラックの一部として捉えるクラブミュージックの親和性、多分僕らが想像してる以上にありますよ。ここから20年代の新しいアニソンのスタンダードの誕生に期待したいですね。

 

リテラチュア - 上田麗奈

作詞・作曲:Ririko 編曲:伊藤賢 10/21発売

上田麗奈さんの音楽活動、様々なジャンルを通ったうえでの音楽的実験色が強くてとても好きなんですが、今回のシングルもとてもいい曲が来ました。ストリングスによるクラシカルなサウンドエレクトロニカを両立させたサウンド。これまた新境地なんじゃないかと思います。個人的に印象的だったのがサビ部分のストリングスで、16分の刻みとレガートの部分の区切りがちゃんとあるのがすごく良くて、全体のメリハリにもなっていると感じました。あとは今回に限らずずっと上田麗奈さんの音楽で一貫していることなんですけど、元の声の良さを出すためにあえて過度のピッチ補正をかけないんですよね。多少の音程の揺らぎがそのまま歌になる。これがすごく音楽性に合ってると思うんです。今回アコースティック色が強いカップリング曲でその真価が出てます。特に3曲目の「たより」はピアノとアコギだけの曲になってるんですけど、素のままのボーカルによってより臨場感が出てるんじゃないかなっていう気がします。さっきの恋のうたのような緻密に組み立てていく音楽に対してこういう自然体なアプローチの仕方もあって、マジで声優音楽の可能性無限だな... もっとエクスペリメンタルなフィールドになってくれたほうが嬉しいんだけどそういうわけにもいかないんですかね...よろしくお願いしたい...

 

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Synchronicity - KOTONOHOUSE

All composed by KOTONOHOUSE 10/21発売

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 え アタシ!?のキャッチフレーズで人気のKOTONOHOUSEさんの1stオリジナルフルアルバム...なんですけどもはやベストかってレベルの豪華さでした。KOTONOHOUSEさん、Future Bass、Jersey Club、Garage何でもこなす万能トラックメイカーなんですけど、今回も13曲あってどれも違う感じになってるの天才の所業と言っていいレベルですよ。ただでさえEDMってある程度似た感じになるのに...

さっきからクラブミュージックは声も楽器...みたいな話をしてたんですけど、このアルバムの楽曲は歌詞もとてもメッセージ性を練っていて、ポップな印象もありクラブに馴染みがなくても聴いて楽しめる内容なんじゃないかと思います。今回は新曲とサブスク初出の曲だけ言及していきます。

1曲目「Mirror Mirror」ポップなサウンドで聴く人の気持ちを後押しする歌です。Suchさんの「え アタシ!?」と優し気な歌声。アルバムの幕開けに最高のチューンだと思います。4曲目の「エンドロール」がなかなかに強烈で、退廃的な世界観の歌詞と過去最強クラスのドロップでかなり他の曲と一線を画してます。元々去年のM3で販売した「externalizatioN」というEPに収録していた曲だったんですけど今回がサブスクは初出でした。5曲目の「Gravity」は初音ミクをフィーチャリングした楽曲。「Gravity」っていう名前が付いた曲でハズレに出会ったこと一度もないんですけど、この曲も良すぎた... 2020年にこんなに良いボカロが出てくれるの最高です。7曲目「echo」はFuture Bassなんですけど、比較的ソリッドな音が使われていて、かなり独創的だと思います。9曲目「ユーフォリア」。個人的にはこれが一番お気に入りで、全編英詞なんですがTOFIEさんの流れるような高音とピアノやピチカートの転がるような音にすごく奥行きがあって、全体としてとても美しい音楽でした。10曲目「Alone」はTEMPLIMEのKBSNKさんをボーカルに迎えた曲で、作詞と歌メロもカボスさんが担当してます。「何者か分からない世界で、ギターを掻き鳴らす歌」で、EDMでありながらシューゲイザー的な趣も感じられる一曲だと思います。11曲目「エスケープ」はYunomiさんが作詞を担当していて、とにかく深い。うまく説明できないのでとにかく聴いてくれ。。。あとはサウンドはKOTONOHOUSEさんのFuture Bass像のひとつの解なんじゃないかと思います。いろんな要素が詰まってます。

