月刊最近のよかった曲 8月号
こんにティア~~~!!!!
え?今月全然ブログ書いてない...?なんででしょうね...
梅雨が明けたと思ったら今月はクソ暑かったですね。こんなだと家から出る気すら起きません...だったら尚更書く時間あったでしょうが。
茶番は少なめにして、今月も急いで月末恒例曲紹介、やっていきますか。。。
DERO - DUSTCELL
lyrics:EMA music:EMA & Misumi 8月5日デジタルリリース
以前にも紹介したボカロP・Misumiさんとボーカリスト・EMAさんによるユニットDUSTCELLの新曲です。MisumiさんといえばHipHop、TRAP寄りのサウンドを得意としていてDUSTCELLでもそういう曲調が多いですが、今回の新曲はそれをさらに尖らせ、攻撃性の高いトラックに仕上がっています。ところで「DERO」という単語には「はみ出し者・負け犬」といった意味があります。この曲ではそんな「負け犬」の復讐劇が描かれています。ラップの歌詞はリズミカルでありつつも非常に強烈だったり、「イル、イー、サム...」という韓国語の数詞を取り込んだり、作詞でも色々な仕掛けが施されていて聴きごたえがあります。編曲もただ音の強さだけじゃなく、各フレーズごとに転調が組み込まれていてよりストーリー性というのか、心情の変化、狂暴化のようなものが感じられてきます。3分強という長さの中でかなり厚みのある仕上がりの曲なのでぜひおすすめです。
アクアステップ - 井口裕香
作詞・作曲・編曲:kz(livetune) 8月12日発売「clearly」収録
どうもkzオタクですこんにちは。この前の週に石原夏織さんに提供した「リトルシング」に引き続き2週連続のkzさんの声優楽曲リリースとなっています。この曲はkzさん曰く「水がテーマということで清涼感を意識して制作した」ということですが、それが発揮されつつも最近のkzさんらしくクラブミュージックの文脈をふんだんに組み込んだ未来志向な楽曲に仕上がっている感じがしました。全編を通して組み込まれたコロン、コロンというシンセの音は同じく「水」が大きなテーマとなっているネオンライト - TEMPLIME feat. 星宮ととのkz remixの中でも似たようなものが使われていて、彼なりの清涼感を表す音なのかなって感じがします。というか最近のkzさん、新しいトラックメイカーの良い所をどんどん自分のサウンドに取り込んでいて、歴代ボスの技を全部使うラスボス見たくなってる感じがするんですが... 電音部の「Favorite Days」でも王道サウンドの中にもUK Garageのようなアプローチが入っていたりするので、特にYUC'eさんやTEMPLIMEのことはかなり意識の中にあるんじゃないかと思います。これからもどんどんオタクソングに新しい風を吹かせていってほしい所です。
CREAM SODA - AMADEUS
作詞:Lotus Juice 作曲:AMADEUS 編曲:Jack Westwood 8月12日発売
AMADEUS - CREAM SODA (Official Music Video)
いや、恐れながら初めて知りました... あの武内駿輔さんがラッパーのLotus Juiceさんとユニットを組んで、しかも自らトラックを制作していると来ている... 2年近く活動しているのになんで今の今まで知らなかったんだという感じです。ぶっちゃけ最初聴いた時怖くなりましたね... 武内くん、やってることのレベルが高すぎる。HipHopだけじゃなくてドロップでKawaii Future Bassの文脈を入れてきたり、彼の音楽の守備範囲の広さを編曲から感じました。そして、
Kawaii Future Bassと低音イケボ、合う!!!!!!!
最近の男性ボーカルは高音が多かった(声優ソングも割とそう)中でのこれですよ...。色んな意味で後頭部を青銅器で殴られたような感覚ですもう。。。いやすごい。AMADEUS、二次元アイドルコンテンツに楽曲提供して界隈破壊していってほしい感がありますね...。トラックメイカーをやる声優はかっこいいので。
last drip - 熊野ぽえみ
作詞・作曲・編曲:KABOSNIKKI(TEMPLIME) 8月29日発売
【MV】last drip / 熊野ぽえみ feat.TEMPLIME
このVTuber熊野ぽえみさんのことは初めて知ったんですが、TEMPLIMEの新曲と聞いて... 聴いてみたらイントロで即掴まれてしまいましたね。TEMPLIME、こんなお洒落ジャズも作れるのか...。それと、ドラムの音が良い!!!!キックの音も硬さがある感じがすごく好みだし、スネアの絶妙な抜け具合もたまらんです。カボスニッキさんは元々ドラマーらしいのでその辺の音作りはかなりこだわりを持ってやっていらっしゃるんだと思いますね... あと歌声もめちゃくちゃ好きです。可愛げのある声だけど落ち着きがある感じで、よく萌え声って言われる割とエネルギー消費する感じとは違う...あれもあれでもちろん好きなんですけどね。で、そんな歌声を最大限生かしたメロの仕上がりになってると思います。A・Bメロは高すぎない低・中音域で落ち着いた感じを出してサビで伸びやかな高音を見せていく、すごくボーカルのことを考えられてるなーという感じがしました。
TEMPLIMEも電音部に参加するクリエイターの一人ということで、どんな曲が出るか今から楽しみですね。アキバエリアに続いて先日Yunomiさんの楽曲が公開されましたがかなり尖った曲になっていたので、他のクリエイターも相当強い曲を用意しているんじゃないかと期待してます、、、、、
V - MY FIRST STORY
アルバム 8月12日発売
最後に紹介するのはマイファスが先日発売したニューアルバムです。マイファス、これとは別にインストアルバムを2枚、しかも一つは睡眠用BGMとしてのアンビエントのアルバムとかいうとんでもないものを出していたんですが、今回はその話は置いておいて。このアルバム、それまで培ってきたエモコアの土台はそのままにTRAPはじめエレクトロミュージックを入れ込んでいてかなり異色というか、挑戦的なアルバムになっている気がしましたね。4曲目のplasticとか、バリバリTRAPのビートを入れてきてまともに生ドラムが入るのはラスサビだけだったり、聴いてる分には全然バンドの曲って感じじゃないです。この10年間、バンドはロックだけやるものではなくなったという印象が強いんですが、このアルバムはそんな10年の総括、いかに打ち込みを入れる中でもバンドの音のかっこよさを出すか、その1つの解答としての価値があると思います。それでも真っ直ぐなエールソングである「証」だったり、別れのバラード「あいことば」のようなストレートなバンドサウンドも入っていて、バラエティ豊富なアルバムです。個人的に面白い曲だと思ったのは10曲目の「大迷惑」。最近巷で流行の「夜行性」インターネット音楽みたいな感じの、オシャレピアノと詰め込み譜割が特徴的な曲です。(Twitterでは秒針を噛む+だから僕は音楽をやめたって言われてた) とにかくアルバムとしての完成度はかなりのものだと思うので是非聴いてみてください。。。
尺がまだあるのでHF3章の話でもするか... HF3章、何気に人生ではじめて2回映画見に行くっていう経験をしたんですよ。それくらいすごかったですね。いい映画は何回映画館で見てもいいらしいです。話の筋は知ったうえで行ったんですけどこのシーンの作画こうなるんだ!って感じで。いやまた見に行きたい... いやでも来月にはヴァイオレットもあるんですよね... 先延ばしにされてた楽しみの解放止まりませんね、、、
というわけで、9月はもう少し、5本くらいは書けたらいいですね... もっと頑張ってネタを作りましょう。。。それではまた次回会いましょうね~~~
今だから聴きたい、ポストロック・シューゲイザー・エレクトロニカ系VOCALOID
こんにティア~~!!!
