リーティアの隙あらば音楽語り

サブカル系音楽を中心に自分が気に入ったものを布教するだけのブログです

今月出会った良いアーティストまとめ(May, 2020)

2020年始まってもう5ヶ月経つの狂う――――――――

ついに東京も緊急事態宣言が解除されてしまいましたね。まぁ僕の人生は永久に緊急事態なんですが......

今回の記事に入る前にまた報告というかマウンティングをしようかな... 前回書いたFLEETについての記事なんですが、なんと佐藤純一さんご本人に読まれてしまい、、、

 引用ツイートでお返事を頂いてしまいました。やばない?プロの作曲家ご本人に反応いただくのはこれで2回目なんですがさすがにこれは自慢させてくれ、、、ということで前回のFLEETの記事めちゃくちゃ頑張って書きましたのでまだ読んでないよって方いらしたらぜひ読んでくださいね、そしてぜひFLEETの音源を聴いてください(こっち重要)

 

そんなこんなで一時期だだ下がりだったブログのモチベーションが最近復活気味です。

と、そんな感じで、まあ今回の記事は月末恒例の今月よかった曲まとめですね。フォロワーさんも次々に投稿し出しているので時流に乗り遅れないうちにまとめ上げていきますよっと。じゃあ早速お題に入っていきますね。

 

 

 

*Luna

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*Lunaさんは2012年より活動を開始したボカロPで、バンドサウンドとEDMの両方をこなせるマルチな作風の持ち主です。←こいつ毎回この宣伝文句使ってない...?語彙力ないの?その中でも今回特に紹介したいのが彼が歌い手のゆあるさんを招いて昨年5月に発表したアルバムラズライトの夢」です。このアルバムを聴いて真っ先に感じたものは他でもない「真っ直ぐな青春」でした。曲やアレンジ自体はオルタナティブ、ポストロック由来のバンドの音とFuture Bass的要素を感じるシンセサイザーでとても洗練されたアレンジとインターネット音楽の土壌が培った爽やかなメロディ、それでもそんなもの以上に感じるこの泥臭さは何だろう?という感覚がしました。

このアルバムの軸となっているのは1曲目、アルバム名にもなっている「ラズライト」と9曲目の「アトラクトライト」で、さらにその2曲に共通する歌詞、

「青く光る 一瞬の煌めきを」

この言葉こそがこのアルバムのコンセプトであり、心臓なんじゃないかと思いました。

青春礼賛みたいな明るい印象というよりかは、むしろ人生を深い闇に例え、その中をひたすらもがく人間の姿、そしてその闇が深いからこそ、一瞬の輝きはより美しく見える。そんな懸命さを、この1枚のアルバムを通して表現したかったんじゃないか、そう思います。そしてさらにその情景を引き立てているものは、紛れもないゆあるさんの歌声だと思います。どこか中性的でエッジの効いたハイトーンが、1曲1曲が内に秘めた熱情を解き放つような、そんな雰囲気を感じます。

もう既に大人になってしまった人達からしたらその輝きはあまりに眩しすぎるものなのかもしれないですけど、何でしょうね、僕はまだ心のどこかでそんな輝きを欲しているってことなのかもしれません。


ラズライト (Lazurite) / *Luna feat.ゆある【New Album「COLOR*FULL2」2019.8.10】


アトラクトライト (Attract Light) / *Luna feat.ゆある

 

*Lunaさんの魅力はこうしたロックだけでなく、Kawaii Future Bassの方面でもすごいサウンド構築力を感じることができます。2017年に発表した「Heal Me」という曲なんですが、この時期というとちょうどSnail's HouseさんやYunomiさんといった界隈のクリエイターがSoundCloudなどを中心に頭角を現し始めた時期だと思うんですけど、こうした界隈のエッセンスをうまく吸収しつつ、それを見事にボーカロイドの文化に落とし込んだことによって生まれた名作じゃないかと思いました。Kawaii Future Bassの代名詞とも言うべき下降クリシェなんかも上手く使われていて、それまでのボカロと一線を画すものになっているんじゃないですかね。


Heal Me/ *Luna feat.Macne Nana 【Kawaii Future Bass】【New Album『ラズライトの夢』2019.4.27Release】