うわわわ、めっちゃ長々書いてる...とにかく最高すぎるアルバムなのでもっとたくさんの人に聴いてほしい... ちなみにKOTONOHOUSEさん、電音部ではシブヤエリアを担当することが確定致しました。PSYQUIさん、YUC'eさん、Aiobahnさんらと共に最強の一角を担うわけですが、もう何の不足もねぇよ... というわけで電音部の曲もめっちゃ楽しみにしてます。予習もかねてこのアルバム、激ヤバ鬼マストです。

 

Imaginarium - Snail's House

All composed by Snail's House 10/23発売

open.spotify.com

えー、とりあえずまずは、

Ujico*さん結婚おめでとうございます!!!!!

 とりあえず9月頃から予告されてた新譜がついに来たんですけど、まぁ最高ですね... エレクトロニカというか現代音楽、具体音楽みが今回強くてめっちゃ好みでした。Kawaii Future Bassを最初に提唱しておきながら自分はどんどん先へ行っちゃうスタイル大好きよ... リードトラック「Imaginary Express」は王道Future Bassという感じだったんですけど、最後に余韻を残すためにやったのが「踏切の音をサンプリングしてフェードアウトさせる」だったんですよ。声出ました。これまでも踏切の音をサンプリングした曲はあったんですけど、終わりで使うっていう手があったんですね。。。4曲目の「morph」、5曲目の「summerscape」あたりはもう完全にエレクトロニカです。さっきも言ったけどニカはなかなかに人を選びそうなんですよね...僕は好きなんですが...7曲目「ココロトラベル」はチップチューン系の黎明期Kawaii Future Bassなので聴きやすいサウンドだと思います。あとは結構本格的に実験音楽要素の強い硬派なアルバムなので、ひょっとしたら取っつきにくいかもしれない... ただ本当にやばいのが来たなって思ったのでおすすめはしていきたいところ。とりあえず表題曲だけでも聴いてみて、いいと思ったらアルバムごと聴いてみてくださいな。


Snail's House - Imaginary Express (Official MV)

 

 

今回の新譜紹介、終わり!!!!!

今回結構ボリューム多めになりました。相も変わらずインターネット多めになっちゃいましたが本当に良い曲を紹介できたんじゃないかと思います。みんなが聴くような良い曲の感想も書きたいけど、あんまり知られてないような曲の紹介もしたいし、やっぱりそこはバランスよくやっていきたいですね...

せっかくだし最近の話でもするか。ここ2ヶ月くらいで3回も高校生と間違えられて職質食らいました...いい加減にしてくれ... この間なんてレイトショーで鬼滅の映画見てきて気持ちよく夜道帰ってたところで捕まりましたもん、、何とかならないんですかね。対策教えてくれる方いたら待ってます...笑

 

あ、あとお陰様で累計アクセス数が20000に行きました!これからも皆さんの興味を引ける記事を書いてバズりたい所存ですのでよろしくお願いします!身も蓋もないね!と、いうわけで。今回もお読みいただきありがとうございました。次回もよろしくお願いします!

 

 

秋M3の新譜感想まとめ

こんちはです!!!

先週はあの年2回の大散財行事、

M3に行ってきました!!!

いや最高に楽しかった。その前の夜にFuture What'sっていうクラブイベントがあってそこから一睡もせずに行ったのでマジで体が死んでましたが...

ちなみに今回は6枚ほど買わせていただきました。フォロワーさん曰く学生にしては結構買ってると言われましたけど...そういうもんなんですかね?と、いうわけで今回はM3で購入した新譜の感想をざーーーーーっと書いていきたいと思います。割と大手多めなんで通販とか配信とかもあるので是非気になったらチェックしてみて...!

