リーティアの隙あらば音楽語り

サブカル系音楽を中心に自分が気に入ったものを布教するだけのブログです

J-POP、やたら「青」を歌いたがる説を考察してみた

......6月になりましたね。

最近の生活ですか?一周回ってコロ助って何だっけ?という感じになってきました。

引きこもりの人権が認められている!!!!引きこもり最高!!!!

 

6月といえば、梅雨の季節になりますね。雨の日続きで日も差さなくて何となく気分もブルーになってくるようなそんな時期です。ブルーといえば、最近Apple Musicでコンセプトごとにプレイリストを作ってみて、そのひとつに「青」をテーマにしたプレイリストを作ってみたんですね。他に「夏」と「夜」のプレイリストも作りました。そこで一つ感じたことがあったんですけど、

 

「青」がテーマの曲、やたら多くない?

 

他の色に関して、例えば曲名に「RED」がついている曲だと僕のライブラリの中には「BLUE」の半分もない。それくらい、青がテーマの曲って圧倒的に多いんだなってことが、今回プレイリストを作るという作業をしてみてとても大きな気付きだったんですね。もしかしたら何となく気付いている人も多いのかもしれませんが...

で、今回はなぜこれほどJ-POPに「青」をテーマにした曲が多く存在しているのか、それについていろんな面から考察していきたいなーと思います。よろしくお願いしますね。

 

 

まずなんですけど、青という色が日本人の心に根ざした存在である、というのは一つ事実なんじゃないかと思いました。それは、青が自然を表す色だということと関係している気がします。有史以来、如何に自然を操作し、制御するかという点に精を出してきた西洋人に対し、自然と共存していく道をとってきたのが日本人です。そんな我々にとって空や海の色である青というのは他の色と比較してもより一層身近なものだろうし、古くは木々の緑色なんかも「青い」と表現してきました。日本語でも、色を表す単語はものすごく細かく分けられている中で、青を示す単語はとりわけ多いような気がしました。水色、空色、藍、瑠璃、群青... 日本人にとって青とは自然そのものなんじゃないかなと、まず思いました。例えばとして、「青空」という単語が題名に入っている曲でもライブラリの中にかなりの数ありました。あとは「群青」。これがタイトルに入っている曲も僕が知りうるだけでもかなりあります。これに関しては僕のフォロワーの方が丸々1記事使って特集してくださっているのでぜひ読んでいただければ。。。

saka-10saka.hatenablog.com

次に、形容詞としての「青い」っていう言葉の持つ二面性です。まず感情を表す「ブルー」といえば憂鬱、悲しみと言った意味になります。でも青のイメージってそれだけか?って思ったんですよ。他にもあるじゃないですか。「青春」「青臭い」「青二才」なんていう単語が示すように、青いという言葉には若々しさ、エネルギッシュなニュアンスも存在しているんです。そう考えると何か青いって言葉、神秘的じゃないですか?

憂鬱と青春、歌にするにはうってつけの題材ですよね。そこに色としての「青」を重ね合わせることによってより詩的、耽美的な表現になる。だからこそ、歌で歌われる色は圧倒的に青が多いんじゃないかな、と感じる次第でした。

 

さて、そんな「青」がどのように歌の中の表現材料として使われているのか、僕のイチオシの曲を何曲か紹介しますね。。。

 

WILD BLUE / PENGUIN RESEARCH (2018年)

作詞・作曲:堀江晶太 編曲:堀江晶太PENGUIN RESEARCH

WILD BLUE

WILD BLUE

  • provided courtesy of iTunes

 この曲は僕が知りうる中でも青春のエネルギッシュなものとしての「青」が強調された一曲だと思います。その中でも秀逸だと思った一節が、

見上げれば「進め」を告げる 限りない青 青 青

進めを告げるものといえばそう、青信号ですよね。って答えたら免許試験×されるから気をつけろよ  この表現は個人的にとてもすごいと思いましたね。青春の青でもあり、進めの青でもある、まさに曲名の通りのWILDな青。音楽的なことに関しては、もう今更堀江晶太氏の作曲力とこのバンドの演奏力の高さについて解説することはないでしょうが、この曲の特筆すべきメロディの魅力はサビの同主転調ですね。過去を振り返る歌詞のAメロ・BメロがFマイナーであるのに対し、未来へ走り出すサビでFメジャーに持っていく。ここの解放感にこの歌の魅力のかなりが詰まっていると思います。そしてこの後に「少年の僕へ」とかいう泣きメロ入れてくるんだからほんとずるい。ずるいよこのバンド。

 

心が、青い。 / 鈴木みのり (2018年)

作詞・作曲:堂島孝平 編曲:河野伸

心が、青い。

心が、青い。

  • provided courtesy of iTunes

 この曲はさっきのWILD BLUEとは対照的に、ひたすら憂鬱の青に焦点が当てられた曲ですね。あるがままの自分を受け入れることができず、変わろうとした結果、多くのものを犠牲にしてしまったことを嘆く歌です。はっきり言って歌詞だけ見てしまえば滅茶苦茶陰惨な曲です。「見る前に飛べ!」なんてタイトルのアルバムの最後を飾る曲がこんなんでいいのかと思うレベルには。ただ歌詞にそこまで着目しなければそんな暗い曲だと意識しないというか、歌詞に意識が行った時の衝撃がこの曲はすごい。この曲の調のEメジャーは明るい部類だと個人的には思うのと、あとは華々しいストリングスが鳴っている(演奏は弦一徹先生)という点で、最初聴いたときはまさかそんな暗い曲だとは思わなかったです。それがいいのか悪いのかは個人の感じ方次第だと思いますが... WILD BLUEと比較すると、ここまで大きな振り幅が存在する「青」の凄さをより感じてもらえるんじゃないかなと思います。