さてさて、いよいよ夏真っ盛りのクソ暑い時期になってまいりましたがいかがお過ごしでしょうか。音楽界はといえば、先週全てをひっくり返す大事件がついに起きましたね。
米津玄師、サブスク解禁――
いやー、待ってたと言えば待ってたし来ないと思ってたと言えばそれもそうなんですが。来てしまいましたよ。もちろん新作STRAY SHEEPも聴きました。新曲ことごとくキモくて良かったですよ。特に迷える羊。1曲の中でスケールの変化がヤバすぎる。全体を通しては、やっぱり坂東祐大さんと組んだのが大きくてこれまでとは音楽性の幅がもう全然広がってるなって感じでした。まだ聴いてない方はぜひ斜ぶってないで聴いてくださいね。
ただまぁ本当の事件は
ハチもサブスク解禁 って方なんじゃないかと思うんですよ。今J-POP界を席巻してるアーティストのボカロも聴き放題となれば、ますますボカロの一般化も進んでくるような気がしますね。そこでです。今回は僕が最近掘ってる主にポストロック・シューゲイザー・エレクトロニカ系のボカロを有名どころからちょっとコアなところまで紹介したいなーと思いまして。ぜひお付き合い願います。。。
目次
☆ミクゲイザー、ミクトロニカについて
その名の通り初音ミクを用いたシューゲイザー、エレクトロニカという意味なんですけど、実際のところ初音ミク以外のソフトを使った曲についてもこのタグが使われているみたいですね。で、この初音ミクを用いてシューゲイザーを作るムーブメントは2010年頃に出てきたもので、その頃って言えばまさに米津玄師(ハチ)やwowaka、DECO*27といった人達がニコニコで全盛だった時代ですね。そのためメインストリームに上がってくることはなかなかなかったんですが、コアなボカロ愛好家や硬派なサウンドを好む人達の間では人気を博していたようです。このミクゲイザーを作っていたボカロPの方々も、現在はメジャーのバンドをやっていたり楽曲提供を行ったり、インディーズで活動を続けていたりと様々です。
☆個人的オススメコンポーザー紹介
yuxuki waga / そらいろくらぶ
Light Falls(feat. 初音ミク)/yuxuki waga
yuxuki wagaという名前、聞き覚えのある方も多いと思いますが...そう、fhanaのギタリスト、yuxuki wagaその人です。以前に書いたFLEET(佐藤純一さんが以前やっていたバンド)についての記事でもちらっと触れたんですが、fhanaにシューゲイザーの文脈が存在しているのは和賀さんによるところが大きいです。この時代のミクゲイザーと自称他称される音楽の中でも最もシューゲイザーに近いとも言われています。全体的な音楽性としてはよくシューゲイザーに対する形容詞として使われる「轟音」という感じとは違うんですが、流れるようなギターのアルペジオが印象的で、ポストロックとシューゲイザーの交点、というのが近いかもしれないです。そんな中でも正真正銘の轟音シューゲイザーとして名高いのが「love is like a dance in feedback noise」という曲です。ボーカルすら掻き消してしまうような轟音のサウンドはまさにシューゲイザーの到達点である「音の洪水」と呼ぶにふさわしい1曲です。あとはボカロではないですが、fhanaデビュー前のtowanaさんをフィーチャリングした「日々の波間に」という曲。ギターの音色が陽の光のように降り注いでくるような印象、少し宇宙コンビニ/JYOCHOのサウンドとも通ずるものを感じました。曲自体はこちらが先ですが。
この他にもyuxukiさんのさらに前身であるバンド・そらいろくらぶとしての活動や、後述するwhooさん、monaca:factoryさん、ryuryuさんと結成したサークル「s10rw(ストロウ)」の楽曲も多く素晴らしいものがあり、またfhanaに通じる文脈も感じられると思います。FLEETの時も思ったのですが、曲のルーツを知って聴くのとそうでないのとでは説得力は段違いだなって思います。いい作品いっぱいあるのでぜひおすすめです。
whoo
先述のyuxukiさんとサークルs10rwとして活動し、現在ではシンガーソングライターとしても活躍しているボカロPのwhooさん。シューゲイザーではないのですがポストロック系のアーティストとして紹介させていただこうと思いました。彼のアイデンティティは柔らかなアコギの旋律と変則的なドラムが織りなすファンタジックなサウンドにあると思います。ポストロックというと複雑な変拍子やギターフレーズを思い浮かべがちですが、whooさんの作る音楽は非常にキャッチーでポップな印象が感じられますね。またVOCALOIDに限らず、彼が2011年にリリースしたアルバム「世界のはじまり」ではやなぎなぎさんやROUND TABLE北川勝利さんのサポートで知られるacane_madderさん、FLEET時代の佐藤純一さんなど様々なボーカリストをフィーチャリングして曲を出したりしています。2018年には自らが歌唱も手掛けた全10曲入りのアルバム「W」をリリースし、これまでのポストロックの中にフォークの要素も取り入れ、歌声まで含めてさざ波にさらわれてどこかへ連れて行ってくれるような、そんな不思議な浮遊感を感じられる作品になっています。もう活動歴は10年を数えるボカロPですが、同時にこれからもっと注目すべき気鋭のアーティストでもあるような気がしますね。
keeno
keenoさんは2010年から活動を始められて、投稿頻度はそこまで高くないですが伝説入りが3作品、うち初投稿の「glow」ではダブルミリオンを達成しています。ポストロック系のバラードがメイン...というかほぼバラードしかない。逆に言えば高速BPM、詰め込み譜割上等なボカロ界隈においてバラード一本で今の地位に至ったとんでもない人。ギターの音の粒の美しさはもちろんなんですが、keenoさんの曲を聴いていて秀逸だと思ったのがPADの入れ方ですね。水面に広がる波紋のように、空間的広がりをもって隙間を埋めていくような、何というか、奥行きを感じるんですよ。それがすごく美しいなって思いました。歌詞の内容も美しくそれでいて痛々しい。そしてそれをVOCALOIDという「無垢な存在」が歌っているのが、ある意味残酷なようにも感じます。いや、それが魅力なんですけどね。またkeenoさんはボカロ曲に限らず、アニメ「実験品家族」のEDで鹿乃さんが歌う「春に落ちて」や、「萌えタンシア、オル~!!!」のネットミームで知られるRe:ステージ!のユニット、オルタンシアの「crave」といった曲も作曲しています。2曲とも音楽性は自身のボカロ曲の延長線上にあるので、もしこの2曲を知ってるよって方はぜひともオリジナル曲を聴いてみてくださいね。
Ortensia - crave※ライセンス所持表示確認済
Lemm
Lemmさんはロックというよりは電子音楽系の作曲家なのですが、最初聴いた時やばいと思った。前衛的なボカロ界隈の中でも一際尖ってる。エレクトロニカをベースにジャズやクラシック、IDMなどのありとあらゆる音楽的文脈を結集させたボーダーレスな作風です。というよりもはや現代音楽に近いです。例えば「Absolunote」という曲なんですけど、可愛げなワルツが始まったと思ったら開始15秒くらいでドラムンベースに変わるんですよ。そこから目まぐるしい勢いでテンポも拍子も調も変わる。こんなとんでもない曲がニコニコに転がってるのやばすぎるでしょ。最近の作品である「Atoropa」や「Tourbillon」では本格的なオーケストレーションを導入し、なかなかボカロでは類を見ない、現代交響曲のような壮大な楽曲になっています。またこちらもボカロに限らず、昨年女性シンガーのlasahさんとコラボしたアルバム「デッドエンド・アパートメント」をリリースしています。他、VTuber事務所Re:AcTのコンピレーションアルバム「Since-Re:ly~シンシアリー~」にオリジナル曲「徒然Pieces」を提供したりしています。「徒然Pieces」はLemmさんのエレクトロニカの文脈をアイドルソングに落とし込んだ革新的な楽曲なのでこれもぜひ聴いていただけたらという感じです。いや、できれば全部聴いてほしいですね。こんな曲作ってる人、なかなかいるもんじゃないので。
【オリジナル楽曲】Re:A projecT 『徒然Pieces』【Re:AcT】
おわりに
改めてボカロ文化ってすごいなって思いました。ロックからエレクトロからクラシックから、何でも1つの界隈に混ざってるようなところ他にないでしょう。だからこそ、いろいろな人が気軽にクリエイターになれたし、その中からリスナーが自分の好きなものを見つけるのも容易になった。ただその反面、自分の好きなものを見つけて、さらにその先へ進むことは、かなりの労力と好奇心が必要な行為なのかもしれないと感じましたね。そこでやっぱり一部に再生回数が集中するっていうことになってるのかな。まぁしょうがないことなんですけどね。でも再生回数そんなに多くなくてもすごい曲はいっぱいあるし、それがボカロの魅力なのかなって思います。この記事がそんな「すごい曲」を1曲でも新たに知るきっかけになってくれたら嬉しいですね。
この記事作るのに4時間くらいかかってしまった...。やっぱり文章書くのはそれなりに疲れますね。今月もいい曲がどんどん出てるのでそのうちまとめて紹介していきたいと思います。ではでは、お付き合いいただきありがとうございました。。。
2020年7月 お気に入り新譜まとめ
梅雨が!!!!!明けない!!!!!