 

 

Cold Tears + Cloud Diver Remixes - TEMPLIME

全作詞・作曲:KBSNK(TEMPLIME) 配信あり(10/26~)、サブスクなし

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Cold Tears + Cloud Diver Remixes (feat. 星宮とと)

Cold Tears + Cloud Diver Remixes (feat. 星宮とと)

  • Various Artists
  • エレクトロニック
  • ¥2037

music.apple.com

TEMPLIME、春の時はすんなり買えた覚えがあったのに今では入場早々列ができるほどの人気サークルになってました。そりゃそうだ。配信ライブでネオンライトは大バズりしたしバンナムお抱えコンポーザーにまでなってますからね。今回のEPは新曲「Cold Tears」と豪華リミキサー陣を迎えての既存曲7曲のRemixが収録されています。新曲「Cold Tears」は制作のカボスニッキさん曰く2008年前後のハウスサウンドを意識して作ったとのことなんですが、マジでそれなの!!!Perfumeとかいろんなあの頃のサウンドを思い出す人がいると思うんですけど、僕にとっては初期livetuneの印象が強かったですね。まだKajukiさんがいてover16bit!とかリラホルンを作ってた頃の音とこの曲のサウンドの一致具合が自分の中で凄くて、一発で好きになっちゃいましたね。リミックスはalpha(LADY'S ONLY Remix)やネオンライト(KOTONOHOUSE Remix)のような全部一から組み立て直したようなものもあれば、純粋(kamome sano Remix)やCloud Diver(PSYQUI Remix)みたいに原曲の音を残したままアクセントを加えたものもあって、マジで各々のコンポーザーの味が出まくっててすごくいいです。個人的に原曲のGarageをそのままによりディスコティックなアレンジにしてくれたサノカモメさんの純粋めちゃくちゃ良かった... 

TEMPLIMEといえば電音部の楽曲「Hand Over」もようやくCD発売になるので楽しみですね。今後の活動にも期待です。

 

 

first draft e.p. - stargaze shelter

全作詞・作曲・編曲:gaze//he's me 配信・サブスクは11月予定

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さっきのTEMPLIMEでもボーカルを務める星宮とと、ととねぇとコンポーザーgaze//he's meによるユニット、stargaze shelter。前回はノーマークでサブスク来てから初めて存在を知った(不覚...)感じだったので今回初めてブースに行きました。そしたらととねぇがいて!!!Future What'sお疲れ様でしたって言ったらありがと~また来て!って言われてサインくれたりま~~じで可愛くて死んだ... で、もう曲に関してはもう素晴らしいんですよ。こんな素晴らしいドリームポップがまだまだ世に出てきてくれる幸せよ... ファーストドラフトは個人的にすごくこの季節に聴きたい曲っていう感じです。歌声の透明感、ギターの浮遊感を意識させる音作りはまさにドリームポップの王道ですね。3曲目の「始まりの季節は終わりを告げた」はシューゲイザー色が強く、これもまた空間に溶け込むような音色が印象的でした。意表を突かれたのが2曲目のサーモスフィア。これまでの印象とは打って変わった凛として時雨リスペクトのようなポストロックで、こんなのも作るの!?っていう驚きと、ととねぇのボーカルが今までにない力強さを纏っていて、歌い方の引き出しの広さにもすごくびっくりしました。メインはこの3曲ですが、4曲目の「夜型のための肯定」とDiscLetter2曲も聴いてほしいです。DiscLetterは100年後の世界へ宛てた歌になっていて、このCDの賞味期限も100年らしいです。コンセプトもさながらデザインもすごく凝ってるのでできれば是非現物を手にしてほしい...という気持ちです。サブスクも来ると思うので音楽だけでも絶対聴いてほしいですが。
 