 

また、その文脈の延長線としてもう1曲紹介したいのが、ホロライブ所属のVtuber星街すいせいさんに提供した「comet」という曲です。おそらくKawaii Future Bassにカテゴライズすることのできる歌だと思うんですが、Vtuberとクラブミュージックの親和性を狙ったというよりかは、どちらかというとクラブ的要素は控え目なエレクトロサウンドが欲しかったんじゃないかなっていうことで、*Lunaさんの手腕がすごく光っている曲だなと思いました。星街すいせいちゃんは今その高い実力によって急速に知名度を高めているライバーの一人だと思うのでぜひチェックしてほしいところです。


comet / 星街すいせい

 

 

花鋏キョウ

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次に紹介したいのはRe:ACT(リアクト)に所属するVtuber・花鋏キョウさんです。まずこのRe:ACTっていう事務所についてなんですけど、今にじさんじ、ホロライブに続いて勢力をつけつつある所で、事務所として出した最初のコンピも聴いてるんですけど、個々のパフォーマンス能力もかなり高いなって思ったのと、あと提供陣もなかなかの豪華さで、烏屋茶房さんや山本真央樹さん、Neko Hackerなどバラエティ豊富でそれぞれの持ち味出まくりで良かったです。

で、そんなRe:ACTを音楽方面でリードしているのが彼女ともう一人、獅子神レオナさんですね。獅子神レオナさんがアニソン基調のロックナンバーでTimeFiles Inc.(磯谷佳江さん・小野貴光さん・玉木千尋さん)などを迎えているのに対して、彼女の音楽性はダンスタブルなサウンド、言うなればK-POPなどにルーツが見受けられるような音楽をやっています。さっきちらっとVとクラブミュージックの親和性の話をしましたけど、クラブ寄りの音楽をやるVって圧倒的に同人系が多いんですよ。企業系だと商業作曲家を呼んで正統派のポップスをやる勢力の方が多い印象があるので、彼女のように企業系でありながらエレクトロハウスに寄せてくるライバーは貴重な存在なんじゃないかと思います。で、そんな楽曲達をメインでプロデュースしているのがこちらもボカロP出身の作曲家・ポリスピカデリーさん。最初のオリジナル曲が「蒼に躊躇う」という曲なんですが、EDM系でありながらギターの音作りがとても光っていて、彼女の鋭利な歌声を引き立てているなと感じますね。


蒼に躊躇う - 花鋏キョウ【MV】

それと、個人的な憶測に過ぎないんですけど、Vtuberって現代に蘇った女性ソロアイドルのひとつの姿なんじゃないかと思うところがあります。聞いた話なんですけど、日本においては最後の女性ソロアイドルとされているのって松浦亜弥さんらしいんですよ。それ以来ソロで存在感を放つ存在は意外にも表れていないそうで。でもVtuberって、少なくともあの狭い界隈の中ではソロで存在感を放つアイドル的存在がいる。にじさんじ月ノ美兎ちゃんだったり、先述した星街すいせいちゃんだったり、バーチャルの利点を生かした先鋭的な創作活動をどんどんやって異彩を放つ存在になりつつあるアイドル的な配信者が現れていて、この花鋏キョウちゃんもその例に漏れないんじゃないかなっていう期待を持ってます。全然楽曲のレビューしてないって?ごめんね、その、あくまで今回はアーティスト紹介がメインなので......


花鋏キョウ - paradøx【MV】


Behavior - 花鋏キョウ【MV】

 

 

DUSTCELL

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お次に紹介するのはカンザキイオリ、花譜などが在籍する神椿レコードから昨年10月に活動を開始した2人組ユニットDUSTCELLです。ボカロPのMisumiさんとボーカルのEMAさんからなるユニットなんですが、このEMAさんはかつてにじさんじに所属していた久遠千歳というVtuberだったそうで、昨年8月に引退されているそうです。Vのオタクになってからまだ日が浅くてその辺についての知識が薄いもので...