7月、もう終わるらしいし大学の前期ももう終わるらしい...... まじで「2020年2(ツー)」やらん?笑
下半期、最初の1ヶ月からいい曲出過ぎ!!ということで、今月もなかなかブログ更新できませんでしたが滑り込みで紹介、やっていきますよ。レア音源からも何曲か紹介していきますね...
- 音がする - yuigot+長谷川白紙
- ANIMA - ReoNa
- 時間だよ - RYUTist
- なだめスかし Negotiation - 鹿乃
- VirtuaREAL.02 - Various Artists
音がする - yuigot+長谷川白紙
作詞・作曲・編曲:yuigot / 長谷川白紙 7月3日 bandcamp限定リリース「sound leakage 2020」収録
上半期10選でも紹介した長谷川白紙さんと同じく同世代の注目のトラックメイカー・yuigotさんがタッグを組んで作られた曲です。渋谷clubasiaの支援のためにbandcampでリリースされたアルバムの中の1曲です。
......ガチで大天才。メロディとしてはソウルないしネオ渋谷系のような印象で、それに現代のクラブサウンドを当てはめて再解釈したような仕上がりになっています。10選の時にも白紙さんのコードワークが本当にすごいという話をしたんですけど、それがこの曲にも健在のままyuigotさんの電子音と融合しているのが本当に気持ち良すぎるんですよ。でもって間奏には白紙さんのジャズ由来の高速ピアノソロがあったり、ここまで分かりやすくコライトの魅力を感じられる曲は今までなかったくらいです。もう言うならポピュラーソングのいいとこ全部詰めましたみたいなとんでもない曲が生まれてしまったと言っても言い過ぎではないですね。楽曲はさることながら歌詞も素晴らしいです。
「僕とこの世の間に! 全てを巻き込んで音がする!」
世界は音にあふれてるし、その全ては音楽になる。こんなにすごい表現をされたらもう勝てん...
他の収録曲もいい曲ばかりなので、もし気になったら応援の意味も込めて買っていただけたら...なんて思います。bandcampで3kなので。
ANIMA - ReoNa
作詞・作曲・編曲:毛蟹(LIVE LAB.) ストリングス編曲:宮野幸子(SHANGRI-LA INC.) 7月22日発売
【SAO】ReoNa - ANIMA (Music Video YouTube EDIT ver.)
「魂の色は 何色ですか」
...ずっと待った。この曲もアニメもめっちゃ待ちましたよほんと。
今回この曲に関しては毛蟹さんが作編曲だけじゃなく作詞までやってるんですが、本当にこの人は何なんだ... 1曲の中でロック、クラシカル、エレクトロニカ多彩な編曲要素をこれでもかというほどに詰めていて、それが邪魔し合わず1曲として溶け込んでるのと、ReoNaの歌声が歌詞の一言一言に魂を乗せていて、今まで以上に歌に重みを感じるというか。もちろんいい意味で。Dメロ前の間奏で平行転調するところは主旋律をストリングスが持つ裏で堀崎翔さんのギターソロがいつもとなくうねっていてプログレッシブ的な雰囲気で覚醒を予感させている点とか、本当に見事だなって感じです。
精神年齢が中学生で止まってるからマジでSAO今が一番面白い。あと曲とは関係ないですけどOPムービーの最後にナーヴギアが映ったところで昇天した... いろんな意味で集大成を感じましたね。
時間だよ - RYUTist
作詞・作曲・編曲:Kan Sano 7月14日発売「ファルセット」収録
新潟発のアイドルグループ・RYUTistの最新アルバムから、Kan Sanoさんがプロデュースを手掛けた曲を紹介しようかな... このアルバム、僕のフォロワーの間でヤバいと話題になっていて、特にリード曲の「ALIVE(蓮沼執太フィルプロデュース)」が何人も上半期10選に入れるほど注目されていました。そんな中で個人的にこのアルバムで一番印象的だったのがこの曲でした。いきなりドラムフィルから始まってどんな曲が始まるんだと思ったら、現代アイドルらしい先端のダンスチューンを取り入れたネオソウルだったっていう衝撃。Kan Sanoさんの名前はUruの「space in the space」の編曲が素晴らしくてそこで初めて認識したくらいに遅かったんですが、実はMrs. GREEN APPLEと坂口有望のコラボ曲「Log」の編曲にも参加していたという...とんでもなく好きな音なコンポーザーっぽいです。にしても最近のアイドルの音楽レベル高すぎな。。レベルが高いと言ってもMaison book girlやsora tob sakanaみたいにとにかく尖った音楽をやるのとは違って、流行音楽にある程度寄りつつ純度の高いポップスで世界観をまとめてるところがこのグループの持ち味のような気がします。あとコーラスワークのレベルの高さも一際あると思いましたね。
他に個人的にお勧めしたいのはパソコン音楽クラブプロデュースの「春にゆびきり」という曲です。一度聴いたら完全に心を掴まれるテクノポップサウンドです、ぜひに...!
なだめスかし Negotiation - 鹿乃
作詞・作曲:田代智一 編曲:伊藤翼 7月31日先行配信 9月2日フィジカルリリース予定
鹿乃「なだめスかし Negotiation」【OFFICIAL】
アニメ「宇崎ちゃんは遊びたい!」のオープニングテーマッス。以前紹介した田中秀和氏全曲プロデュースのアルバムに引き続き、今回もハレ晴レユカイなどの作曲者・田代智一氏とRe:ステージ!の楽曲制作などで知られる伊藤翼さんのタッグという錚々たる布陣で期待値爆上がりでしたが...今回もヤバいのが来た。曲のコンセプトが「うざカワイイ」なんスけどそれを完璧に表現しながら韻踏みまくりで歯切れ抜群の歌詞。もはや畑亜貴じゃないのが不思議なレベルでは?ぶっちゃけQ-MHzとして畑亜貴氏と一緒に活動する機会があることは影響としてあるとは思いまスが... アレンジに関してはもう全くスキがないッスね。伊藤翼さんは大学時代チューバを専攻していたということもあってファンキーなブラスセクションが曲の雰囲気を引き立ててるッスね。あとはリズム隊の動きがやばい。二家本亮介さんと山本真央樹さんでもう技術がすごいのは知っての通りッスが、めちゃくちゃゴーストノート盛りすぎでは?これだけ変態的な動きやりながらよくこんなキャッチーな曲できたなって思うッス。すごいでスよね。
ちなみにこのカップリングは今大注目のトラックメイカーNorさんがプロデュースすることが発表されたッス。それとこのアニメのEDはVTuberのYuNiちゃんと同じくトラックメイカーYUC'eさんのタッグであったり、アニソン新時代の到来に期待でスね。
「えっ私の文体気になるんスか? うざカワイイですよね!」
VirtuaREAL.02 - Various Artists
アルバム 7月31日発売
【クロスフェード】 VTuberオリジナル楽曲アルバム第3弾「VirtuaREAL.02」
VTuberのコンピレーションアルバムの第3弾です(第1弾は00だった)。個人的な感想としては今回がこれまでの3作の中では1番好きだったかなーという感じです。発売前はこの中だとKMNZ×Batsuの楽曲に注目してたんですが、その曲も当然よかったんですけど後半5曲が想像以上に完成度が高かったです。The Herb Shopさんがプロデュースを手掛けた「「ふたりなら」」はゆっくりとしたEDMに絶妙にオートチューンのかかったボーカルの相乗効果による浮遊感がたまらない曲だったり、「To your star」はバンナムの電音部にも参加が決定しているミディ&瀬戸美夜子の曲ということで期待してはいましたが、こちらも正統派Future Bassで、その中でアコギのアルペジオを散りばめてみたりきらびやかなアレンジがとても良かったなって思いました。その中でも衝撃だったのが最後の「Mirage」でした。最小限のトラックでボーカルを引き立てていて、海外のヒットチャートに通じるような曲で、エレクトロ要素が強いVTuberオリジナル曲の中でもここまで洋楽的アプローチに振り切った曲というのはあまりなかったような気がするので新鮮でした。アルバム全体としてはこれまでのVirtuaREALシリーズと比較してもFuture Bass色が強かったのですがその中でもバリエーションが豊富で決して単調ではないのでぜひ聴いてみてください。オススメはビバ!バ美肉ビートライフです。おじさんでシ○れ!