HYP3R L1NK - ミディ

全作曲・編曲・作詞(M1以外):ミディ 作詞(M1):前田蝉 配信・サブスク有り(10/26~)

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Hyp3r L1nk

Hyp3r L1nk

  • ミディ
  • エレクトロニック
  • ¥2037

music.apple.com

自らトラックメイカーとして歌唱までこなすVtuberミディの3rdEPです。最近ではこちらも電音部にコンポーザーとして参加していたりとビッグネームになりつつありますね。ちなみに、つい先日ミディさんはハラジュクエリアの楽曲を担当していることが発表になりました。マジかよ。完全にシブヤエリアだと思ってました。。。まぁKawaii Future Bassの文脈から考えれば確かに納得はいくんですがそれにしても驚きですね。

このEPの大目玉は何と言ってもリードトラック「Never dreaming night girl」かなと思います。今回のこの楽曲の作風はFuture+Jerseyといった感じです。ミディさんといえばやっぱり「コンピューターミュージックガール」が代表曲として挙げられるんですけど、それ超えたんじゃね?と思えるくらいに良い曲でした。トラックの完成度の面でも歌唱力的な面でも確実に上がってると思います。(当社比) コンピューターミュージックガールでもそうでしたが全体的に爽やかな曲調だからこそ際立つドロップの治安の悪さも健在でした。今回は4曲目の「Badboys」でかなり治安悪めのTrapを仕込んでいたりして、全体的なトラックの完成度に関しても本当にかなり高いと思ったので、ぜひサブスクもあることなのでチェックしてもらいたいな~と思うところです。電音部の予習にもかなりもってこいな音なので...。

 

Isekai Travel - Neko Hacker

全作詞・作曲・編曲:Neko Hacker 配信・サブスク11/1~予定

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Neko Hacker 4th EP "Isekai Travel" Teaser

もうこの手の音楽マニアで知らない人はいないであろう大物Neko Hackerの新EP。てかこれだけ大物になっときながらこれ1000円で売ってくれるの良心的すぎるんだよな... セラさんまじでサイバーフェスの時声掛けれんくてすいませんでした...。次イベントでご一緒出来たらお話させてください...。

Neko Hackerは"Kawaii Future Rock"の提唱者ということになっていますが、ここまでロックにこだわるのは彼らの前身にあります。意外と知られてないんですが以前はField Of Forestというスクリーモバンドのボーカルとギター(厳密には今もですが活動休止中)で、彼らの最大の持ち味はそうした本格派のロックで得た経験をエレクトロサウンドに落とし込んでいる点なんです。Field Of Forestの方も気になった方は是非お勧めです。かっさんのカッコイイ高音が聴けます。

Field Of Forest

  • ロック

music.apple.com

で、まぁ何でこんな話をしたかと言えば、今回のEPは過去一でロックのDNAを発揮しまくってるんですよ。というか電子系サウンドにしてるけどやってることほぼエモコアですよこれ。ほぼエモコアなのにポップな仕上がりにしてるのがすごい。Field Of Forestもスクリーモの中ではキャッチーな部類の音楽な気がするんですが、Neko Hackerでも全く衰えてないですね。いやむしろ進化してるか... どれも最強なんですが個人的なお気に入りは3曲目のListen(feat. をとは)でした。クリーンギターとTrapの親和性はマジで異常だった。あとギターソロの音作りとコード進行。特にハーモニクスの音が好きすぎた。歌詞も変わりたい、進みたいと思う人の背中を優しく押す内容でぶっ刺さりました。これが1000円。BOOTHでも1100円。絶対買って損しないです。Neko Hackerの真骨頂ここにありって感じの名盤だと思います。電子音楽好きにもロック好きにも刺さるし両方好きなら2度美味しいです。ぜひ...!

