リーティアの隙あらば音楽語り

サブカル系音楽を中心に自分が気に入ったものを布教するだけのブログです

2020年上半期のすごい曲を振り返る vol.2

ご無沙汰してます。。今回前書き必要...なのか?

何か書くこともないし、早速10選後半戦、差し掛かって行こうかな~。

前回のやつ読んでないよ~という方のためにURL貼っておきます、何卒よろしくお願いします。。。

 

letia-musiclover.hatenablog.com

 前回は割と被らないように...っていうつもりだったんですけど、アンチグラビティ・ガールとNEXT COLOR PLANETは大鉄板だったっぽくて、、、まぁしょうがないね。あの2曲は今年のV楽曲の特大アンセムだったので。いい曲は何回被ってもいい

そんなわけで後半は結構ニッチな曲で勝負しようかなーってことで、こんないい曲あったんだ!って思わせられるような選曲とレビューを目指していきますよ。退屈にならないように頑張って書きます...。

 

 

6. mist - 早見沙織

作詞:早見沙織 作曲・編曲:横山克 3月25日リリース「シスターシティーズ」収録


早見沙織「mist」Creator's MV

 

オタクとしてはやっぱり声優楽曲は外せないということで、僕がアーティストとして一番推している早見沙織のアルバム「シスターシティーズ」から、四月は君の嘘鉄血のオルフェンズなどの劇伴を手掛けている横山克さんの書き下ろし楽曲を紹介しますね。早見さんは今まではスマイルカンパニーの作編曲家が手掛けていることが多かったんですけど、このミニアルバムは他にKIRINJIの堀込泰行さんやユニゾンの田淵氏などバラエティ豊富な作曲陣を招いた意欲作ですね。で、その中から何でこの曲を選んだかと言えば、はっきり言っちゃいます。趣味です。単純に僕がエレクトロサウンドが好きだからってだけですね。エレクトロと言えば今年に入ってインターネットの電子音楽を大量に聴いてきましたけど、それらとは全くの別ベクトル。最小限の音数、コードの動きで、環境に溶け込んでくるような音楽を目指した作品、っていう感じの印象を受けました。空間を漂う粒子を想起させるようなシンセサイザーの音と、その隙間を敷き詰めるように奏でられるストリングスの音。それが早見さんの美しいロングトーンと合わさって心地いい、アンビエントのようなサウンドを生んでいる、という感じです。1番のAメロで入っているせせらぎの音が2Aでは入ってないだとか、僅かな部分までこだわり抜かれていて、とても手の込んだ展開をしていると思います。決して派手に見せるタイプの曲ではない、それでいて存在感を持つ傑作だなと感じました。

あっ、気になったらこの曲に限らずぜひ他の曲も聴いてみてほしいですね。ユニゾン田淵氏の作曲した「PLACE」なんかはユニゾンや他のアーティストへの提供では絶対に見せないような、早見さんだからこそのアプローチを仕掛けていて、プロデューサーとしての彼の実力の高さを見て取れると思います。ぜひに...

 

7. Again (feat. Rachie) - Kirara Magic

作詞・作曲・編曲:Kirara Magic 3月25日デジタルリリース


Kirara Magic - Again (feat. Rachie)

 

絶対被らないだろ枠その1。知ってる人相当コアだと思いますこれ...

Kirara Magic、どこかで紹介する機会を設けたいなーと思いつつも今日まで紹介できずじまいになってしまっていました。SoundCloudを中心に楽曲投稿をしているクリエイターなんですけど、とにかく最高にKawaiiなFuture Bassを作られる方で。ある種一つの到達点みたく感じる部分もあるのでぜひ聴いてほしいところです。というところで今回紹介する「Again」っていう曲なんですけど、イントロのビブラフォン(なのか?)の音からしてもう楽しくなってくるような、絶対これ好きだなって思っちゃいました。歌詞が全て英語でメロディも洋楽っぽく聴こえるんですけど、コード進行がJ-POP的な所がすごく良いなって思いました。全体的なアレンジもそこまでクラブミュージックに寄せずにポップとEDMの間で絶妙なバランスを保っているのも、Kawaiiの要素を引き立てる一因のように感じますね。ボーカルのRachie(れいち)さんは他にも近いところだとiMeidenというアーティストの曲にもボーカルで参加したりしていて、可愛くも少しハスキーがかった歌声が個人的にすごく好きです。調べてみたところインドネシア出身の方らしいです。