月が明けたら8月ですね。8月曲といえば結構思いつくだけでもいろいろありますが、あなたの好きな8月曲はなんですか?僕?そうですね、八月、某、月明かりとかかな(順張りマン)
ヨルシカ「盗作(アルバム)」名盤!!!!となっていますが、それについては前回のブログで色々書いたので今回は触れませんでした。まだ読んでない方是非読んでみてくださいね、割と頑張ったので......
筆者、レポートまだあと2つ残ってるらしいね...早く片付けて夏休み迎えたいですね。それにしてもレポート2000字>>>>>>>>>ブログ5000字なの、何とかならないんですかね(n回目) そろそろ切り上げないと月が変わりそうなのでこの辺にしておきます。来月も良曲をどんどんレコメンドして行きましょうね~~~~~
ヨルシカが「盗作」を通して表現しようとしているものは何か
こんにティア~~~ (定型挨拶文を考えてみた)(盛大なスベり)
7月、なかなか更新できなくてすいませんでした。主にレポートとかレポートとかレポートとかレポートとかレポートとかレポートとかのせいです。許さn
とあとつい先日熱が37.8℃出てしまいまして...。
これは"貰って"しまったのか!?なんて思ったりもしたんですけど、それからまた落ち着いたりしてよくわからんという感じです。皆さんも気を付けてくださいね。
今回は来週発売のとあるアルバムの曲の話がしたくて、ですね...
7月29日に発売されるヨルシカのニューアルバム「盗作」。二部からなる前作「だから僕は音楽をやめた」「エルマ」に続いて今回もコンセプトアルバムというスタイルを取っています。そのコンセプトは「”音楽の盗作をする男”の”破壊衝動”」。そして先日、リードトラックとなる、アルバムのタイトルをそのまま冠した曲「盗作」が先行配信、MV公開されました。
この曲を聴いて、いろいろ思うことがあったのですが、それがあまりに多すぎたので、今回ここにまとめようと思いました。
そもそも、「盗作」とは世間一般に言うような単純なものなのか?
ここで歌われる「破壊衝動」は本当に単なる負の感情なのか?
この曲を聴いたときに、このアルバムのコンセプトすらも、言葉通りの単純なものではないのかもしれない。そう思わざるを得ませんでした。それどころか、日常的に音楽を消費している大衆に対する皮肉がこの曲、あるいはアルバム全体に込められているんじゃないか。そんなことすらも感じたわけです。それらを考察という形で、この曲の歌詞から感じたことを書いておこうと思います。
※ここに書くことはあくまで自分が感じたことであって、これが正解だと押し付けたり、特定の考えを否定するようなものではありません。ご承知おきを...
まず、最初に引っかかったフレーズがこれ。
音を聞くことは気持ちが良い。
聞くだけなら努力もいらない。
この「聞く」という部分。「聴く」ではないんですね。
ヤバい音楽オタクの見分け方〜!
— ℓё₮ℹ︎Å (@Letia_Music6451) July 3, 2020
・「聞く」と「聴く」を厳格に分ける
これは先日謎の伸びを見せてしまったネタツイですが... 僕、というか音楽マニアは大体そうな気がするんですけど、単に聞こえる、聞き流すという意味での「聞く」と、意識的、能動的に考えての「聴く」をやたら使い分けたがるんですよね。歌詞の中の「聞くだけなら努力もいらない」という一文が示すように、本当にただ「聞く」だけであれば何も考える必要もないわけで、逆に「聞く」という行為を「聴く」に昇華させるためには努力が必要なんじゃないかと僕は思ってます。「音を聞くことは気持ちがいい」というのも、これが「聴く」であれば気持ちよくなるだけでは不十分で、気持ち悪さもまた感じる必要が出てくる。こんな感じで、「聞く」と「聴く」は同じ「音を受け取る」という行為でありながら、その本質は全く違うんです。これをあえて「聞く」としたことはやっぱり意図があって、最初、この彼にとっての「音楽」は、何となく聞こえてくるものでしかなかった、と取れると思うんです。次に行きます。
この歌が僕の物になれば、この穴は埋まるんだろうか。
だから、僕は盗んだ
彼が音楽を盗んだ動機がここで語られるんですが、それがやたらと共感性のあるもので、彼は本当に悪者なのか?という疑問が、そもそもここで言ってる「盗む」とは?というところまで行きました。
僕が音楽を始めたのはヴァイオリンを習い始めた小学生時代でしたが、思い返してみればやっぱり、心の空白を満たすため、傷を癒すためみたいな、ここで歌われていることと同じでした。いや、むしろ、音楽を始めた人のほとんどのきっかけがこれで、それと同じ理由で音楽に縋っているんじゃないかって気がします。ここでもう一度最初のコンセプトを見てみると、「音楽の盗作をする男」という風にしか書かれていない。必ずしも、特定の誰かの音楽の盗作であるとは限らない。とすればこの男は、
”音楽”という概念そのものを盗んだ
という意味なんじゃないかと。そしてそれを裏付ける言葉が、動画の概要欄に書かれていました。
俺は、音を盗む泥棒である。 それはメロディかもしれない。装飾音かもしれない。詩かもしれない。コード、リズムトラック、楽器の編成や音の嗜好なのかもしれない。また、何も盗んでいないのかもしれない。この音楽達からそれを見つけるのもいい。糾弾することも許される。 客観的な事実だけなら、現代の音楽作品は一つ残らず全てが盗作だ。意図的か非意図的かなど心持ちでしかない。メロディのパターンもコード進行も、とうの昔に出尽くしている。
音楽をやるということは、演奏にしたって作曲にしたって、まず最初は先生や過去の音楽家たちに学んでそれを真似ていくという過程から始まるものだし、その影響はその先どうしてもついてくるものだと思うんです。つまり、音楽をやるということは、言うなればそれまで積み上がってきた文化や歴史に乗っかるということ。要するに、
音楽をやる=その文化を盗む
ことなんじゃないか。少なくとも、この歌を聴いた時、僕はそう感じました。
「真にオリジナルな音楽は存在しえないのではないか」という議論は度々湧き起ってきましたが、このアルバムはそれに対して一つの見解を示すものかもしれません。
サビは最後に回して先に2番の歌詞を考察しますね。
「ある時に、街を流れる歌が僕の曲だってことに気が付いた。 売れたなんて当たり前さ。 名作を盗んだものだからさぁ! 彼奴も馬鹿だ。こいつも馬鹿だ。 褒めちぎる奴等は皆馬鹿だ。 群がる烏合の衆、本当の価値なんてわからずに。 まぁ、それは僕も同じか」
このフレーズを見た瞬間に、この「音楽の盗作をする男」が強いて誰を指しているかと言えばn-bunaさん自身だろうと思いました。というのも、彼は今では個人のTwitterアカウントを削除してしまいましたが、かつて「音楽は一過性のものなので特定の物を好きになりすぎるのは危険」という趣旨の発言をしていたことがありました。それは言い換えれば、自分の曲ばっかり聴いて他の曲に目を向けない一部のリスナーに対して違和感を抱いていたんじゃないかとも思えます。男の言葉に「この音楽たちからそれを見つけるのもいい。糾弾することも許される。」とありましたが、むしろそれをしてほしいのでしょう。それは要はルーツミュジック、音楽的土台を辿るということです。それもせずにただそこにある音楽だけで全てを理解されたような口を叩かれることは、音楽に対するリスペクトが決定的に欠けている、そうn-bunaさんには感じられていたのかもしれません。あるいは世間で売れている音楽が必ずしもすごい音楽であるとは限らないということを伝えようとしたのかもしれません。ここに関してはいろいろ解釈の余地があると思いますが、とにかく現状の音楽リスナーの在り方に対して思うところがあって、それを作品という形で発信してることは間違いないでしょう。言ってしまえば音楽を「聞く」人から「聴く」人が増えてほしい、そんなことだと思います。
最後に、彼の持つ「破壊衝動」とは一体どんなものだったのか?