 

encore -Emotional Vocal POP 02- - MEGAREX

コンピレーション 配信・サブスク有り(10/26~)

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encore -Emotional Vocal POP 02-

encore -Emotional Vocal POP 02-

  • Various Artists
  • エレクトロニック
  • ¥2444

music.apple.com

「宇宙一ヤバい音楽レーベル」ことMEGAREX、最前線のクラブサウンドを生み出し続けるガチガチの集団です。このアルバムはそんなMEGAREXのアルバムの中でもポップ的な視点から作られた曲を中心に収録するアルバムで、トラックメイカーならではのポップスの解釈が見れる面白いアルバムです。第1弾の時はTEMPLIMEも参加したりしてました。ちなみにこのアルバム、ほぼKOTONOHOUSEさんの新曲「My medicine」目当てで買いました。サイバーフェスで聴いてからリリースをずっと楽しみにしてたんですけど、オルタナティブロック×Future Bassというアプローチをされて性癖のど真ん中を貫いていきましたね。KOTONOHOUSEさん、先週にアルバムをリリースしてから立て続けのリリースでしたがアルバムの曲ともまた全然違った仕上がりで、本当に作風の引き出しがすごいトラックメイカーだなっていうのを改めて感じました。他に面白かったのがZekk & poplavor 「DROPS (feat. Such)」ですね。普段はバッキバキのFuture Coreとかが多い中で最近流行りの夜行性インターネット音楽に近いようなギターポップを書きおろしてきてて、こんな曲も書けたのかこの人たちっていう新たな発見がありました。これは完全にこのアルバムならではですね。サブスクあり、しかも全曲インスト付きなのでぜひ気軽に聴いてほしいと思います。トラックメイカーのコンピですが割とクラブサウンドに馴染みがなくても聴きやすいアルバムになってるのでぜひおすすめです。

 

 

すいませんあと一つネオンストライド002買ったんですけどまだ聴き切れていません!!!!!

もうとりあえずM3楽しすぎた!!!

いろんな界隈のフォロワーさんと会えたし、人生最大規模のオフ会(弾丸開催)に参加させてもらえたり、その前はクラブで最高の音楽を爆音で浴びてもう最高の週末でした。お金は...お金は犠牲となったのだ...

 

とりあえず、M3の新譜とは別で今月の印象に残った新譜に関してもブログ書きたいと思います。さっきちらっと言及したんですがKOTONOHOUSEさんのフルアルバムはとにかく最高すぎるので聴いてほしい...!クラブミュージックとしてもポップスとしても最高の完成度だと思いますので。そんな話も次回もっと詳しくしていきたいところです。他にも良い曲沢山あるので楽しみにしてくれてる方(いつもありがとうございます)ぜひお待ちください...!ではでは今回はこの辺で...

新コンテンツ「AKROGLAM」が絶対面白いので紹介する

こんにちは!最近1つ歳をとったばかりの管理人です。あとなんかいろいろ書きたいことがあったのにうまく文章にできずに下書きに謎の文書が大量に溜まってたりしてます。

もうなんか書くこともないので早速今回の本題に行っちゃいます。

今回紹介したいのは

AKROGLAM (アクログラム)

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akroglam.com

というコンテンツです。先月突如としてスタートして今週第1弾となる楽曲をリリースした本当に新しいコンテンツなんですけど、これが本当に面白そうなんですよ。音楽オタクとしてはぜひ今後の動向を追っていきたいと思ったしもっと知名度を広げていきたいとも思ったので、どんなコンテンツなのかとか楽曲の魅力とかまたいつもの感じのノリで書いていきたいと思います。ぜひよろしくです。

 

 

「AKROGLAM」の世界観について

AKROGLAMが掲げる軸となるコンセプトが、

音楽×物語

というもの。「AKROGLAM」というのは作中に登場する「世界最高のデュオ=アクロスターを決める音楽フェス」の名前で、そこに挑もうとする2人組たちのそれぞれのストーリーを音楽と共に描いていくという展開の仕方をしています。現在までにMINERALSRUBYSTASASTRAMという3組のユニットが登場してきています。それぞれのユニットは全く違うバックグラウンドやストーリーを持っているのですが、これはそれぞれの楽曲の中でまた話していくこととしましょう。ホームページを見ていただけると分かりやすいほかYouTubeでボイスドラマも展開しています。

