リーティアの隙あらば音楽語り

サブカル系音楽を中心に自分が気に入ったものを布教するだけのブログです

月刊・今月聴いた良い楽曲(2020.10)

久しぶりに記事連投すべくやってます、、、まぁ月末は月末なのでね... 10月も良い曲が出まくっているのでっていうのと先月の曲でも紹介しきれなかったものとかあるので、今月もやっていきたいと思います。何卒お付き合いを...

 

 

愛と花 - 花譜 & Kizuna AI

M1,作詞・作曲・編曲:川谷絵音 M2,作詞:ぽん 作曲・編曲:小島英也 9/23発売

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先月注目を浴びたKizuna AIと花譜のコラボによる新曲。プロデュースには川谷絵音ORESAMAという豪華ぶりでも大きな話題となりました。1曲目「ラブしい」は全てにおいて川谷絵音の才能が炸裂した超名曲です。まず「ラブしい」っていうタイトル付け。「愛しい」の「愛」だけを英訳して「ラブしい」なんて造語を作ってしまうの、もうこれ川谷にしかできなかったでしょ。そしてアレンジのセンスがもう異常。ピアノ、ストリングス、ブラスどこを取っても一流すぎて本当にこれを川谷1人で完結させたのか???って感じですよ。ストリングスに関しては普通のウワモノとして際立たせる使い方をあえてせずに低弦中心で下支えとしての昨日に徹しているのがこの曲のすごい所だと思います。あとはギターのカッティングとベーススラップでグルーヴ感を出しながらピアノとブラスの旋律で優雅な雰囲気を演出して...と、とんでもない計算の上に成り立っている音楽なのを感じますね。2曲目のORESAMAがプロデュースした「かりそめ」は現代的解釈のシティポップ。クラブミュージックのアイちゃんとオルタナティブの花譜ちゃんが出会うとシティポップが生まれるの、すごいなるほどなって思いましたね。確かに両方からの共通項を探るとそうなるのもわかる気もします。「ラブしい」と比較するとデジタルの音も強めですが、快活さとディープな雰囲気の両立という点は本当に見事な仕上がりでさすがORESAMAと言うべきなところです。あと2人の全く違う声質がユニゾンした時にすごく心地いい音になるんですよ。正直びっくりしました。ネームバリューとかそういうの以上に、いろいろな角度から見てものすごく面白いコラボ作品になってると思います。


Kizuna AI × 花譜 - ラブしい (Prod. 川谷絵音)【Official Music Video】

 

星の終末 - バーチャルねこ

All composed and lyrics(M1,M3) by Virtual Cat 9/22発売

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めちゃくちゃニッチ、というか人を選ぶであろう作品ですがめちゃくちゃ気に入ったので共有させてほしい... バーチャルねこさんのエレクトロニカアンビエントの経験をそのまま歌モノに落とし込んだ恐ろしいEPです。こんなやばいのがしれっと出てくる音楽系V界隈怖いですよほんと... 1曲目「星の終末」はアンビエント歌唱系Vとして活動するアメミヤチカさんという方をボーカルに迎えた曲ですが、歌詞は「声は響いて、星が流れて 時が止まり、世界が終わる」たったこれだけ。冒頭で提示されたフレーズから環境音やノイズを重ねながら曲が展開していきます。ボーカルは実質PADのような使い方をしていて、本当に環境の一要素、それ以上でも以下でもないといった感じです。3曲目の「産声」もボーカル曲なんですけど、ボーカルはほぼ音の隙間を埋めるものでしかなくて、ほぼすべての表現は音で行われている、実質インストのようなものです。もちろんボーカルが不要とかの話をしているわけではなくて、むしろ空間の一要素として決してトラックを邪魔することなく並存するアメミヤチカの歌声は素晴らしいですよ。音楽としてはかなり難解な部類...かもしれないんですが、ニカとかアンビエントとか嫌じゃなかったら絶対聴いてほしい傑作です。ぜひに。


Virtual Cat / 星の終末 (feat. アメミヤチカ)

 