肝心の男の気持ちが歌われているサビは、「まだ足りない」「愛を知りたい」「美しいものを知りたい」というおおよそ破壊衝動という感情とは真逆なんですよね。じゃあその破壊衝動はどこに向けられたのか?と言えば、まぁ自分の内面、閉塞感や空虚に対して向けられたもので、そしてそれらを壊すために、愛を知ること、綺麗なものを知ることが必要だった。いや、本当はそれこそが目的であって、音楽を盗む行為は単なる手段に過ぎなかったのかもしれません。実際の音楽家にしても、本当に音楽を作ること、音楽で成功することを至上の喜びにする音楽家もいれば、自分の感情を表現する、もしくは人の感情を動かすためのツールとして音楽をやっているというパターンもあると思います。そしてこの男の場合は後者だったのでしょう。破壊衝動と言ってしまえば少々物騒かもしれないですが、その実はある意味では悲しく、人間らしい感情だったのかなと思います。
まぁいろいろ書きましたが、あくまで全部憶測なので。実際のところはアルバムが発売されたときに全貌が見えてくるんじゃないかと思います。これまでに解禁されている収録曲どれも力作揃いでもう期待値は上がりきってるんですけど、やっぱり多くのファンが注目しているのは再録される爆弾魔じゃないかと思います。一度アルバムに収録された曲がまさかこんな形でまた入ってくるとは思いませんでしたが、おそらく「破壊衝動」という点で大きな意味を持ってくるんでしょう。あと個人的に気になるのが、「花に亡霊」の真の存在意義です。あのいかにもアルバムのコンセプトとはかけ離れて見える不気味なほど綺麗な曲が最後に入っているっていうのが、意味のないことだとは到底思えなくて、これもアルバム全曲通して聴いたら何かわかることがあるんじゃないかという期待がありますね。
あんまりダラダラ書いてもあれなのでそろそろ締めようかな。。。レポートもこれくらい簡単に字数稼げればいいのに... 7月全然書けてなかったからもう1個くらい何か書きたいですね。レポートに余裕があればですが......
最強コンテンツ「電音部」への期待
【報告】
おかげさまで6月も弊ブログのPVが1000を達成できました。ひとえに読んでくださる皆さんのおかげです。ありがとうございます。
さて、世の中でC-virusが暗躍してる中で、新たなカルチャーとして流行を見せ始めたDJ配信なんですけど、その総決算ともいえるバンダイナムコ主催の一大イベント「ASOBINOTE ONLINE FES」が先日あったんですね。最大同時接続は16000人。全ての発端となったMU2020以上の盛り上がりを見せたイベントでしたが、それを全て吹き飛ばすような衝撃の発表。今日はそれについての個人的な思いをTwitterじゃ書ききれないのでまとめていこうかなーと思います。
「電音部」
これがその新たなコンテンツの名前です。世界観としては、電子音楽がカルチャーの中心となった未来で、新たなエンターテインメント「DJバトル」に青春を捧げる女子高生達の物語。まぁ割とありがちな?ストーリーのEDM版と考えてもらっていいのかなって感じです。
本題はここからですよ。メインシナリオを構成するグループが現在4つあるんですけど、それぞれの声のキャスティングを声優・アイドル・VTuberで分業している、ということです。ついに時代がここまで来たかっていう印象です。特にVTuber。まず、エンターテインメント業界最大手のバンダイナムコとバーチャルタレント業界のトップランナーであるにじさんじが実質的に手を組んだということ。これがこのコンテンツに対する最初の衝撃でした。演技力云々で職業声優に比べて劣っているという点は多少あると思いますが、それでも一大企業が昨今のVTuberの隆盛を無視できないものと捉えてそのファン層を既存のコンテンツの中に取り込もうと動いたことは個人的にはかなり評価したいし、大きくサブカルチャーの歴史が変わってくると思います。VTuberっていう業界はこれまでいい意味でも悪い意味でも閉鎖的な空間だったので、それがある程度外界とつながることによってどのような反応が起きるのか、大いに注目していきたいものじゃないですか?
次。やっぱり音楽のオタクとしてはここが最大の衝撃でしたね。
圧倒的コンポーザー陣。もはや豪華という言葉で収めるのがおこがましいレベル。
.....わけわかんなくないですか?
クラブミュージック的視点でアニソン界を牽引し続けるレジェンド、kz・TAKU INOUE。Kawaii Future Bassというフィールドからインターネットで輝きを放つ新時代のトラックメイカー、Snail's House・Yunomi・YUC'e・KOTONOHOUSEといった面々。さらには作曲系VTuberとして活躍する周防パトラ・ミディ。これだけの最強の布陣が集まったら負ける要素どこにもない気がするんですが...
最近はいわゆる作曲家オタクの需要の高まりもあって、業界で多く信頼を得ている、いわゆる強いクリエイターを多く呼んでそのネーミングで売り込む、といった戦略も常套手段と化してきているわけなんですけど、その中でもこれはやばすぎました。何がやばいかっていえば、クラブミュージックというコンセプトに対してこの人選ができるってことなんですよ。kzさんやイノタクさんはともかくとして、この中の大半はアニソンの作曲経験がない人達で、いわゆる二次元の界隈とはほぼ切り離されていると言っていいフィールドで純度の高いクラブミュージックを作ってる人達なんですね。クラブによく行く人たちからしたらすっかりお馴染みの面子で、この人たちが一堂に集結する「暴力的にカワイイ」なんてイベントがあったりしますが。要するにバンダイナムコさん、このコンテンツに関して既存のアニソンの路線で勝負する気は全くないんですよね多分。クラブミュージックがコンセプトである以上それに見合う本格的なサウンドを持ってくるってことです。同じようなコンセプトであるブシロードのD4DJがクラブサウンドを出しつつもあくまで楽曲の基軸をアニソンに置いていたことを考えれば随分攻めたなって感じですね。ここもそれまでのオタク受けは意識せず、世界観で新たなファン層を獲得していく意気込みが見て取れると思います。実際にホームページに飛ぶとMoe Shopが手掛けたティザーBGMを聴くことができるんですが、
電音部のホームページのBGM moe shopの「インスト曲」ってだけで信頼度振り切れちゃったよ
— kamakuran (@kamakura_home) June 28, 2020
普通ならここでボーカル入りの曲バーンとPV作って最初のページに載せそうだけどそうじゃないのが好感度高いhttps://t.co/UwZLW9MVTn
めちゃくちゃ「それ!!!!!!」って思っちゃいました。ボーカル曲をチラ見せしちゃえば注目度上げられそうなところをあえてそうしない。声や歌唱で注目させるんじゃなくてあくまでコンテンツの中心は音楽だっていう態度が示されててすごく好感が持てる感じがしました。しかもこのBGM、このジャンルをよく聴く人からすれば一瞬でMoe Shopだとわかるような持ち味全開のサウンドでして。コンポーザー側からしても二次元コンテンツの曲だからそっちに寄せるなんてことはなく、あくまで持ち味全開で勝負しに来てくれると思います。イベントの中でYUC'e、Nor、TAKU INOUE、kzの楽曲がそれぞれ披露されたんですけど、かなりクラブサウンドに振り切っている感じでアニソンらしさなるものはほぼなかったです。日本ではクラブミュージックって結構アンダーグラウンドな分野で人を選ぶ傾向が強かった中で、この電音部を通して声優・アイドルソングと結びつく中で今後どういった展開を見せてくるか。すごく楽しみなところだと思います。
あとは個人的な願望として、インターネットのトラックメイカーがアニソンに進出する突破口が何らかの形で開けてほしいなっていうのをずっと思っていたので、今回こういう形でそれが実現したのがすごく嬉しいですね。これを通して注目度がさらに上がってアニソンとかでクレジットを見かける存在になっていってくれたらと思うと期待が止まないです。←後方彼氏面?