ちなみに他の曲だとバチバチのクラブサウンドも作っていて、EDM系のサウンドレーベルMEGAREXのコンピレーションにも参加していたりとなかなかに幅広い作風を操る方です。こちらもよければぜひといった感じです。

 

8. エフェメラ - *Luna feat. ゆある

作詞・作曲・編曲:*Luna リリース未定(4月24日MV公開)


エフェメラ (Ephemera) / *Luna feat.ゆある

 

先月末のブログで紹介させていただいた*Lunaさんが今年中にリリースする予定のアルバム「惑星のエフェメラ」の表題曲になる曲です。

全く違うフレーズが合わさって1つの曲を形成している、ポップスの中では異例中の異例と言っていい構成だと思います。1番・2番、またサビといった概念がこの曲には存在せず、A~Eメロの全5つのフレーズから出来ています。「惑星のエフェメラ」は未来を舞台にしたストーリ仕立てのコンセプトアルバムで、この曲はその序章という設定のようです。導入は*Lunaさんお得意のKawaii Future Bassのようなサウンドが響きます。いつもと変わらない何気ない朝。このアルバムの物語は主人公の少年が図書館に行き、一冊の本に出会うところから始まります。それが次のBメロですね。イントロからは一転、ストリングスが響き渡るワルツのメロディに。転調を繰り返しながら盛り上がりを見せ、壮大な物語の始まりを予感させます。そして次のCメロへ。スウィングするメロディと共に始まるストーリーテリング。世界を正すために戦った、孤独な戦士の物語。それが少年の心を動かします。そして曲は最大の盛り上がりを見せるD・Eメロへと繋がり、最後もう一度Aメロのメロディを繰り返し、少年の物語がスタートしていきます。

未来を舞台にしているという点でFuture Bassを基軸としながら、多彩な展開を加え芸術性を追求しているというのは、一般的なクラブミュージックとは完全に一線を画していると言っていい気がします。加えて全てのフレーズにおいて変わり目で転調しており、いくつもの表情を一曲の中で見せてくれている点もものすごく評価できます。インターネットの音楽という前衛的なフィールドにおいても、ここまで大胆に攻めた曲というのはほとんどない気がするのでぜひ聴いてほしいということで、今回10選に入れました。惑星のエフェメラ、その全貌が楽しみです。

 

9. city hop - Marpril

作詞・作曲・編曲:エハラミオリ 5月18日リリース「city hop」収録


Marpril - city hop [Official Music Video]

 

楽曲クオリティ・映像クオリティ両面でそのレベルの高さを見せつけ、今なお進化し続けるバーチャルユニットMarpril(マープリル)がデビュー1周年を機にリリースした1stアルバム「city hop」からその名を冠したリードトラックです。作曲は総合プロデュースを手掛けるエハラミオリ

明るい一面とダークでミステリアスな一面、1曲で2度美味しい曲です。PSYQUI作曲の「Girly Cupid」なんかもキュートな曲にバチバチのドロップをかましてくる曲でしたが、これもその例に漏れません。明るい部分はダンスタブルというよりはドラムンベースで疾走感を際立たせ、クールビューティーなイメージを強調させている感じですね。そしてAメロBメロからこのドロップは想像がつかなかった。やられたなって感じ。今回はあえて映像の方にも言及したいんですけど、もはや生身と遜色ないレベルのキレキレのダンスには目を奪われましたね。3Dモーションの技術ってここまで来てるのかと。カメラワークもすごい。相当手が込んでます。ちなみに横断歩道の向こうに描かれているのはSheep in the light(デビュー曲)のMVの街並みです。この辺すごく文脈が感じられてていいですね。