 

実際のシーンで活躍する盤石の作曲陣

AKROGLAMの大きな特徴が、実際のヒップホップシーンやクラブシーンで活躍するミュージシャンをコンポーザーとして招いていることですね。今このブログで電音部を大々的にプッシュしてるんですけど、あっちもコンポーザー陣を実際に現場で活躍するトラックメイカーで固めているのが最大の強みなのと、あとヒプマイなんかもCreepy Nutsなどをはじめ実際にラップシーンに携わるコンポーザーを起用しているのも成功の要因として考えられたりするので、このコンテンツもその流れを引き継いでると言えそうです。個人的にはこれからの二次元音楽コンテンツの音楽はアニソンを離れてより実際のシーンに近い形態を取っていくことが多くなるような気がしてますね。

AKROGLAMの第1弾のコンポーザーはANIMAL HACKPEARL CENTER (TiMT×MATTON)Pa's Lam Systemの3組。今回のこれを機に初聴きだったアーティストもいるのですが、前線のダンスミュージックであったりHipHopサウンドを高いレベルでやっている人達(語彙力)であり、AKROGLAMの楽曲にもそれぞれの経験が上手く落とし込まれています。

 

楽曲紹介

Show Your Eyes - MINERALS (エノ[CV. 荻野葉月]、アオルタ[CV. 平流エレン])

作詞・作曲・編曲:ANIMAL HACK


MINERALS『Show Your Eyes』Music Video

アクログラムで掃除屋のバイトをしていた少女・エノが、未練を抱きながらもパートナーがいなかった女性・アオルタに声をかけられてエントリーしたところから結成されたユニット、MINERALS。シンデレラストーリー色が強いユニットっぽいですね。ボイスドラマを見てもらうことで歌詞のストーリー性がより良く分かってくるんですが、最初経験のなさ、舞台の大きさから怖気づいているエノがアオルタに背中を押され、ステージを楽しむ気持ち、彼女たちの歌うことの喜びがそのまま歌詞になっています。この曲、トラックメイキングもさることながらボーカルの技術がかなり高いなって思いました。リズミカルなメロディの中で高音を綺麗に聴かせるの結構スキルが要ると思うんですけど、見事にそれがクリアされてます。それぞれ声質は全然違うんですが、トラックの中で互いに見事に活かしあってると思います。声優さんの名前は聞いたことがなかったんですがこれは今後注目していきたいところかなって感じがしましたね。

この曲のコンポーザー、ANIMAL HACKはHipHopを軸としながらギターなどの経験もトラックの中に組み込んだトロピカルなサウンドが持ち味で、シンガーソングライター4s4ki(あさき)のアルバム「NEMNEM」のプロデュースやヒプマイ「BLACK OR WHITE」の作曲など、今注目のトラックメイカーです。

 

Sympathy - RUBYSTAS (スピサ[CV. 大地葉]、ケーヴァ[CV. 城戸香織])