恋のうた(feat. 由崎司) - Yunomi

作詞・作曲・編曲:Yunomi 10/3発売

聴いた瞬間、何というか、新しい時代来たなっていうのを感じましたね。まずトラックメイカーがアニソンを作る時代が来るっていうのはある程度予想がついたことですが、ここまで早く、しかもここまでクラブ側の文脈をそのまま持ってくるような曲が来るとはっていう驚きをこの曲を聴いて感じました。Yunomiさんといえば何と言ってもその前に出したHyper Bassが異常すぎる曲でしたが、この曲もそれに負けず劣らず攻めた曲です。サビが肝のはずのアニソンで普通にドロップになってたり、キャラソンという建前を度外視した高速譜割りだったり、これまでのアニソンの常識が全く通用しない構成。さらにOPサイズではドロップを作り直すという拘りぶり。このドロップ、サブベースの低音を際立たせるために必要最小限の音数に絞っているあたりはHyper Bassとも共通する部分で、新たなYunomiさんの作風となりつつあるのかもしれません。そしてこれをものにしてしまった鬼頭明里さんがマジですごい。切実に、声優がクラブミュージックを歌う流れはもっとやってほしいですね。普通にこれや電音部で終わらせちゃうの勿体ない。多彩な声のバリエーションを持つ声優と声もトラックの一部として捉えるクラブミュージックの親和性、多分僕らが想像してる以上にありますよ。ここから20年代の新しいアニソンのスタンダードの誕生に期待したいですね。

 

リテラチュア - 上田麗奈

作詞・作曲:Ririko 編曲:伊藤賢 10/21発売

上田麗奈さんの音楽活動、様々なジャンルを通ったうえでの音楽的実験色が強くてとても好きなんですが、今回のシングルもとてもいい曲が来ました。ストリングスによるクラシカルなサウンドエレクトロニカを両立させたサウンド。これまた新境地なんじゃないかと思います。個人的に印象的だったのがサビ部分のストリングスで、16分の刻みとレガートの部分の区切りがちゃんとあるのがすごく良くて、全体のメリハリにもなっていると感じました。あとは今回に限らずずっと上田麗奈さんの音楽で一貫していることなんですけど、元の声の良さを出すためにあえて過度のピッチ補正をかけないんですよね。多少の音程の揺らぎがそのまま歌になる。これがすごく音楽性に合ってると思うんです。今回アコースティック色が強いカップリング曲でその真価が出てます。特に3曲目の「たより」はピアノとアコギだけの曲になってるんですけど、素のままのボーカルによってより臨場感が出てるんじゃないかなっていう気がします。さっきの恋のうたのような緻密に組み立てていく音楽に対してこういう自然体なアプローチの仕方もあって、マジで声優音楽の可能性無限だな... もっとエクスペリメンタルなフィールドになってくれたほうが嬉しいんだけどそういうわけにもいかないんですかね...よろしくお願いしたい...

 

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Synchronicity - KOTONOHOUSE

All composed by KOTONOHOUSE 10/21発売

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 え アタシ!?のキャッチフレーズで人気のKOTONOHOUSEさんの1stオリジナルフルアルバム...なんですけどもはやベストかってレベルの豪華さでした。KOTONOHOUSEさん、Future Bass、Jersey Club、Garage何でもこなす万能トラックメイカーなんですけど、今回も13曲あってどれも違う感じになってるの天才の所業と言っていいレベルですよ。ただでさえEDMってある程度似た感じになるのに...

さっきからクラブミュージックは声も楽器...みたいな話をしてたんですけど、このアルバムの楽曲は歌詞もとてもメッセージ性を練っていて、ポップな印象もありクラブに馴染みがなくても聴いて楽しめる内容なんじゃないかと思います。今回は新曲とサブスク初出の曲だけ言及していきます。