3つ目の画期的な要素が二次創作の容認ですね。要するに営利目的でない限りRemix作り放題ってことです。公式、しかもバンダイナムコともあろう大企業が公式に認める立場を示す、その前例を作ったってとんでもないことでは?しかもそれだけに限らず、二次創作を公式側が逆に利用する可能性すらもガイドラインで示唆されてるんですね。ほんとにやばいことですよ。これを機に音楽を取り巻く著作権の在り方が変わるかもしれないです。
背景とすれば、今回招集されているコンポーザーの大半が同人活動から知名度を高めた人なことが大きいと思います。今やインターネット音楽の王のような存在のkzさんも元はニコニコからキャリアが始まってるし、他のトラックメイカーだとSoundCloudが出発点になってる人が圧倒的に多いですね。何というか、10年前にボカロPが一気にアニソンに進出してきた時の状況と似てる感じがします。kzさんは2010年に俺妹のアニメのOPに抜擢されてから一気にアニソン請負人としての地位を確かなものにしたんですけど、あのアニメはEDも一般公募だったんですよ。冷静に考えたらすごいですよね。注目アニメのエンディングが1話ごとに公募って。そしてそこから一気に注目されたのが今や神曲マシーンと化したやしきんさんなんですよ。そんなことがあるから公式が同人活動にアンテナを張るのってかなり大事だし、公式がそういった芽を摘んでしまうのは結果的に利にならなかったりするわけで、バンダイナムコはその辺をすごい分かってくれてる気がしましたね。今後の同人活動の展開次第ではもしかしたらSoundCloudが一般のオタクにもメジャーなアプリになってくる可能性すらあるので期待です。
いやー、発表から丸1日くらい興奮してやばいことになってたので言いたいことめちゃくちゃあったのにそれを文章にするのは到底無理だったんですけど、やっと落ち着いて考えを整理できる程度まではなりました。
ありとあらゆる点が新たな試みで、サブカルチャーの在り方を大きく変える可能性を持つコンテンツ。「電音部」を表すとしたらこういう表現になると思います。ただ新しいことをやるとなれば当たり前ですが問題はつきものです。そしてまず挙げられる最大の問題は異なるジャンルのオタクが1つのジャンルに集結した時何が起きるか、ということでしょう。僕はおそらくインターネット音楽・トラックメイカーのオタクとしてこれと付き合っていくことになると思いますが、おそらく声優オタクとVTuberのオタクの間でまず対立が出るでしょうし、既存のアニソンのオタクと電子音楽のオタクとの間でも、ゆくゆくは価値観の食い違いが起きてくるとは思います。ただやっぱり新しい試みをする上では対立や批判はつきものだと思うし、そういうもんだって割り切っちゃうのが一番ですかね。ボカロPや歌い手がアニソンに進出してくる段階でもそういうものはあったでしょうし。だからこれだけ言っておきます。
名前「だけ」で判断するな
もちろん有名な人はそれなりの実力が伴ってることは間違いないと思います。でも有名だからすごい、知らないからすごくないとか、歌い手だから、VTuberだから大したことないみたいな、そういう決めつけで物を言うのは失礼以前に自分が損してるよって話です。これって僕ら作曲家オタクの悪い癖でもあって、どうしてもネーミングに縛られて有名なコンポーザーの曲ばっか聴いてるってやっちゃいがちなんですよ。そういう自分たちに対する戒めも込めて。対立が起きるのは仕方ないです。けど見る前、聴く前から文句を言うのはやめようねってことです。文句あるならスルーしとけって思ってます。はい。
いろいろ書きましたが、今のところ僕はこの電音部に対してプラスの感情しか抱いてないし、この間プレイされた曲を聴く限りでもその期待が裏切られる心配はあんまりしてないです、曲さえよければ90点はあげられるのでw。そういうわけで。追いますので。強い曲楽しみにしてます運営さん。よろしくお願いしますね!!
THANK YOU FOR READING.
2020年上半期のすごい曲を振り返る vol.2
ご無沙汰してます。。今回前書き必要...なのか?
何か書くこともないし、早速10選後半戦、差し掛かって行こうかな~。
前回のやつ読んでないよ~という方のためにURL貼っておきます、何卒よろしくお願いします。。。
letia-musiclover.hatenablog.com
前回は割と被らないように...っていうつもりだったんですけど、アンチグラビティ・ガールとNEXT COLOR PLANETは大鉄板だったっぽくて、、、まぁしょうがないね。あの2曲は今年のV楽曲の特大アンセムだったので。いい曲は何回被ってもいい
そんなわけで後半は結構ニッチな曲で勝負しようかなーってことで、こんないい曲あったんだ!って思わせられるような選曲とレビューを目指していきますよ。退屈にならないように頑張って書きます...。
- 6. mist - 早見沙織
- 7. Again (feat. Rachie) - Kirara Magic
- 8. エフェメラ - *Luna feat. ゆある
- 9. city hop - Marpril
- 10. シー・チェンジ - 長谷川白紙
6. mist - 早見沙織
作詞:早見沙織 作曲・編曲:横山克 3月25日リリース「シスターシティーズ」収録
オタクとしてはやっぱり声優楽曲は外せないということで、僕がアーティストとして一番推している早見沙織のアルバム「シスターシティーズ」から、四月は君の嘘、鉄血のオルフェンズなどの劇伴を手掛けている横山克さんの書き下ろし楽曲を紹介しますね。早見さんは今まではスマイルカンパニーの作編曲家が手掛けていることが多かったんですけど、このミニアルバムは他にKIRINJIの堀込泰行さんやユニゾンの田淵氏などバラエティ豊富な作曲陣を招いた意欲作ですね。で、その中から何でこの曲を選んだかと言えば、はっきり言っちゃいます。趣味です。単純に僕がエレクトロサウンドが好きだからってだけですね。エレクトロと言えば今年に入ってインターネットの電子音楽を大量に聴いてきましたけど、それらとは全くの別ベクトル。最小限の音数、コードの動きで、環境に溶け込んでくるような音楽を目指した作品、っていう感じの印象を受けました。空間を漂う粒子を想起させるようなシンセサイザーの音と、その隙間を敷き詰めるように奏でられるストリングスの音。それが早見さんの美しいロングトーンと合わさって心地いい、アンビエントのようなサウンドを生んでいる、という感じです。1番のAメロで入っているせせらぎの音が2Aでは入ってないだとか、僅かな部分までこだわり抜かれていて、とても手の込んだ展開をしていると思います。決して派手に見せるタイプの曲ではない、それでいて存在感を持つ傑作だなと感じました。
あっ、気になったらこの曲に限らずぜひ他の曲も聴いてみてほしいですね。ユニゾン田淵氏の作曲した「PLACE」なんかはユニゾンや他のアーティストへの提供では絶対に見せないような、早見さんだからこそのアプローチを仕掛けていて、プロデューサーとしての彼の実力の高さを見て取れると思います。ぜひに...
7. Again (feat. Rachie) - Kirara Magic
作詞・作曲・編曲:Kirara Magic 3月25日デジタルリリース
Kirara Magic - Again (feat. Rachie)
絶対被らないだろ枠その1。知ってる人相当コアだと思いますこれ...