作詞:MATTON 作曲・編曲:TiMT


RUBYSTAS『Sympathy』Music Video

有名音楽プロデューサーを父に持つ歌姫・スピサと2年前に解散した謎のデュオの元メンバーであるケーヴァのユニット・RUBYSTAS。先程のMINERALSとは打って変わって知名度、実力共に十分なユニットです。声優は実力派としての地位を固めつつある大地葉さんと新人の城戸香織さんという方なんですけど、これが新人とは思えないレベルで上手い。普通にプロのシンガーでは?って思うくらいには2人とも上手い。楽曲はスウィングのリズムが特徴的なR&B、ソウル系統のサウンドで、ここのキャラクター2人の大人な雰囲気が存分に表現されてます。作詞・作曲を手掛けたMATTONさん、TiMTさんが所属するバンド・PEARL CENTERはR&Bやアシッドジャズの系統に加えシティポップなど多彩な要素を持つ音楽を制作していて、最新作「短夜」ではKan Sanoさんとコラボするなど、なお様々な音楽性を追求しているアーティストです。電音部の「Haiiro no kokoro」の際も言ったんですけど、二次元コンテンツでR&Bとかやってくれるのは声優さんの違う歌声の一面が見れるいい機会だったりするのでもっと増えてほしいと思いますね。

 

ルシオン - ASTRAM (ニナ[CV. 鈴代紗弓]、レナ[CV. 内山茉莉])

作詞・作曲・編曲:Pa's Lam System


ASTRAM『イルシオン』Music Video

Pa's Lam Systemというとクラブ界隈にいるとかなり聴き馴染みのある名前です。渋谷clubasiaで開催されるイベントでは結構頻繁にYUC'eさんやPSYQUIさんといった面々と並んで出演することが多かったり、あとCY8ERにも1曲提供していたりと、渋谷クラブ系のファンから多く支持を受けるトラックメイカーですね。

3組目のASTRAMは前回アクログラムの覇者「アクロスター」で、今登場してくる3組のユニットの中で最も強い存在です。彼女たちの楽曲「イルシオン」は先2組の曲とは大きく異なったアッパーなダンスチューンで、メロディ自体はアニソンの流れも多少なり汲んでるような気がします。ただ1点、優勝者という立ち位置や強気なキャラクター性とは裏腹に歌詞の中には内向的な表現なんかもあったりして、それが今後の展開でどう描かれてくるのかなっていうのが気になるところではあります。それにしても、パズラムのコンセプトに合わせたサウンドを作る技術はすごいなって思うんですよね。自身の代表曲「TWISTSTEP」はじめ自分の活動ではゴリゴリにFuture Coreをやっているんですが、CY8ER「ユメゾラココロ」や今回の曲だったり、強い音を鳴らしながらもアイドルらしさ、アニメらしさを両立していて、対応力がすごいなって思うところです。

 

 

まとめ

まだ僕自身これの存在を知ったばっかりで持っている情報が少ないのであんまり分厚い紹介は書けないのがあれなんですが、とりあえず、音楽好きなオタクは間違いなく追って損はしないコンテンツだと思います。特に電音部が刺さるようなら絶対にこっちも見ておいた方がいいですね。実際のシーンからコンポーザーを起用している点では確かに電音部と同じなんですけど、あくまでこのコンテンツのストーリーはボーカルコンテストの存在を軸に展開していくので、ボーカルが主役、トラックはあくまでボーカルを引き立てるものという展開をしてくるはずなので、とにかく尖ったトラックを追求して今までの二次元コンテンツにはないサウンドを取り入れようとしている電音部とはこの時点で魅力の棲み分けが出来ているはずなので、個別に好きになることでより深い魅力をい発見できるような気がしてます。特に本格志向のボーカルはこのコンテンツのかなりの強みです。初期の時点でこれほどのレベルのアプローチをして来るとなれば今後もかなり質の高いものを提供してくれるんじゃないかっていう期待が持てます。

 

と、こんな感じですね。この先どんな感じでやっていってくれるのかまだ先は読めないですけど、とりあえず僕は応援していきたいしもっと知名度を増やしていきたいですね。こういうコンテンツって僕らが思ってる以上に脆いので。実際今年にも曲良いなって思ってたコンテンツが程なくして消えたってことがあったので、良いものは良いってちゃんと布教していくことはオタクの重要な仕事なんじゃないかと思いますね。はい。というわけでこれ読んで気になってくれた方いたらぜひチェックしてください。ぜひ。よろしくお願いします。。。