リーティアの隙あらば音楽語り

サブカル系音楽を中心に自分が気に入ったものを布教するだけのブログです

新譜感想まとめ ~2020年2月編~

【悲報】2020年、2ヵ月が終了。

 

この間今年の10曲とかやったばっかりじゃないの...!!!なんでこんなに時が進むのは早いんじゃ?

今月のブログは色々なことがありましたね。記事が伸びたり記事が伸びたり記事が伸びたり....... そんなこんなで肝心の新譜宣伝が今月はあんまりできてなかったんですよね。というわけで、今から今月出た新曲についてダラダラと感想を述べていこうかなって感じで。久々に何も考えない記事を書くよ。お付き合いよろしくお願いします。

 

 

ココロソマリ / 水瀬いのり

M1「ココロソマリ」 作詞:水瀬いのり 作曲:櫻澤ヒカル 編曲:白戸佑輔

M2「僕らは今」 作詞・作曲・編曲:藤永龍太郎

M3「Well Wishing Word」 作詞・作曲・編曲:柳舘周平 2/5発売


水瀬いのり『ココロソマリ』全曲試聴動画

1曲目は「ソマリと森の神様」のエンディングテーマです。編曲が僕の敬愛してやまないクリエイターの白戸佑輔さんということで非常に期待値が大でした。白戸さんは水瀬いのり楽曲だとLucky Clover、アイマイモコ、ハートノイロ、ピュアフレーム、Kitty Cat Adventureの5曲に参加されていて、いずれの楽曲でも高いアレンジセンスが存分に発揮されているわけなんですけど、今回の曲もとても美しい仕上がりです。個人的に注目したいポイントはBメロの5、6小節目のC#m7-5→D/C→Bm7→Gmの半音下降ですね。Gメジャーのメロディの中にひとつGマイナーを挟むことによってより切なさが増すようになっているのはまさに白戸さんならではのセンスだと感じました。またこの曲はサビでAメジャーに転調しますが、これはほんとに個人的な印象論なんですけどGメジャーは爽やかさの中に少しもどかしいような感情があって、それに比べるとAメジャーはすごく明るい輝きを感じるんですよね。よくある短3度ではなく長2度の転調にしたのはすごく意味のあることなんじゃないかと思いましたね。

2曲目「僕らは今」はエレガ藤永さん制作の6分半にも及ぶ2部構成のロックナンバーですね。藤永さんは「星屑のコントレイル」を筆頭にリズミカルながらも芯のあるロックチューンで彼女の楽曲における貢献は計り知れないですけど、中でもこの曲はまさに集大成と呼ぶに相応しい大作です。この曲はぜひともドラムに着目して聴いてほしいなって思いますね。6分半という長さの中で多彩なリズムパターンを駆使して飽きさせない展開を作っていると思います。サビのブレイク(通称跳びポ)もすごく気持ちよくはまっていて癖になります。

3曲目「Well Wishing Word」は前向きな気持ちでお別れを歌う軽快なナンバーなんですけど、あろうことかこれが山内"masshoi"優さんが参加した最後の楽曲となってしまいました。CDのブックレットには彼への感謝の言葉が添えられています。その他の演奏メンバーもPf岸田勇気氏、Gt奈良悠樹氏など超豪華で、アドリブの高速パッセージだったり、大サビ前のヤバいドラムフィルだったり、もう聴いてて楽しいところしかないです。コード進行もバリエーション豊富でオタク大好きなやつだし。どうかmasshoiさんの魂をこの曲で感じてください。

 

 

Smile / Eve

全作詞・作曲:Eve 編曲:Numa (M8:TAKU INOUEと共同) 2/12発売

ネット発シンガーソングライター・Eveのメジャー2枚目のアルバムになります。今回のアルバムは今までのポップ中心の音楽性を一新し、エレクトロサウンドを取り入れつつダークなナンバーを多く提示することで新しい音楽性を模索しており、なかなかに画期的な作品だと感じましたね。M2「LEO」はHIPHOPを基調とするビートにストリングスを乗せつつ、ボーカルエフェクトをゴリゴリに掛けた曲で、これをアルバムの頭に持ってくるというのは相当攻めてます。サビの歌詞で「生まれよう 応答してくれよ」と「LEO」に対して韻を踏んでいるというのもなかなかに面白いです。

全体としてダーク、とは言ったものの、このアルバムで異彩を放ちつつ軸になっているのがM8「心予報」なことは間違いないですね。この曲はなんとアレンジに「Radio Happy」「ミラーボール・ラブ」など多くの名曲を生み出してきたイノタクことTAKU INOUEが編曲に参加しています。随所に散りばめられているきらびやかなシンセサイザーは先述したアイマス楽曲ではすっかりお馴染みですけど、Eveの歌声ともこれが予想以上にはまってるんですよね。完全にイノタクさんの掌の上で踊らされるオタクです。

そしてアルバムの実質的な締めとなっているのがM11「Mellow」なんですが、これまでの「お気に召すまま」や「君に世界」のような綺麗に終わらせるものではなく、夢と現実の狭間を揺蕩うような不思議な感触を持つエレクトロニカになっていますね。ナンセンス文学やドラマツルギーのイメージからすればかなり驚かされる1枚だと思います。Eveこういう表現もできるの!?ってさせるアルバムです。ぜひに。

 

 

 

Ordinary Songs 5 / Snail's House

全作曲・編曲:Snail's House 2/23発売

Kawaii Future Bassのパイオニア、Snail's Houseの出しているEP「Ordinary Songs」シリーズ第5弾です。ちなみにこの2/23は彼の誕生日。おめでとうございます!ちなみに今年の誕生日で23歳になられました。エグすぎん?????