Kirara Magic、どこかで紹介する機会を設けたいなーと思いつつも今日まで紹介できずじまいになってしまっていました。SoundCloudを中心に楽曲投稿をしているクリエイターなんですけど、とにかく最高にKawaiiなFuture Bassを作られる方で。ある種一つの到達点みたく感じる部分もあるのでぜひ聴いてほしいところです。というところで今回紹介する「Again」っていう曲なんですけど、イントロのビブラフォン(なのか?)の音からしてもう楽しくなってくるような、絶対これ好きだなって思っちゃいました。歌詞が全て英語でメロディも洋楽っぽく聴こえるんですけど、コード進行がJ-POP的な所がすごく良いなって思いました。全体的なアレンジもそこまでクラブミュージックに寄せずにポップとEDMの間で絶妙なバランスを保っているのも、Kawaiiの要素を引き立てる一因のように感じますね。ボーカルのRachie(れいち)さんは他にも近いところだとiMeidenというアーティストの曲にもボーカルで参加したりしていて、可愛くも少しハスキーがかった歌声が個人的にすごく好きです。調べてみたところインドネシア出身の方らしいです。
ちなみに他の曲だとバチバチのクラブサウンドも作っていて、EDM系のサウンドレーベルMEGAREXのコンピレーションにも参加していたりとなかなかに幅広い作風を操る方です。こちらもよければぜひといった感じです。
8. エフェメラ - *Luna feat. ゆある
作詞・作曲・編曲:*Luna リリース未定(4月24日MV公開)
エフェメラ (Ephemera) / *Luna feat.ゆある
先月末のブログで紹介させていただいた*Lunaさんが今年中にリリースする予定のアルバム「惑星のエフェメラ」の表題曲になる曲です。
全く違うフレーズが合わさって1つの曲を形成している、ポップスの中では異例中の異例と言っていい構成だと思います。1番・2番、またサビといった概念がこの曲には存在せず、A~Eメロの全5つのフレーズから出来ています。「惑星のエフェメラ」は未来を舞台にしたストーリ仕立てのコンセプトアルバムで、この曲はその序章という設定のようです。導入は*Lunaさんお得意のKawaii Future Bassのようなサウンドが響きます。いつもと変わらない何気ない朝。このアルバムの物語は主人公の少年が図書館に行き、一冊の本に出会うところから始まります。それが次のBメロですね。イントロからは一転、ストリングスが響き渡るワルツのメロディに。転調を繰り返しながら盛り上がりを見せ、壮大な物語の始まりを予感させます。そして次のCメロへ。スウィングするメロディと共に始まるストーリーテリング。世界を正すために戦った、孤独な戦士の物語。それが少年の心を動かします。そして曲は最大の盛り上がりを見せるD・Eメロへと繋がり、最後もう一度Aメロのメロディを繰り返し、少年の物語がスタートしていきます。
未来を舞台にしているという点でFuture Bassを基軸としながら、多彩な展開を加え芸術性を追求しているというのは、一般的なクラブミュージックとは完全に一線を画していると言っていい気がします。加えて全てのフレーズにおいて変わり目で転調しており、いくつもの表情を一曲の中で見せてくれている点もものすごく評価できます。インターネットの音楽という前衛的なフィールドにおいても、ここまで大胆に攻めた曲というのはほとんどない気がするのでぜひ聴いてほしいということで、今回10選に入れました。惑星のエフェメラ、その全貌が楽しみです。
9. city hop - Marpril
作詞・作曲・編曲:エハラミオリ 5月18日リリース「city hop」収録
Marpril - city hop [Official Music Video]
楽曲クオリティ・映像クオリティ両面でそのレベルの高さを見せつけ、今なお進化し続けるバーチャルユニットMarpril(マープリル)がデビュー1周年を機にリリースした1stアルバム「city hop」からその名を冠したリードトラックです。作曲は総合プロデュースを手掛けるエハラミオリ。
明るい一面とダークでミステリアスな一面、1曲で2度美味しい曲です。PSYQUI作曲の「Girly Cupid」なんかもキュートな曲にバチバチのドロップをかましてくる曲でしたが、これもその例に漏れません。明るい部分はダンスタブルというよりはドラムンベースで疾走感を際立たせ、クールビューティーなイメージを強調させている感じですね。そしてAメロBメロからこのドロップは想像がつかなかった。やられたなって感じ。今回はあえて映像の方にも言及したいんですけど、もはや生身と遜色ないレベルのキレキレのダンスには目を奪われましたね。3Dモーションの技術ってここまで来てるのかと。カメラワークもすごい。相当手が込んでます。ちなみに横断歩道の向こうに描かれているのはSheep in the light(デビュー曲)のMVの街並みです。この辺すごく文脈が感じられてていいですね。
この曲を聴いて感じたのが、Marprilに限らず、VTuberという界隈そのものの驚くほどの成長速度の速さですね。デビューからわずか1年でこれだけレベルの高い音楽・表現に挑戦してるのって、冷静に考えたらとんでもないことじゃないですか?このコンテンツそのものも誕生してから3年で多くの支持を集めるに至っていて、これからもっと成長の可能性を秘めていると思います。めちゃくちゃすごい、でもまだ上に行ける。純粋な感想としてこの曲を聴いてそう思いました。
10. シー・チェンジ - 長谷川白紙
作詞・作曲・編曲:長谷川白紙 5月29日リリース「夢の骨が襲いかかる!」収録
長谷川白紙 - シー・チェンジ (HAKUSHI HASEGAWA - Sea Change) [Official Audio]
今回は唯一のオタクソング以外からの選曲かな?いや、これもニッチっていう意味ではオタクソングなのか...?
長谷川白紙、先月のSecret Sky Festivalでのライブを見てから衝撃を受けて聴き始めたんですけど、本当にすごすぎてすごい以外の言葉が見つからない。独特のコード感であったり、現代音楽的な音の組み立て方であったり、自分のリテラシーでは理解が追いつかない、まるで天上の存在のような、そんな印象を受けました。同い年とか信じたくない...
そんな彼が先月末に発売した新譜「夢の骨が襲いかかる!」は全7曲中6曲がカバーなんですが、これはその1曲のオリジナル曲です。凄すぎた(n回目) 何でピアノ1台でこんな厚みのある音楽作れんだ。。。彼の音楽には地に足がついていないような、いい意味での不安定感があるのですが、今回もそれは健在でした。全く想像できないような小転調があったり、とにかく何でそのメロディにそのコードがつくんだよみたいなのの連続。編曲の技巧的な面もさることながら、彼のウィスパーボイスが感情に訴えかけてくるものがあります。心の内側で何かを叫んでいるような、そんな儚さを持った歌声。揺蕩う感じ、ともとれるんですけど、最初に紹介した早見さんのそれとは違って、どこにも行けずに1つの場所を漂っているようなイメージを、この曲に抱きました。
他の6曲は全てカバーなんですが、どの曲も原曲とは全く違う長谷川白紙の世界に塗り替えられていて、全く別物のような印象を受けます。特にすごかったのが最後のホール・ニュー・ワールドのカバーですね。あれは僕らの知ってるアラジンの曲ではないです。エレピ1台と天才的なリハモで全く違う世界を持つ曲に完全に生まれ変わってます。正直こんなにカバーで衝撃を受けたのは未だかつてなかったかもしれないと思うくらい、ヤバいと思ってしまった。そちらもよければ、いやぜひ聴いてください。
いやー、語った語った。そのうちどれくらいが本質情報なのかわかりませんが...
個人的にかなりフォロワーさんが聴いてなさそうなニッチな選曲したつもりなので反響あったら嬉しいなって感じですね。布教はブログのやりがいなので...
個人的にこういう10選とか、そういうベストを選ぶ時の基準には「そのフィールドにおける斬新さ」を置いてたりします。VTuberソングでファンクを取り入れたNEXT COLOR PLANETを選んでみたり、声優ソングの中ではアニソン的要素が薄めの早見沙織さんの曲を選んでみたりっていうのはそういうことだったりします。あれ、これってもしかしてただの逆張りオタク?そんな気がしてきたね。
さて、これにて僕の10選は出そろいました。正直めちゃくちゃ苦労しました。いい曲多すぎてその中から10に絞るとかもったいねーーーって感じでした。あとはゆっくりフォロワーさんの選ぶ曲を眺めることにしようかな... 気づいた方いるかもしれませんが今回色文字全く使ってません。どうでもいいか。ではでは。今回もお付き合いありがとうございました~~~
2020年上半期のすごい曲を振り返る vol.1
...すいませんまた2週間以上更新をサボってしまいましたリーティアです。
本日は皆さんに大変悲しいお知らせがあります。
2020年が半分終わります。
嫌だ!!!!社会人になんかなりたくない!!!!(絶望)
そんなことを言っていても時の流れが止まることはないらしいね...インターン?知るかそんなもんって感じです。いっそ全部潰れん?