 

群青のムジカ / そらる (2019年)

作詞:そらる 作曲・編曲:じん(自然の敵P)

群青のムジカ

群青のムジカ

  • そらる
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 そらるさんに関しても空が名前の由来であるからか青がテーマの曲がいくつか存在していますが、今回はその中でもじん(自然の敵P)さん書きおろしのこちらを紹介しようかと思います。「ムジカ」というのはスペイン語でMusica、音楽という意味で和訳すれば「群青の歌」、そのままです。ここでの青はまず空の色、そして涙の意味も込められています。そしてやっぱり、ここでも前へ進む意思が曲中に表れているんですね。失敗続きの毎日の中でも、いつか希望を持てる日が来るように、この曲で歌われているのはそんな「前に進む意思」です。今回考察をしてみて、進む意思を示す「青」というのはこれまで考えたことがなくて、なるほどなと思わされた部分でした。そして爽快なバンドサウンド、特にバッキングが曲の雰囲気と合っていてとてもいいなと思います。バッキングの音がいいバンドは大体いい説(?) サビの入りがヨルシカの言って。にかなり似ているという話は置いといて...

 

 

Pray for Blue / CYNHN (2019年)

作詞・作曲・編曲:fu_mou

Pray for Blue

Pray for Blue

  • CYNHN
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 CYNHN(スウィーニー)は以前にクリエイターの渡辺翔さんがメインソングライターを務めるアイドルユニットとして紹介させてもらったんですが、この曲の作曲はfu_mouさん(主な作品にTell Your World(open the scen remix), H-A-J-I-M-A-R-I-U-T-A-!! など)が担当されています。ちなみにfu_mouさんはkzさんやagehaspringsの飛内将大氏の同期、洗足音大音響デザイン学科の出身の方です。

CYNHNはロシア語で「青」を意味する言葉であり、アーティスト活動の基軸として青を据えているわけですが、これはそれがとりわけ強く出ている1曲です。

まず、夜の終わりという点から、まずこの曲が歌っているのはブルーアワーのことでしょう。そんなブルーアワーの群青に、自分自身の中の憂鬱と未来に踏み出す意思を重ね合わせている、まさに最初に紹介した「青」の表現の全てがこの1曲に詰まっていると言えると思います。その究極の一節がDメロの

闇に差し込んだ光が見せた色は青

というところ。視覚的には日の出の直前の暗い青の情景をはっきりと思い浮かべることができるし、感情的には先の見えない真っ暗な中に、一筋の光が差す様を連想できる。

編曲面も、Future Bass的なアプローチを織り交ぜつつも、生楽器のアンサンブル感を大事にしたアレンジはとても素晴らしいと思いました。決して派手なサウンドではないけど、確かな重厚感と奥行きが感じられる仕上がりに感じます。そしてそんな曲の魅力を確かにしているのが、このユニットのアイドル離れした高い歌唱力です。メンバーそれぞれが芯のある歌声の持ち主であり、それぞれが互いの旋律を大事にしながら美しいハーモニーを形にしているのは並のアイドルでは為しえない実力の高さゆえだと思います。

 

 

J-POPとか書いときながら紹介するのはひたすらオタクソングという逆張りぶり、、、あ、このブログなんて元からそんなノリか、、、

何だかんだ今回はなかなか面白いネタなんじゃないかと思ってるんですけどこれが伸びなかったらもう知らん!w なのでこれ読んで面白かったらぜひURLをツイートしてくださいどうかどうかよろしくお願いします←プライドの欠片もないなこいつ

最近のブログの悩みなんですけど、導入はかなり軽いノリで入ってるのにいざ本文となるとどうしてもクソ真面目な文体になってしまうことです。結局どっちに振ればいいの?有識者いたら教えてください()

今回の記事、個人的には今までかなり苦手だった歌詞考察がだいぶ出来た点ではすごくやりがいがありました。今回結構言及した「前に進む」という青の意味合いは他の青をモチーフにした曲でも結構な割合で登場していて、確かに青信号の青と考えればそういう表現は何ら不思議ではないんですけど、本当に面白かったです。もしよければ皆さんが知ってる「青」の曲に関してもいろいろ聴き比べをしてみるといろいろ発見があるんじゃないかな~などと思った次第でした。

 

あと重要なことが一つあったんですけど、文字数多すぎですかね?もう少し減らした方が読みやすかったりするのかな...はたまた情報は多ければ多いほどいいのか...悩みは尽きないですね。また考えます。それでは今回はこの辺で。あ、あと最後に僕が作ったApple Musicのプレイリスト貼っときます。よしなに...

 

 

LISTEN TO BLUE...