そういう点から行くとボカロとVの音楽、両面的な音楽アプローチができる、これは他のネット音楽アーティストにはない大きな強みとしていけると思います。今のネット音楽シーンを席巻する存在であるずっと真夜中でいいのに。だったりYOASOBIだったりがジャズをポップに落とし込む曲風で人気を博しているのに比べるとこちらはHIPHOPの要素が強いですね。ただその両方に共通するのはリズミカルで歯切れのいいメロディ・展開を持ち味としていることかなと思います。代表曲である「CULT」という曲は韻踏みまくりの歌詞と詰め込み型の譜割というのはまさしくボカロ由来のものであって多くのネット音楽に共通するものなんですが、サウンド作りは洋楽やK-POPシーン、トラックメイキングと言った方が良い感じで、他の今YouTubeを席巻しているアーティストのほとんどがバンドサウンドであるのとは対照的な気がします。


DUSTCELL - CULT

ボーカルもなかなかに特徴的だなと感じる要素のひとつです。透明感のある妖艶な歌声、言うなら小悪魔的っていう形容の仕方が似合いそうです。実力という点でいえば他に現在進行形で音楽活動をやっているVtuberと比較しても群を抜いていると思います。かといってVtuberとしての活動経験であったりVの音楽シーンを肌で感じてきた経験というのも少なからず活かされているでしょうね。そんなボーカルの魅力を最大限感じられた曲が「Heaven and Hell」という曲です。美しく歌いあげられるサビとその後に来るラップパートのコントラストはもはや人格憑依じみたものを感じます。怒涛のレイヴホーンが曲の治安をかき乱しているという要素もあるのかもしれませんが、一気に闇堕ちしていくような様をボーカルで見事に表現しきっている。


DUSTCELL - Heaven and Hell

さて、そんなDUSTCELLなんですが、つい先週の5月20日、1stフルアルバム「SUMMIT」を発売しました。最初に紹介したようなHIPHOP系の曲ばかりではなく、オルタナティブロックに近いサウンドを響かせる新曲「アネモネ」、一人の人間の半生を綴り、死に対峙するバラード「終点」など、芸術性の高い音楽と人生哲学をリスナーに突きつける全12曲。ぜひ聴いてみませんか。

 

 

ここからは余談

 

実は僕、中学生くらいまで文章を書くのが死ぬほど嫌いだったんですよ。嫌いだったし苦手だったんですよね。小学生の頃は日記なんて大体5行しか書いてなかったし、中学の頃なんて1年の半分も日記出してなかったんですよ。そういうレベル。で、そんなから何があったの?って思うんですけど、文章を書くのが好きになったきっかけの一つは意外にもTwitterだったんですよ。140字で自分の考えを吐き出す作業は今の僕がこうやってブログを綴ってる上で間違いなく土台になってます。というか、それまでの自分は身の回りとか人生についていろいろ考えるってことをしてなかった。日記に書けることが客観的事実しかなくて、圧倒的ネタ不足だったなっていうのを実感しちゃったんですよね。ネタないのにいざ文章書けって言われてもそりゃ書けないし書きたくなくなるよなって話ですね。で、今こうやって音楽について自分が思ったことを書いてるんですけど、音楽を聴くっていうのもいろいろ考えながらやるとめちゃくちゃ難しいんだなってことが分かったり。他にも曲紹介ブログやってるフォロワーさんもいっぱいいる中で、皆さんすごくいい文章を書かれるんですよ。自分では割と知識を持っていてしっかり音楽オタクやってたつもりが実はそんなことなかったみたいな、そんなことの繰り返しですね。

今回の文章も自分では頑張ったつもりなんですけど、結局のところそれがどのくらい的を射ているのか、ちゃんと中身が伴ったものになってるのか、自分では全然わかんないんです。どちらかというと自分の主観をアウトプットしている感じなので。多分この先もそういうスタンスでやっていきます。あくまで「紹介」であって「解説」ではないかなと自分では思っているので、納得してもらうというよりかは少しでも興味を惹かれる人が増えてくれればいいかなって思いです。なので温かい目で読んでやってくださいね。笑

 

 

ただでさえ文字数多いのに大量に埋め込みをやった結果死ぬほどスクロールが大変な記事になってしまいました。ここまで読んでくださった皆さんすいません、そしてありがとうございます...... 多分これからもこんな感じですどんどん埋め込みやってスペース稼ぐのでご容赦ください。。。