1曲目「Mirror Mirror」ポップなサウンドで聴く人の気持ちを後押しする歌です。Suchさんの「え アタシ!?」と優し気な歌声。アルバムの幕開けに最高のチューンだと思います。4曲目の「エンドロール」がなかなかに強烈で、退廃的な世界観の歌詞と過去最強クラスのドロップでかなり他の曲と一線を画してます。元々去年のM3で販売した「externalizatioN」というEPに収録していた曲だったんですけど今回がサブスクは初出でした。5曲目の「Gravity」は初音ミクをフィーチャリングした楽曲。「Gravity」っていう名前が付いた曲でハズレに出会ったこと一度もないんですけど、この曲も良すぎた... 2020年にこんなに良いボカロが出てくれるの最高です。7曲目「echo」はFuture Bassなんですけど、比較的ソリッドな音が使われていて、かなり独創的だと思います。9曲目「ユーフォリア」。個人的にはこれが一番お気に入りで、全編英詞なんですがTOFIEさんの流れるような高音とピアノやピチカートの転がるような音にすごく奥行きがあって、全体としてとても美しい音楽でした。10曲目「Alone」はTEMPLIMEのKBSNKさんをボーカルに迎えた曲で、作詞と歌メロもカボスさんが担当してます。「何者か分からない世界で、ギターを掻き鳴らす歌」で、EDMでありながらシューゲイザー的な趣も感じられる一曲だと思います。11曲目「エスケープ」はYunomiさんが作詞を担当していて、とにかく深い。うまく説明できないのでとにかく聴いてくれ。。。あとはサウンドはKOTONOHOUSEさんのFuture Bass像のひとつの解なんじゃないかと思います。いろんな要素が詰まってます。

うわわわ、めっちゃ長々書いてる...とにかく最高すぎるアルバムなのでもっとたくさんの人に聴いてほしい... ちなみにKOTONOHOUSEさん、電音部ではシブヤエリアを担当することが確定致しました。PSYQUIさん、YUC'eさん、Aiobahnさんらと共に最強の一角を担うわけですが、もう何の不足もねぇよ... というわけで電音部の曲もめっちゃ楽しみにしてます。予習もかねてこのアルバム、激ヤバ鬼マストです。

 

Imaginarium - Snail's House

All composed by Snail's House 10/23発売

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えー、とりあえずまずは、

Ujico*さん結婚おめでとうございます!!!!!

 とりあえず9月頃から予告されてた新譜がついに来たんですけど、まぁ最高ですね... エレクトロニカというか現代音楽、具体音楽みが今回強くてめっちゃ好みでした。Kawaii Future Bassを最初に提唱しておきながら自分はどんどん先へ行っちゃうスタイル大好きよ... リードトラック「Imaginary Express」は王道Future Bassという感じだったんですけど、最後に余韻を残すためにやったのが「踏切の音をサンプリングしてフェードアウトさせる」だったんですよ。声出ました。これまでも踏切の音をサンプリングした曲はあったんですけど、終わりで使うっていう手があったんですね。。。4曲目の「morph」、5曲目の「summerscape」あたりはもう完全にエレクトロニカです。さっきも言ったけどニカはなかなかに人を選びそうなんですよね...僕は好きなんですが...7曲目「ココロトラベル」はチップチューン系の黎明期Kawaii Future Bassなので聴きやすいサウンドだと思います。あとは結構本格的に実験音楽要素の強い硬派なアルバムなので、ひょっとしたら取っつきにくいかもしれない... ただ本当にやばいのが来たなって思ったのでおすすめはしていきたいところ。とりあえず表題曲だけでも聴いてみて、いいと思ったらアルバムごと聴いてみてくださいな。


Snail's House - Imaginary Express (Official MV)

 

 

今回の新譜紹介、終わり!!!!!

今回結構ボリューム多めになりました。相も変わらずインターネット多めになっちゃいましたが本当に良い曲を紹介できたんじゃないかと思います。みんなが聴くような良い曲の感想も書きたいけど、あんまり知られてないような曲の紹介もしたいし、やっぱりそこはバランスよくやっていきたいですね...

せっかくだし最近の話でもするか。ここ2ヶ月くらいで3回も高校生と間違えられて職質食らいました...いい加減にしてくれ... この間なんてレイトショーで鬼滅の映画見てきて気持ちよく夜道帰ってたところで捕まりましたもん、、何とかならないんですかね。対策教えてくれる方いたら待ってます...笑

 

あ、あとお陰様で累計アクセス数が20000に行きました!これからも皆さんの興味を引ける記事を書いてバズりたい所存ですのでよろしくお願いします!身も蓋もないね!と、いうわけで。今回もお読みいただきありがとうございました。次回もよろしくお願いします!