さて、上半期が終わるということは、スーパー振り返りタイムということですね。ということで今回から2記事かけて今年上半期よかった曲10曲を紹介していきたいと思います。。。
2020年、今年は今までの中でも特にたくさんいい曲を見つけられたなっていう自負があるんですけど、その中でも大きかったことと言えば、
VTuberに出会ったこと
やっぱりこれですね。正直最初に聴くまでどこか侮っていた節があったんですけど、本当に偏見はよくないですね。普通のYouTuberのように実況などを主に活動しているライバーばかりではなく、歌をメインに活動しているライバーもたくさんいるっていうこともこの界隈を調べていく中で知ったことだったり。マジで良曲の宝庫って感じで掘れば掘るほどいい曲が出てきてびっくりしました。そんなVTuberのいい曲も今回何曲かノミネートしてみたので紹介しますね。
とりあえずできるだけ過去のブログで未紹介のもの(紹介済のものもいくつかありますが)、フォロワーさんと被りそうにないものっていう基準で選んでみました。そしたらなんか知らないけど3月リリースの曲ばかりになってしまい......まぁ確かに3月いい曲いっぱい出たもんね。しょうがないね。今回は前編ということで、5曲紹介していきたいなと思います。
※紹介順はリリース日の早い順
- 1. 静かにHold Me Tight (feat. KMNZ LIZ & nyankobrq) - 中村さんそ
- 2. 罰と罰 - 鹿乃
- 3. WWW (feat. Edoga-Sullivan) - Moe Shop
- 4. アンチグラビティ・ガール - 月ノ美兎
- 5. NEXT COLOR PLANET - 星街すいせい
1. 静かにHold Me Tight (feat. KMNZ LIZ & nyankobrq) - 中村さんそ
prod. by nyankobrq 3月1日リリース「中村さんそと呼吸して」収録
中村さんそ - 静かにHold Me Tight feat.KMNZ LIZ(prod by nyankobrq)
同人音楽のフィールドで活動するシンガーソングライター・中村さんそさんが今年春のM3にて発売したミニアルバム「中村さんそと呼吸して」のリードトラックとして収録されたトラックで、作曲を手掛けているのはnyankobrqさん。こちらは代表曲としてtwinkle night (feat. somunia) が割と有名です。
トラックの作りとしては循環コードでそんなに複雑なものではないんですけど、そのコード進行が絶妙にいいです。IV△7→IV6→IIIm7→VIm7→IV#m7-5→IV6→IIIm7→VIm7のこの太字にした部分のハーフディミニッシュ。同じメロディを2回繰り返す時に2回目のルートの音を半音上げてるだけなんですけどこれがされてるだけで変化がつくんですよ。このテクニックって実はあの「コネクト」のBメロなんかでも使われていて、普通に聞き流してるだけでは気付かないけど、聴いてて飽きない曲にはこういう微妙なテクが使われてたり。で、このチルいLo-fi Hiphopチックなサウンドに乗っかる萌え声ボーカル。このギャップがすごく革新的で、今までにない組み合わせなんですよ。もうこんなの弱いわけないんだよなぁ!聴けば聴くほどにやみつきになること間違いなしです。
2. 罰と罰 - 鹿乃
作詞:鹿乃 作曲:田中秀和 編曲:佐高陵平(ex. y0c1e) 3月4日リリース「yuanfen」収録
こちらは以前にもブログで取り上げましたが改めての紹介ということで。全楽曲を田中秀和氏がプロデュースした鹿乃さんのアルバム「yuanfen」より8曲目です。この曲を以前紹介した際に「いい意味でアルバムのコンセプトから外れた曲」といった表現をしたんですが、この曲の個性は何と言ってもy0c1eこと佐高陵平氏によるサイケデリックな編曲。y0c1eさんの代表作であるナナシスの「Cocoro Magical」のようなキャッチーな曲からは想像できない、想像の斜め上を行くミステリアスな雰囲気。y0c1eさんは以前にごちうさのキャラソンとして「パッと!花咲くティーポット」という南米サンバ調の楽曲を書きおろしているのですが、この曲にもその影響を受けたようなビートが見受けられつつもさらにそこにサイケデリックトランスを混ぜてぐちゃぐちゃにしたような、もはや禍々しいという表現が相応しい、そんな曲になっています。そしてそれを抜群のリリックセンスによってその魅力が数段跳ね上がっていて。普通にメロディがあるうえにフリースタイルラップのように韻を踏んでいる日本語と英語の混ざった単語の羅列を置いてくるってなかなか攻めてるなって思いました。最初にこの曲の感想を書いた時はまだ歌詞を知らない状態だったのでこっちに言及できたのはこっちが初めてですね。
「yuanfen」については以前に書いたブログで長々と語らせてもらっているので良ければそっちの方もチェックしてもらえたらなーと思います。
letia-musiclover.hatenablog.com
3. WWW (feat. Edoga-Sullivan) - Moe Shop
作詞:佐々木萌(エドガー・サリヴァン) 作曲・編曲:Moe Shop 3月6日リリース
Moe Shop - WWW (feat. EDOGA-SULLIVAN)
こちらはFuture Funkのフィールドで活躍するフランス人トラックメイカーMoe Shopがエドガー・サリヴァンのボーカル佐々木萌さんを招いて作った楽曲です。まさに萌え×萌えですね。
で、もうこの曲を最初に聴いた時の衝撃ときたらそれはすごいものでした。何でフランス人が日本人よりJ-POPを理解してるの?って感じです。本当に。何もこの曲に限った話ではないんですけど、Moe Shopの作る曲のコード進行って渋谷系とかその辺のジャンルの音楽から影響を受けている感じがして、難解ではあるけど耳馴染みはすごくいいんですよね。そこにさらに2000年代の流行J-POP風のメロディ乗せられたらね...?そりゃなにこれやばってなると思うんですよ。おまけにそれをフランス人が作ってるなんて言われた日にはもう頭上がんないです。ちなみに曲名の「WWW」ってどういう意味なんだろうって思ったんですけど、どうやら歌詞を見る限り「ワールドワイドワンルーム」っぽいですね。ワンルームから繋がる世界...まさしくインターネットのアンセムじゃないですかやだー まじで大バズりしてほしいこの曲。Moe Shop、他にもいい曲作りまくってるので是非是非チェックしてもらえたらって感じです。
4. アンチグラビティ・ガール - 月ノ美兎
作詞:MCTC 作曲・編曲:TAKU INOUE 3月18日リリース「SMASH the PAINT!!」収録
「SMASH The PAINT!!」収録曲 【『アンチグラビティ・ガール』月ノ美兎】公式フルMV
単刀直入に言いますか。2020年V界の大アンセム。イノタクとんでもないものを生み出してくれたな...
この曲もブログで紹介するの2回目なんですけどあえて。世界的に見てもドラムの音ってどんどんサンプリングが主流になりつつある中であえてエレクトロに生ドラムのサウンドを入れていくスタイル。まじでこんなことできるのイノタクさんしかいなくないですか...?そしてそんな癖の強いアレンジの中でも物凄い存在感を放ってくる伸びやかなメロディ。アンチグラビティ・ガールという題名が示すように、ふわっと浮かんでどこか知らない場所に連れて行ってくれるような、そんな幻想を抱かせてくれます。そしてこんな元気な曲なのに不思議と感動させられるんですよ。最近Vにハマった僕ですらこの反応なんだから2年間ずっと委員長を見てきたリスナーからしたら感動も一入なんだろうなという感じです。
この曲が入ったアルバムの総合プロデュースを手掛けたのはkzさんだったんですけど、その最後を飾る委員長の曲をあえて自分では書かず盟友イノタクさんに任せた、その先見の明も本当にすごいなって思うんですよね。過去記事ではそのアルバム「SMASH the PAINT!!」についても書かせてもらってます。ぜひチェックしていただければと...
letia-musiclover.hatenablog.com
このブログを書いた段階ではまだでしたが先日ついにサブスク配信が開始されました!ぜひたくさんの人とこのアルバムの感動を共有したいので聴いてくださいませ...
5. NEXT COLOR PLANET - 星街すいせい
作詞:星街すいせい 作曲・編曲:酒井拓也 (Arte Refact) 3月22日デジタルリリース
先日チャンネル登録者数が30万を突破した今V界で飛ぶ鳥を落とす勢いで人気急上昇中のホロライブ所属の星街すいせいちゃんの3曲目のオリジナル曲です。今回プロデュースを担当したのがこちらもアニソン界で話題沸騰中の音楽制作会社Arte Refactの酒井拓也さん。実はArte Refactの曲を聴くのはこの曲が初めてだったんですけど、この曲がマジで何でもっと早く注目しなかったんだって公開するレベルですごくて。ファンク、ネオシティポップの部類としてこの曲はあまりに完成されてましたね。ベースのグルーヴの紡ぎ方、ブラスセクションのアレンジ共にハイレベルすぎました。そしてボーカルが曲の良さを最大限引き出していて本当に上手い。多分VTuberって実際の顔が見えない分ライバーのスキルがより如実に出てくる界隈のような気がしているんですが、それならこれだけの歌唱力があってさらに動画編集スキルも持っているとなればこの高い人気もうなづけるような気がします。
僕が去年印象に残った曲として以前Official髭男dismの「最後の恋煩い」を挙げたんですけど、今また邦楽シーンはシティポップの再評価が起きている気がしていて、この曲もその波に乗った曲だと思うので、これが上手いことVTuberの起爆剤になってくれればという思いもありますね。
前編、こんな感じです。
ひとえに「オタクソング」って言っても色々なものがあるなーってVとか同人の音楽を掘っていく中で思った半年でしたね。そしてやっぱり掘れば掘るほどいい音楽が出てくるっていうのはどこの界隈でも変わらないですね。世の中すごい音楽多すぎ。
多分後半の方がニッチな選曲になるんじゃないかなーと個人的には思ってます。乞うご期待。
いやーしかし文章書くの難しいね。何となく伝えたいことは思い浮かんでも、なかなかそれが言葉に直ってくれないなーっていうもどかしさを日々感じながらブログを書いてます。あとレポートもな。あいつはマジで爆ぜてくれ
まぁ次回もあるので後書きをそんなダラダラ書くこともないような気がするので今回はこの辺にしときます。ではまたしばらくしたら~~~