この曲を聴いて感じたのが、Marprilに限らず、VTuberという界隈そのものの驚くほどの成長速度の速さですね。デビューからわずか1年でこれだけレベルの高い音楽・表現に挑戦してるのって、冷静に考えたらとんでもないことじゃないですか?このコンテンツそのものも誕生してから3年で多くの支持を集めるに至っていて、これからもっと成長の可能性を秘めていると思います。めちゃくちゃすごい、でもまだ上に行ける。純粋な感想としてこの曲を聴いてそう思いました。

 

10. シー・チェンジ - 長谷川白紙

作詞・作曲・編曲:長谷川白紙 5月29日リリース「夢の骨が襲いかかる!」収録


長谷川白紙 - シー・チェンジ (HAKUSHI HASEGAWA - Sea Change) [Official Audio]

 

今回は唯一のオタクソング以外からの選曲かな?いや、これもニッチっていう意味ではオタクソングなのか...?

長谷川白紙、先月のSecret Sky Festivalでのライブを見てから衝撃を受けて聴き始めたんですけど、本当にすごすぎてすごい以外の言葉が見つからない。独特のコード感であったり、現代音楽的な音の組み立て方であったり、自分のリテラシーでは理解が追いつかない、まるで天上の存在のような、そんな印象を受けました。同い年とか信じたくない...

そんな彼が先月末に発売した新譜「夢の骨が襲いかかる!」は全7曲中6曲がカバーなんですが、これはその1曲のオリジナル曲です。凄すぎた(n回目) 何でピアノ1台でこんな厚みのある音楽作れんだ。。。彼の音楽には地に足がついていないような、いい意味での不安定感があるのですが、今回もそれは健在でした。全く想像できないような小転調があったり、とにかく何でそのメロディにそのコードがつくんだよみたいなのの連続。編曲の技巧的な面もさることながら、彼のウィスパーボイスが感情に訴えかけてくるものがあります。心の内側で何かを叫んでいるような、そんな儚さを持った歌声。揺蕩う感じ、ともとれるんですけど、最初に紹介した早見さんのそれとは違って、どこにも行けずに1つの場所を漂っているようなイメージを、この曲に抱きました。

他の6曲は全てカバーなんですが、どの曲も原曲とは全く違う長谷川白紙の世界に塗り替えられていて、全く別物のような印象を受けます。特にすごかったのが最後のホール・ニュー・ワールドのカバーですね。あれは僕らの知ってるアラジンの曲ではないです。エレピ1台と天才的なリハモで全く違う世界を持つ曲に完全に生まれ変わってます。正直こんなにカバーで衝撃を受けたのは未だかつてなかったかもしれないと思うくらい、ヤバいと思ってしまった。そちらもよければ、いやぜひ聴いてください。

 

 

いやー、語った語った。そのうちどれくらいが本質情報なのかわかりませんが...

 

個人的にかなりフォロワーさんが聴いてなさそうなニッチな選曲したつもりなので反響あったら嬉しいなって感じですね。布教はブログのやりがいなので...

個人的にこういう10選とか、そういうベストを選ぶ時の基準には「そのフィールドにおける斬新さ」を置いてたりします。VTuberソングでファンクを取り入れたNEXT COLOR PLANETを選んでみたり、声優ソングの中ではアニソン的要素が薄めの早見沙織さんの曲を選んでみたりっていうのはそういうことだったりします。あれ、これってもしかしてただの逆張りオタク?そんな気がしてきたね。

 

さて、これにて僕の10選は出そろいました。正直めちゃくちゃ苦労しました。いい曲多すぎてその中から10に絞るとかもったいねーーーって感じでした。あとはゆっくりフォロワーさんの選ぶ曲を眺めることにしようかな... 気づいた方いるかもしれませんが今回色文字全く使ってません。どうでもいいか。ではでは。今回もお付き合いありがとうございました~~~