普通Future Bassって言えばビート、リズム中心の音楽って考えになってしまいがちなんですけど、彼の音楽はコード進行がめちゃくちゃカラフルで、メロディアスなのが大きな魅力ですね。動画を貼り付けた「Jack in the Box」はベースのメロディを最初に提示してそれを何回も変化させながら展開していくいわばクラシックの変奏曲のような形式をとっている曲なんですけど、ただただコードパターンをループさせているわけではなくてその都度細かい変化を加えながらメロディを足してるんですね。芸が細かすぎる。今の時代歌詞に頼らずにここまで多くの人を引き寄せる音楽を作る才能がある人は彼含め一握りでしょうね。M6「Hoshizora」なんかは星が降り注ぐ様子が音のエフェクトから伝わってくるようで、言葉がなくても音楽を聴くだけで情景がパッと出てくる。自分が書きたいものと世間が求めるものを絶妙なバランスで両立させている、ほんとにすごいクリエイターです。普段歌詞のある曲しか聴かない人は騙されたと思って彼の音楽を聴いてみましょう。度肝抜かれます。

 

 

星をあつめて / fhána

M1「星をあつめて」作詞:林英樹 作曲・編曲:佐藤純一

M2「Code "Genius"? (English ver.)」 原作詞:田淵智也 英訳詞:齋藤光二 作曲・編曲:佐藤純一

M3「世界を変える夢を見て」 作詞:林英樹 作曲:yuxuki waga 編曲:fhána 2/26発売

 

まず、「SHIROBAKO」という「クリエイター」という存在にスポットを当てた作品の主題歌にfhánaというクリエイターとして表に立ってきたアーティストが抜擢されたっていうことが、本当に素晴らしいなって思います。YouTubeの紹介欄でも関わった全てのスタジオミュージシャン及びスタッフがクレジットされていて、裏方の人々に敬意を忘れない姿勢を心から尊敬したいですね。

ちょっと話すことが多くなりすぎそうなので表題曲だけの話になっちゃうんですけど、バンド編成に加えストリングス、ホーンを加え、とても多幸感ある楽曲だなって印象です。Aメロがカノン進行、BメロはVIm→II7→VII♭→Iという変化球を投げつつ、サビに向けてE→Gへの転調を挟んでいきます。サビが6451進行、クリシェ、45でEに戻すという展開ですね。これまた凝った展開だなと思いつつ、一番褒めちぎりたいのが2Aです。ここでいいと思ったのがヴィオラが旋律を受け持つところです。ヴィオラって普段オケでもなかなか表に出ることの少ない楽器なんですけど、ここではそれがはっきり聴こえてくる。まさに裏方にスポットを当てるという作品意志と呼応しているなといった印象です。Dメロでは最初に紹介したココロソマリに似た半音下降が登場しますが、こちらはC#m7-5→Cm→Bm7→Gmとよりモーダル感の強い進行になっていますね。非常に細かい部分までこだわり抜かれた、まさにクリエイティブを体現した曲です。劇場で聴けるのが楽しみすぎる。

もうこれは毎度のことなんですけど、カップリングもめちゃくちゃいいです。特に「世界を変える夢を見て」はまさにfhanaのこれまでを体現するようなサウンドが詰まっているので是非聴いてほしいですね。全曲インストもつけてくれていますので楽器の音も堪能してくれたらとても嬉しいです。

 

 

 

 

このブログ、朝の5時から書き始めています......俺は何をやっているんだ?

2020年もいい曲が出まくっていて、ここで紹介しきれなかったものもいっぱいあります。みんな新しいものガンガン漁っていく精神を忘れないようにしましょうね()

3月も注目の新譜はいっぱいありますけど、個人的には何と言ってもAimer「春はゆく」が楽しみで仕方ないですね。Aimerは僕にとって、ボーカリストとしてあまりに特別な存在なので。まるまる記事ひとつ使ってシングル1枚のレビューにしようかななんて考えたりもしてます。

 

 

あとこちら。「星をあつめて」についてファンの方が書かれた10000字にも及ぶレビューです。僕が全然さらいきれなかった徹底的な歌詞考察などがなされているのでぜひ読んでほしいなと思ったので、この場をお借りして紹介させていただきます。僕もこれくらい愛のある文章が書けたらいいな、なんて思ったりもしますね...。

 

 

ブログって2600字くらいが一番読みやすいみたいなことを聞いたんですけど結局今回も4000字を超えました!お疲れ様です!次はどんな記事を書こうかな、また考えておこうと思います。ではでは!